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令和4年度三重大学賞及び三重大学優秀論文・著書・作品賞合同授賞式を開催しました

三重大学の開学記念日である5月31日(水)、本学三翠ホール(小ホール)にて、令和4年度三重大学賞及び三重大学優秀論文・著書・作品賞合同授賞式を開催しました。
三重大学賞は、教育活動、研究活動、国際交流活動、環境SDGs活動、地域共創活動等において顕著な功績があった者について、その功績をたたえることにより、教職員のさらなる意欲の向上を図り、もって本学の活動の活性化と社会に貢献することを目的として制定されました。今回は教育活動、研究活動及び環境SDGs活動に対する表彰のほか、「幅広い分野での女性教職員の顕著な功績を表彰する」ために、女性教職員分野が新たに設けられ、自薦もしくは推薦のあった候補者について選考を行い、各分野の受賞者を決定しました。
三重大学優秀論文・著書・作品賞は、本学の研究力強化及び優れた研究活動の把握のため、研究業績の質的評価に焦点を当て、各部局から推薦された成果物について選考を行い、受賞者を決定しました。
開学記念日ということもあり、伊藤学長からは本学の歴史の紹介があり、各受賞者に対しては、「新型コロナウイルス感染症により活動を制限された厳しい状況の中、教育研究活動に貢献していただいたことに大学としても御礼を申し上げたい。ぜひ今後ともお力添えをいただきたい。」との激励がありました。
今回受賞された先生方の、今後の益々のご活躍を期待しております!


授与式

三重大学賞

三重大学論文・著者・作品賞


【各賞の受賞者】

◆三重大学賞(教育分野)
 教育学部附属小学校教諭 前田 昌志
 教育学部特任教授 後藤 太一郎

教育学部附属小学校 前田 昌志
附属小学校における、日本初の「360度VR公開研究会」の実施をはじめとした地域貢献活動、および小学校教員としての卓越した教育研究活動を行いました。また、附属学校園におけるロボットの教育利用研究、ドローンやVRを活用した河川防災学習、公立学校と連携した天文教育活動などは、どれも中心となって実践を行っており、その先駆的な取組は関係団体から表彰を受けたり、メディア等にさかんに取り上げられたりしています。これらの取組は、地域の学校教育への多大なる貢献があるとともに、教育学部・附属学校園間の連携活動や、附属学校園の研究活動を大きく活性化させています。

360度VR映像を活用した公開授業システムの開発と実践前田先生

受賞者のコメント:
この栄誉ある賞を受賞できたのは、私個人の力ではありません。附属小学校が1つのチームとなって、目の前の子どもたちのために取り組んできた結果です。本校の取組を支えてくださった皆様に、心から感謝申し上げます。

教育学部 後藤 太一郎
理科教育の発展に努めるとともに,三重県内の教育機関等と連携して地域の科学人材育成に多大な貢献をされた。県内の児童を対象とした「青少年のための科学の祭典」や「フレンドシップ事業」の取り組みを20年努めた。また、JSTの事業である「コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成事業」、「ジュニアドクター育成塾」、および「さくらサイエンスプログラム」によって、理科教員研修の機能強化、才能のある小中学生の発掘と指導、ホーチミン市師範大学における理科教員を目指す学生指導を長年にわたり行った。三重大学独自の地域連携における強みを最大限に活かし、これまでにない科学人材養成拠点と実施体制を構築された。

三重ジュニアドクター養成プログラムによる未来の科学者育成後藤先生

受賞者のコメント:
地域の科学人材育成の関係でご推薦を受けましたが、私一人でできるものではなく、教育学部理科教育の先生方はもちろん、他学部の先生方にお世話になって行ってきました。後継者が科学人材育成を進めてくれると思っています。

◆三重大学賞(研究分野)
 生物資源学研究科教授 立花 義裕

温暖化に伴う気候危機と頻発する異常気象。人類の未来に関わる大問題です。ダイナミックに変化する気象や気候は科学者を魅了させる第一級の研究対象でもあります。私は海洋温暖化や海氷の減少が異常気象に及ぼす影響についてグローバルとローカルの双方の視点で研究を行っています。海から供給されるエネルギーが、気温・水蒸気・風を変え、偏西風蛇行を誘発し豪雨・豪雪を引き起こします。練習船勢水丸での黒潮上の観測経験は「ひらめき」に寄与しています。マスメディアを通じての研究発信にも積極的です。市民の関心の高まりが無ければ気候危機問題は解決しません。科研費新学術領域「変わりゆく気候系における中緯度大気海洋相互作用hot spot」の計画研究代表として研究に没頭しています。

立花先生受賞図立花先生

受賞者のコメント:
受賞出来たのはひとえに私の属する地球環境学講座の皆さまや勢水丸のおかげです。三重大学が気象・気候・異常気象研究の拠点大学であることが自他共に認められたことは感慨深いです。今後も「三重大の顔」としてこの分野の更なる発展に尽力します。

◆三重大学賞(環境SDGs分野)
 三重大学海藻バイオリファイナリー研究センター
 (代表者 生物資源学研究科准教授 柴田 敏行)

三重大学海藻バイオリファイナリー研究センターは、2016年9月の設立以降、大型藻類(海藻類)を原料としたバイオリファイナリー(再生可能な資源であるバイオマスを原料に燃料や化成品などを生産する技術)の確立に係る研究活動を展開してきました。構成員の努力により、科学技術振興機構・戦略的創造研究推進事業CRESTを皮切りに、NEDO先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム、内閣府ムーンショット型研究開発事業(研究推進法人:NEDO)をはじめ複数の大型研究プロジェクトに採択され、この分野を代表する国内の研究機関として認知されています。今後も大型藻類を起点とする炭素循環社会の実現を目指した研究活動を継続していきます。

海藻バイオリファイナリー研究センター図研究センター集合写真 

(写真)左から、奥山哲也施設環境チームアドバイザー、三宅英雄准教授、柴田敏行准教授、田中礼士准教授、山本康介助教

受賞者のコメント:
三重大学は、「環境先進大学」として世界をリードする教育・研究機関です。三重大学賞「環境・SDGs分野」の第一回の受賞者として三重大学海藻バイオリファイナリー研究センターをご選出いただき、大変名誉に思っております。

◆三重大学賞(女性教職員分野)
 医学部附属病院准教授 江口 暁子

慢性肝疾患の病態メカニズムの解明に取り組み、障害を受けた脂肪細胞や肝細胞から放出される細胞外小胞(EV)が、病態進展に寄与する病態情報伝達体であることや、EVは疾患特異的なバイオマーカーになる可能性を示しました。また、肝臓と腸管・骨格筋等の臓器連関に関する研究から、血中リトコール酸量が低下することで、肝性サルコペニアが誘発される可能性を示しました。さらに、企業との共同研究を通じて、肝障害や消化器癌を促進する因子の同定や、新規バイオマーカーの開発を行っています。 これらの成果を国内外の学会や国際誌で積極的に発信することで、さらなる共同研究へと発展させています。

慢性肝疾患の病態進展に細胞外小胞が寄与江口先生

受賞者のコメント:
このような名誉ある賞を受賞させていただき、大変嬉しく思っております。この場をお借りして、これらの研究に携わった全ての方々に感謝申し上げます。今後も、多くの先生方と共に、国内外に向けて研究成果を発信できるよう精進して参ります。

◆三重大学賞(環境SDGs・女性教職員分野)
 客員教授(地域イノベーション学研究科)・名誉教授 朴 恵淑
※本学初の女性常勤理事を務められるなど、女性教職員の良きロールモデルになっておられることも踏まえ、学長裁量による特例として、「環境SDGs・女性教職員分野」としてご受賞されました。

朴 恵淑先生は、国立大学法人初の外国人・女性の理事・副学長および特命副学長として、環境SDGs・女性教職員分野において多大な貢献をしました。環境SDGs分野においては、全学一括のISO14001認証取得、ユネスコスクール登録、3R活動の成功、三重大学生協とコンビニエンスストアおよび三重県全域でのレジ袋ゼロ運動の成功、三重大学環境・SDGs方針および報告書の発行によって三重大学の多くの受賞および国連環境会議(COP)での積極的なアピールに貢献しました。女性教職員分野においては、三重大学男女共同参画推進・専門委員会および学生委員会の組織による教職員と学生との連携強化、男女共同参画カリキュラムの実施、三重大学生および日中韓の大学生の男女共同参画意識調査を通じて、次世代人材の意識啓発に多大な貢献をしました。

朴先生スライド朴先生

三重大学賞(環境SDGs・女性教職員分野)アニメーション

受賞者のコメント:
栄誉ある「三重大学賞」を受賞させていただき、深く感謝申し上げます。世界一環境SDGs先進三重大学の取組および女性教職員のさらなる発展的展開のために産官学民とのグローバル・パートナーシップ強化に今後も尽力させて頂きます。

◆三重大学優秀論文・著書・作品賞論文賞
人文学部 教授 堀内 義隆
教育学部 准教授 市川 俊輔
医学系研究科 教授 北川 覚也
医学部附属病院 准教授 矢野 裕
医学系研究科 教授 ガバザ エステバン
医学系研究科 教授 水野 修吾
医学系研究科 特任教授 谷 一寿
医学系研究科 講師 宮﨑 香奈
医学系研究科 教授 岡田 元宏
医学部附属病院 講師 小池 勇樹
医学系研究科 教授 土肥 薫
医学系研究科 寄附講座教授 山口 素子
工学研究科 准教授 橋本 忠範
工学研究科 教授 石原 篤
工学研究科 助教 尾崎 仁志
工学研究科 助教 名和 憲嗣
工学研究科 准教授 西村 顕
生物資源学研究科 教授 関谷 信人
生物資源学研究科 教授 陳山 鵬
生物資源学研究科 教授 古丸 明
生物資源学研究科 准教授 金岩 稔
地域イノベーション学研究科 教授 諏訪部 圭太