第44回三重大学定例記者懇談会を開催しました
2月16日(木)、「第44回三重大学定例記者懇談会」を地域イノベーションホールにて開催しました。定例記者懇談会は、本学の近況や教育・研究・診療など様々な活動を報道機関の方々に紹介するため、定期的に開催しています。
定例記者懇談会の会場の様子
今回は、以下の事項について発表を行いました。
♦方言研究の面白さ-「ささって」を題材にして-
「ことば」は時代や社会の移り変わりに呼応し、常に変化し続けるものです。「ことば」の研究の中で、方言は、その変化のプロセスの動態を捉え、そこにどのような要因が関わっているのかを調べています。また、ことば同士の繋がりやその土地の文化を知ることができるのも魅力のひとつです。今回は、三重県の方言を考える際のキーワードである「ささって」を題材にして、方言研究の魅力について紹介しました。
余 健 教授(教育学部)から発表
余 健 教授
♦「忍者・忍術学講座」の成果としての『忍者学大全』出版
伊賀サテライト伊賀連携フィールドでは、2012年設置以来、毎月ハイトピア伊賀において市民対象の「忍者・忍術学講座」を行い、新型コロナウイルス流行以降は、あわせて動画配信も行っています。その成果として、東京大学出版会より山田雄司編・国際忍者研究センター監修により2月22日(水)に『忍者学大全』を出版することになりました。本書は三重大学を中心に40人の研究者がさまざまな観点から研究した、忍者・忍術研究の決定版です。
山田雄司 教授(人文学部)から発表
山田雄司教授
♦地域医療連携による膵がんの早期発見・早期治療を目指す「膵がん早期発見プロジェクト」
三重県、三重大学医学部附属病院(以下、「三重大学病院」)、および三重県医師会は、この度、膵がんを早期に発見するための取り組みとして、「三重県 膵がん早期発見プロジェクト」を立ち上げ、2023年1月に三重県全域で開始することになりました。
このプロジェクトは、自覚症状も出にくく、早期発見が難しい膵がんの"リスク因子"を地域のクリニック(かかりつけ医)にて拾い上げることで、三重県内の膵がん患者の早期発見と早期治療を推進し、生存率の向上を目指すものです。
山田玲子 助教(医学部附属病院 消化器・肝臓内科)
中川勇人 教授(医学部附属病院 消化器・肝臓内科 科長)
中川勇人教授・山田玲子助教
♦医療的ケアが必要なこどもとその家族が輝く地域共生社会の実現に向けた取組
~三重県医療的ケア児・者相談支援センターの活動を中心に~
医療的ケア児支援法が成立し、約1年半が経過しました。医療的ケア児については、まだまだ社会としての理解が十分とは言えません。支援体制があっても必要なところに届いていない状況もあります。
三重大学附属病院では、三重県医療的ケア児・者相談支援センターを設置(2022.4~)し、医療的ケア児・者とその家族を一つの"地域共生社会"として捉え、日常社会生活を切れ目なく支援する方法を多機関・多職種の専門職の方々と共考し、実践し、共感し合える「チーム三重」を目指しています。
岩本彰太郎 准教授(医学部附属病院 小児・AYAがんトータルケアセンター長)
岩本彰太郎 准教授
また、その他・イベントについても紹介しました。
♦「これだけは知っておきたい!南海トラフ大地震の津波への備え」
南海トラフ大地震・津波に対する医療をテーマとして、医学部主催の市民公開講座・イベントを開催します。市民公開講座(セミナー6人、パネルディスカッション)にて防災対策の大切さや、実際に災害が発生した時を想像した自助・共助努力が必要なことを理解してもらい、準備に役立てていただきます。イベントは、屋内ブース(応急手当、BLS、担架搬送、水災害体験など)や屋外ブース(防災ヘリ、ドクヘリ、災害支援車、救急車、消防車)を通じて、日頃からの準備や定期的な訓練が必要であることを、県民・地域住民への理解も深めていく機会として開催予定です。
岸和田昌之 センター長(医学部附属病院 災害対策・推進教育センター)
岸和田昌之 センター長 |
応急処置の実演 |
本学の様々な教育や研究の取組については、幅広く皆さまにお届けしていく予定です。
ホームページや広報誌を通じて発信していきますので今後も三重大学の活動に是非ご注目ください。
定例記者懇談会に関する情報はこちら:https://www.mie-u.ac.jp/report/index.html