リサーチコアセミナー(第5回)を開催しました
6月26日(水)事務局会議室において、研究紹介企画「リサーチコアセミナー」(オンライン併用型)を開催しました。
この企画は学内の多様な研究者を知り、相互に研究内容の理解や研究者間の交流を深めることを目指して5月からスタートし、今回で5回目となります。
会議室には学長、吉岡理事、鶴原理事、酒井理事、佐久間理事、服部監事、織田島局長、上原企画総務部長や研究・社会連携統括本部の教員、URAが集い、オンラインを含めて36名の参加がありました。
第5回目に登壇頂いたのは、医学系研究科 生化学講座の實木 亨 准教授です。「脳の神経細胞が役割を変える仕組み」と題して、研究の背景や今年度採択された科研費・基盤Bの研究内容を含めた研究について説明されました。
研究紹介の中では、脳は領域ごとに決まった機能が生後に割り当てられているが、その機能は変化し得るということを説明された後、今回の研究課題であるAMPA受容体のシナプス集積は脳の損傷回復において非常に重要な役割を果たしており、AMPA受容体がシナプスに集積することで脳の働きに変化を起こし、損傷を受けた神経細胞の機能を回復させる仕組み、さらにはその機能の操作法の開発について詳しく説明していただきました。
また、本研究を進める上での課題として、動物実験を行う上で実験機器等を配置するスペース等の確保に苦慮している点や、三重大学で長期間研究をつづけることへの課題などが紹介されました。
続いて行われた質疑・意見交換では、「AMPA受容体の集積について、海馬における記憶のメカニズムと脳損傷後の回復メカニズムは異なるのか?」と研究内容に切り込んだ質問や、「今回示されたメカニズムは脳梗塞だけではなく脳出血にも適用可能か?」といった質問に加えて、基盤研究Bを続けて獲得された話など、活発な意見交換となりました。
発表後に實木先生から、シナプスにおけるAMPA受容体を制御することにより、嫌な記憶を消したり、失われた記憶を元通りにすることができるかもしれないというお話を聞くことができました。實木先生の研究を活用した、さらなる治療法の開発が進むことを期待しています。
参考:
實木 亨 准教授(医学系研究科)
科研DB https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000010546675/
researchmap https://researchmap.jp/jitsuki
全学シーズ集 https://seeds.mie-u.ac.jp/seeds/1385.html