【プレスリリース・研究成果】黒毛和牛の肥育を支える新技術 -科学×AIで糞から消化効率を予測-
三重大学大学院生物資源学研究科の股村真也さん(博士課程)と近藤誠准教授の研究グループは、黒毛和牛の糞を用いた新たな技術で、牛がどれだけ効率よくエサを消化しているかを予測する方法を開発しました。
霜降り肉として評価が高い黒毛和牛は全国各地で育てられている一方、生産現場では飼料コストの上昇が重要な課題となっています。和牛は肥育に必要なエネルギーの多くをデンプンから得ているため、その消化効率を高く保つことが効率的な和牛生産に必要です。しかし、これまでは農家の牛を対象に消化効率を調べる手段がありませんでした。
研究グループは、複数の研究牧場にて5年間かけて116頭もの黒毛和牛を対象に、食べたエサの量や排泄物の成分を詳細に解析しました。その結果、糞に残るデンプン濃度から消化効率を予測する新しい方法の確立に成功しました。さらに、これまで時間や労力がかかっていた化学分析に代わり、光(近赤外線)による速やかな測定法や、糞のスマートフォン画像から消化効率を予測する斬新な調査方法の可能性も示しました。本研究成果により、黒毛和牛のエサ利用を科学的に把握できる道が開け、無駄の少ない飼料設計や効率的な和牛生産に繋げていくことが期待されます。
これらの主な研究成果は2025年10月9日に国際科学誌「Scientific Reports」に掲載されました。
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