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【三重大学の授業紹介 #10】人文学部文化学科の専門科目「日本歴史演習」が開講されました

 人文学部文化学科の専門科目「日本歴史演習」(担当教員:塚本 明教授)では、志摩半島や熊野灘沿岸の村々に残された古文書(崩し字)史料を解読しながら、江戸時代の民衆社会の姿を明らかにする取り組みを続けています。毎年3月、9月には現地に赴いての調査を行ってきましたが、今年度はコロナ禍のなか宿泊を伴う活動が制限されたため、9月に志摩市志摩町越賀郷蔵文書を、志摩市教育委員会の了承を得て一部借り出し、大学で調査・整理作業を実施しました。調査に初めて参加した学生は、本物の古文書を手に取る感動を覚えつつ、教員や先輩たちに崩し字を直接教えてもらいながら、学びを深めていました。

 10月から始まった後期の授業では、調査時に撮影した写真史料や以前調査した尾鷲組大庄屋文書などを用いて、今年度のテーマ「江戸時代の食文化」に即して「魚介」「海藻」「米」「酒」「食材」の5つの班に分かれ、史料の解読・分析と報告に取り組んでいます。

9月の調査・整理作業実習の様子

9月の調査・整理作業実習の様子

9月の調査・整理作業実習の様子


志摩市志摩町越賀郷蔵文書

志摩市志摩町越賀郷蔵文書

 前期にはオンラインによるリモート授業を余儀なくされましたが、後期からはマスク着用はもちろん、消毒液の使用、換気などに留意しつつ、対面式による授業として開講しています。学生は、日々の体温や体調、行動履歴を記録し、感染防止に十分な注意をし、担当教員のチェックを受けて受講しています。同時に、集音マイクとスピーカー、そして教室全体を映すカメラを用いて、いろいろな事情で通学できない学生も、オンラインで受講できるように工夫しています。
 前期にパソコン相手の受講だった学生たちは、「誰にも会わず一人で下宿に籠もる生活はとても心細く、心労で授業に出られないことがあった。」と嘆きつつ、久しぶりの対面式による授業の再開を喜び、「オンラインによるリモートの授業とは比べられないほど議論や技能習得の質が高まった」などと嬉しそうに話しました。生身の学生同士や教員との間で意思の疎通を図りつつ学ぶという、本来の大学教育の意義をかみしめています。

10月22日の授業様子
10月22日の授業様子




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