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定例記者懇談会

第43回三重大学定例記者懇談会を開催しました

11月24日(木)、「第43回三重大学定例記者懇談会」を地域イノベーションホールにて開催しました。定例記者懇談会は、本学の近況や教育・研究・診療など様々な活動を報道機関の方々に紹介するため、定期的に開催しています。

定例記者懇談会の会場の様子


今回は、以下の事項について発表を行いました。

♦江戸時代初期の津城天守・小天守を描く絵図の発見 個人蔵津城絵図-正保城絵図の下絵か
本絵図は、津藩(藤堂藩とも)二代藩主藤堂高次時代の津城の景観をきわめて詳細に描く貴重な史料です。また、この絵図は、伝存しない津城正保城絵図の作成に関係するものである可能性が高いです。これにより、長らく津城の天守や小天守は、台のみ設けて建てなかったとされてきましたが、天守・小天守が存在していた可能性が出てきました。このことから、藤堂高虎時代の津城を描いた「津城下町絵図写」(津市役所蔵)の三重天守・二重小天守と近似した構造であると考えられます。
藤田達生 教授(教育学部)から発表


藤田教授



♦日本の大麻農業の復活を支える基礎・応用研究組織の発足 ~神事・産業用無毒大麻の新品種開発に向けて~
大麻は日本の伝統文化、特に神事に必要不可欠な素材です。また、神事・伝統文化以外にも、産業・医療への活用が世界的注目の的(グリーンラッシュ)となっています。
GHQによる規制により衰退した日本の大麻栽培を復活させるために、麻薬成分が基準以下の大麻品種を開発し、神事・伝統文化を支える大麻農業を復活させる基礎・応用研究体制を発足しました。
諏訪部圭太 教授(地域イノベーション学研究科)から発表


諏訪部教授


♦AIを活用した路面標示劣化検知システムの開発 試作システムの開発と実運用に向けた実証実験 
三重大学では現在、三重県県土整備部・三重県警察本部と連携し、路面標示劣化検知システムを開発しています。令和3年度にプロトタイプシステムの開発が完了し、令和4年度には実際の現場での運用を目指した実証実験を予定しています。開発したシステムは、ドライブレコーダの画像から路面標示の剥離度をAIを用いて推定します。推定結果は、位置情報と共に登録され、維持管理に活用されます。これにより、作業の負担軽減や主観に左右されない評価などが期待できます。
池浦良淳 工学研究科長、川中普晴 准教授(工学研究科)から発表


池浦教授


♦認知症疾患の脳内に病的蛋白質が蓄積する要因を解明
脳内にタウ蛋白質が蓄積する疾患であるタウオパチーは認知症やパーキンソン症状を呈しますが、タウ蛋白質蓄積の詳細なメカニズムはこれまで不明でした。研究グループが長年調査研究しているタウオパチーである ALS/PDC (筋萎縮性側索硬化症/パーキンソン認知症複合)脳内のタウ蛋白質の蓄積が、アポE遺伝子の特定のサブタイプ (APOE2)によって促進されることを明らかにしました。将来的には、APOE遺伝子のサブタイプの変換によってタウ蛋白質の凝集を抑制できる可能性があります。
小久保康昌 招へい教授(地域イノベーション学研究科)から発表


小久保招へい教授


♦総合がん治療センターの創設 ~Unit診療による最善のがん治療を三重県民に~
三重大学附属病院の有するがん診療機能を集結させ、最新のがん治療を三重県民に継続して提供するために総合がん治療センターを創設しました。患者様を中心に据えた診療科・職種横断的なチーム医療を推進し、 医療の質をさらに向上させることを目指します。
池田智明 医学部附属病院長、平山雅浩 教授(医学部附属病院 小児科学)、問山裕二 教授(医学部附属病院 消化管・小児外科学)、奥川喜永 教授(医学部附属病院 ゲノム医療部)、水野聡朗 准教授(医学部附属病院 腫瘍内科)、渡邉昌俊 教授(医学部附属病院 腫瘍病理学)から発表


池田病院長 平山教授

問山教授 奥川教授

水野准教授 渡邉教授

本学の様々な教育や研究の取り組みについては、幅広く皆さまにお届けしていく予定です。
ホームページや広報誌を通じて発信していきますので今後も三重大学の活動に是非ご注目ください。

定例記者懇談会に関する情報はこちら:https://www.mie-u.ac.jp/report/index.html