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【プレスリリース・研究成果】胆管癌の新規治療標的の発見 ―癌細胞の脂質代謝に潜む「フェロトーシスへの弱点」を突く―

三重大学研究基盤推進機構 戦略的リサーチコアの早田有希助教、大学院医学系研究科 消化器内科学の中川勇人教授らの研究グループは、治療選択肢が限られる肝外胆管癌の新たな治療標的候補を発見しました。研究グループは、胆管の上皮細胞に特定の遺伝子異常を起こす複数のマウスモデルを新たに作製しました。その結果、癌抑制遺伝子PTENの欠損に、TGFβ受容体の欠損または癌遺伝子Krasの活性化が加わることで胆道癌が発生し、遺伝子変異の組み合わせによって腫瘍の発生部位や発育形式が異なることを明らかにしました。
さらに、PTEN欠損を伴う肝外胆管癌では、脂質合成を調節するSCAP/SREBP経路が活性化していました。脂質合成は癌の増大を支える一方、酸化されやすい脂質も増加させるため、癌細胞をフェロトーシスと呼ばれる細胞死に陥りやすい状態にします。癌細胞はGPX4という抗酸化因子の働きを高めることで、この細胞死を回避していることが分かりました。そこでGPX4を阻害したところ、マウスにおける肝外胆管癌が抑制できました。本研究は、癌細胞の脂質代謝が生み出す「フェロトーシスへの脆弱性」を利用することで、PTEN欠損を伴う肝外胆管癌の新たな治療戦略につながる可能性を示しました。
本研究成果は、肝臓病学の国際学術誌『JHEP Reports』に、2026年8月29日付でオンライン掲載されました。

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