三重大学賞及び学長賞・研究推進貢献賞、学業優秀学生学長賞の授賞式を開催しました
5月31日は三重大学開学記念日です。今年は開学記念日が土曜日のため、5月30日(金)に三翠ホールホワイエにおいて、三重大学賞・学長賞・研究推進貢献賞、学業優秀学生学長賞の授賞式を開催しました。
三重大学賞は、教育活動、研究活動及びその他様々な活動において顕著な功績があった者について、その功績をたたえることにより、教職員のさらなる意欲の向上を図り、本学の活動の活性化と一層の社会貢献に繋げることを目的としており、今年は4名が受賞されました。
教育活動、研究活動、業務において顕著な成績を収められた方に贈られる学長賞は38名、外部資金の獲得を通じて大学の研究発展や経営基盤強化に貢献した研究者に贈られる研究推進貢献賞は6名が受賞されました。
また、学業優秀者として73名の学生の皆さんが学長賞を受賞されました。
今回受賞された皆さん、誠におめでとうございます。今後の益々のご活躍を期待しております。
【第4回三重大学賞受賞者】
◆三重大学賞
医学系研究科寄附講座教授 山口 素子
リンパ腫は同じ病型でも患者さんごとに病状が異なり、中には治療の難しいものがあります。そのような違いを明らかにし、より有効でより優しい治療を三重、日本、世界の患者さんにいち早く届けることを夢見て、1991年から三重大学で研究を続けています。これまで、NK/T細胞リンパ腫とびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を中心に、三重大学での基礎研究と三重大学病院での診療経験を基にした研究の成果を報告してきました。中でもNK/T細胞リンパ腫では研究事務局として開発に参加した治療法(RT-2/3DeVIC療法、SMILE療法)が、ガイドライン推奨治療として、日本だけでなく米国など国外においても行われています。
受賞者のコメント:
三重大学賞という栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。三重大学の皆様、国内外の共同研究者そして患者の皆様、長年のご指導とご支援に心より感謝申し上げます。今後もより良い治療の確立を目指し努力を続けてまいります。
◆三重大学賞
生物資源学研究科教授 寺西 克倫
「生命と発光」を研究テーマに、自然科学への貢献として「生物の発光現象における化学的分子機構を解明する」と、医療への貢献として「生体での可視できない現象を発光により可視化イメージングする」を主に行ってきました。前者では2008年ノーベル化学賞受賞者と20年近く共同研究し、「生物の発光現象」の基礎・応用研究の重要性が一般に認知されるようになりました。後者では、下腹部内の外科手術時における医療事故である尿管損傷(医原性尿管損傷)を尿管を光らせて外科医をサポートする術中尿管近赤外蛍光イメージング薬の開発や癌組織を光らせるイメージング薬の開発を行いました。現在、医薬品としての社会実装にむけ臨床第3相試験が終了し、今後の展開が期待されています。
受賞者のコメント:
栄誉ある三重大学賞に選ばれ、大変光栄に存じます。研究は基礎・応用・社会実装の広い範囲を行っており、社会実装では三重大学知的財産統括室と三重TLOの方々に大変お世話になり、既存のカテゴリーにない新医薬品の展開に至りました。皆様には心より感謝申し上げます。
◆三重大学賞
工学研究科教授 前田 太佳夫
環境に優しい風力発電機、つまり風車は、風の力を利用して電気を生み出します。その構成要素の中でも、風のエネルギーを直接受け取る最前線にあるのがブレード(羽根)です。これまで、風車の高効率化と信頼性向上を目指し、ブレードの形状最適化や風洞実験による風車周囲の流れの解析、フィールド実験による実証研究、さらには自然風の特性解明など、風車に関連する幅広い空気力学研究に注力し、貴重な成果を積み重ねてきました。さらに、三重県内唯一の国立大学として、大型設備を活用した地元企業との共同研究を推進するとともに、未来を担う子どもたちに向けたエネルギー教育の普及啓発や人材育成を通じ、地域社会への貢献にも尽力してきました。
受賞者のコメント:
栄誉ある賞を受賞できたのは、共に研究に励んできたスタッフ、学生、そして卒業生の皆さんのおかげです。循環型社会の実現を目指し、社会に新たな風を吹き込むべく、これからも積極的に成果を発信していきます。
◆三重大学賞
医学部附属病院助教 井倉 一政
2023年8月に三重大社会人水泳部を創部し、現在16名の部員がそれぞれトレーニングを続けています。任意団体の社会人部活動ですが、自主的な教職員の福利厚生にも寄与してきました。井倉個人としては、2024年三重県社会人水泳選手権で50mと100mバタフライ(40歳代の部)の2種目で大会新記録で優勝し、同年開催の日本マスターズ水泳選手権200mバタフライ(40-44歳区分)で優勝、100mバタフライ(同区分)で3位入賞しました。今後は、2025年8月にシンガポールで開催される世界マスターズ水泳選手権での入賞や日本マスターズ水泳選手権の連覇を目指して、仲間とともに研鑽に励みます。
受賞者のコメント:
栄誉ある賞をいただき大変光栄です。若いころは決して有名なアスリートではありませんでしたが、継続した地道な練習が重要であると改めて気づかされました。いつも叱咤激励をくれる、社会人水泳部員、全学と医学部水泳部員に感謝申し上げます。