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【三重大学の授業紹介 #18】人文学部における民法(家族法)演習

人文学部法律経済学科の専門科目「民法(家族法)演習」(担当教員:稲垣 朋子准教授)では、身近な法律である民法の中でもさらに身近と感じられる家族及び親族の関係を律する法規(婚姻や相続等)について、判例研究を行ったり、テーマを基に報告議論を行ったりしています。前期の授業では、婚姻・内縁、離婚、養親子、後見等様々なテーマについて、2、3人の報告発表班に分かれ、検討しました。

発表資料発表資料

発表資料


上記パワーポイントは、「離婚」というテーマにおいて発表の際に用いたものです。報告発表では、有責配偶者からの離婚請求の法的性質について検討しました。有責性のある配偶者からの離婚請求については、認めるべきか否かについて議論が多数分かれています。報告発表班は日本のこれまでの動向や海外の動向も用いて分かりやすく説明をしました。日本では従来、有責性のある配偶者からの離婚請求は認められていませんでしたが、海外の婚姻関係が破綻していれば離婚請求は認められるという考えを基に裁判所の立場が変わり、現在の日本では、婚姻関係が破綻していれば有責性のある配偶者からの離婚請求を原則認めています。報告後はテーマについての意見を全員で交換し合い、報告発表班もそれ以外の人も、判例の動向や学説を学び、法的な筋道を立てて考えることができました。

また、今年は新型コロナウイルスの影響により、オンライン方式と対面方式を併用したハイブリッド形式で開講されました。今までとは違う形式での授業で最初は戸惑いもありましたが、対面の時と同じように議論をすることができたため、参加者全員が家族法に関する理解を深められたと考えます。

受講した学生からは、「グループワークによる話合いでより深く検討することができた」という声や、「久しぶりの対面の授業で意見交換をすることができ、とても学びになった」という声があがりました。

人生において大半の人が、相続や婚姻等を経験すると考えられます。授業を通して、現代社会が抱える問題や課題を家族法によって検討し、学んだことを自分だけでなく、問題を抱え困っている人のために活用していくことが大切だと感じています。様々な解釈を学び、社会生活に限らず、人生の視野を広げたいと考えます。

※この記事はインターンシップの学生 平井夕季さんが作成しました。




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