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【プレスリリース・研究成果】カマイルカの来遊を「音」で知る技術の確立~深層学習による自動検出と新手法~

国立大学法人東京海洋大学(学長:井関 俊夫、以下「東京海洋大学」)の学術研究院海洋資源エネルギー学部門の三島由夏助教、Mutsu Bay Dolphin Research、一般財団法人山形県理化学分析センター、東海大学、三重大学らの研究グループは、カマイルカの音を自動検出する方法を開発しました。

青森県陸奥湾と北海道噴火湾ではカマイルカの目視調査が行われています。本研究グループは、長期間、連続してカマイルカを観測するために、各海域に録音機を設置して、カマイルカの音を検出することで存在を確認する「受動的音響観測」を行いました。しかし、受動的音響観測はデータ量が膨大になるという問題がありました。

そこで深層学習を用いてカマイルカの音を自動検出する手法を開発しました。続いて、その自動検出の過程で避けられない「偽陽性」、つまりカマイルカの音は実際にはないのに、自動検出により誤って「音あり」としてしまうこと、をさらに減らす手法を開発し、より正確なカマイルカの音の検出に成功しました。このことにより、信憑性の高い来遊時期の推定が可能になりました。

今後、陸奥湾、噴火湾やその周辺海域に録音機を増やし、この手法を用いて検出することで、カマイルカの詳細な来遊時期や経路が明らかになることが期待されます。

本研究成果は、2025年6月5日に「The Journal of the Acoustical Society of America」に掲載されました。

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