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みえアカデミックセミナー2022「超高齢社会が求めるロボットー最新のロボット技術と福祉産業への展開ー」を開催しました

7月23日(土)、三重県文化センター1階レセプションルームにおいて、みえアカデミックセミナー2022「超高齢社会が求めるロボットー最新のロボット技術と福祉産業への展開ー」を開催しました。新型コロナ感染症対策で人数制限が設けられた中、満員御礼の参加となりました。

会場の様子 矢野賢一教授
(会場の様子)                      (矢野賢一教授)


「みえアカデミックセミナー」は、三重県総合文化センターを会場に、三重県にあるすべての大学・短期大学・高等専門学校の高等教育機関が有する高度な学びと県民の皆様をつなぐ一大連携事業として開催されている公開セミナーです。今年度のセミナーは7月14日(木)に始まり、8月27日(土)まで「健康・医療・福祉・歴史・文学・子育て・教育・機械工学」など、各校の特色を活かした様々なテーマで講演が行われます。

三重大学からは、工学研究科機械工学専攻の矢野賢一教授が「超高齢社会が求めるロボットー最新のロボット技術と福祉産業への展開ー」をテーマとして講演しました。矢野教授は「世界中で高齢化が進んでいる中、日本はさらに超高齢化社会へと向かっています。そういった背景からも、日本ではかなり早い段階から医療・福祉ロボットの開発に着手しており、世界のトップランナーとして自立支援や機能回復を目的とした医療・福祉ロボット、超高齢社会に向けた介護支援システムの開発を進めています」と説明されました。
これまで医療・福祉業界とロボット開発産業は、製作コスト、実用化の難しさなど、連携することが難しい場面が多々ありましたが、矢野教授らは医療・福祉の観点に立ちながら、産学連携や共同研究を中心に進め、業界の橋渡しとして研究や活動を進めてきました。医療・福祉において、一番重要な点は、「自立を促し、社会活動に参加ができるように支援すること」です。非常に便利なロボットやシステムを使い、生活を送ることができても、そのロボットやシステムが無いと生活ができないのであれば、本当の自立とは言えません。

また、矢野教授は「自立と孤独とは違う」と印象的な言葉を残されました。これは、今までは家族の誰かが介護のために、寝たきりの人のところに頻繁に訪れていたところ、それを解消するロボットが導入されたことで介護の必要性がなくなり、全く訪れなくなったそうです。そのため、寝たきりの方は以前よりも頻繁に家族を呼び出すようになったという事例から、述べられた言葉です。
利用者の皆さんが「自分もできる」ことを念頭にそれを支援するロボットやシステムを開発していくことで、社会貢献に参加できるように促すことが重要になってくると話されました。

講演中の矢野教授
(講演中の矢野賢一教授)


参加者は、矢野教授の研究報告やこれまで開発されたロボットやシステムについて、あいづちをうたれたり、真剣に聞き入ってる様子が多く見受けられました。超高齢化社会に向けて、誰もが自由に活動でき、社会に参加するための技術や知識を深めることができるセミナーでありました。