「リサーチコアセミナー(第2回)」を開催しました
5月15日(水)の朝、事務局会議室において、研究紹介企画「リサーチコアセミナー」第2回が開催されました。
前週からスタートしたこの企画は、学内の多様な研究者を知り、相互に研究内容の理解や研究者間の交流を深めることを目指しています。今回もオンライン併用型で開催し、会議室には鶴原理事(教育担当)、吉岡理事(研究・情報担当)、酒井理事(社会連携担当)や研究・社会連携統括本部の教員が集い、オンラインを含めて38名の参加がありました。
今回登壇頂いたのは、生物資源学研究科 共生環境学専攻 環境情報システム学講座 鈴木哲仁 准教授です。所属する講座では、日頃、工学(物理)と農学(生物)の融合分野を基盤として研究開発に取り組む中、光を用いて農畜水産物・食品を診断する技術を創ることで栽培や品質管理の情報化を可能にし、低ロスで持続可能な未来型の食料生産システムの創出を目指しています。この日の研究紹介では、新たに採択された科研費基盤Bの概要に沿って、「農・畜・水産物の光診断と応用展開-鶏胚診断による精密孵卵システムを目指して-」と題してお話をしていただきました。
研究計画で見据える社会問題は、高い効率で早期に生産できるタンパク源である鶏肉と卵の生産が増加の一途をたどる一方で、世界的な問題である年間70億羽を超えるヒナ鶏の殺処分です。
この問題に対する鈴木准教授の挑戦は、世界の養鶏業と孵卵工程において命とエネルギーの多大なロスがある課題を解決するために、生まれる前のヒナの生物学的な個体差に着目しつつ、ヒナ胚にやさしい光診断と積極制御によって精密孵卵システムを構築することです。
続いて行われた質疑では、診断技術の進化が鶏以外の命の選別に波及する懸念や、世界の中で日本だけが音の診断技術によって生卵を食べられる実態など、ざっくばらんな質疑が展開されました。
参考:
鈴木 哲仁 准教授(生物資源学研究科)
科研DB https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000000723115/
researchmap https://researchmap.jp/TetsuhitoSuzuki
全学シーズ集 https://seeds.mie-u.ac.jp/seeds/1505.html
次回は5月29日(水)8:50より、工学研究科の田港 聡助教による「蓄電池の高エネルギー密度化に向けた電極材料・反応の検討」を予定しております。どうぞご期待ください。
多くの皆様のご参加をお待ちしています。
参考:
田港 聡 助教(工学研究科)
科研DB https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000060771201/
researchmap https://researchmap.jp/60771201
全学シーズ集 https://seeds.mie-u.ac.jp/seeds/1340.html