【プレスリリース・研究成果】敗血症によって引き起こされるICU関連筋力低下におけるPD-1分子と骨格筋随伴2型自然リンパ球の役割
医療の飛躍な進歩にともない敗血症患者の急性期死亡率が減少してきましたが、一方で急性期を脱した後の長期予後における新たな問題として、一部の患者に長期的な身体機能障害や精神障害が引き起こされることがわかってきました。その中でも、ICU関連筋力低下(ICU-AW)は、集中治療を受けた患者の生活の質を著しく低下させるだけでなく長期的な死亡率にも影響する深刻な問題です。
三重大学大学院医学系研究科赤間悠一医師、朴恩正准教授、島岡要教授の研究チームは、ICU-AWのメカニズムに関する重要な発見をしました。この研究では、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)と呼ばれる分子と、筋肉内に存在する免疫細胞のうち、2型自然リンパ球(ILC2)が産生するインターロイキン13(IL-13)が、敗血症後の筋力維持に果たす役割が明らかになりました。特に、PD-1が欠損したマウスモデルでは、敗血症後のICU-AWが軽減され、筋力が維持されることが明らかになり、その維持にはILC2由来のIL-13が大きく貢献している可能性があることを世界で初めて報告しました。
詳細(プレスリリース本文)