お知らせトピックス

その他

【三重大学の授業紹介 #29】工学部における「エネルギー変換工学Ⅰ」

 1月19日(木)、工学部28番教室にて、総合工学科機械工学コース2年次の選択科目である「エネルギー変換工学Ⅰ」(担当:廣田真史 教授)の授業を開講しました。

 私達の高水準な生活は電力やガスなどの供給によって支えられていますが、これら二次エネルギー源のほとんどが化石燃料であり、日本では全てを海外に依存しているのが現状です。その上、化石燃料の燃焼により一旦熱エネルギーへと変換してから機械的な動力へ再度変換しているため、最終的な変換効率は高々40%に過ぎず、60%以上の熱が大気や海水中に放出され、その際生じた排気ガスは環境悪化させる要因となっています。
 この授業は、世界と日本のエネルギー需要と供給の現状について解説を行い、熱エネルギーを作り出す燃料と燃焼の原理について学びます。「熱エネルギーを有効仕事に変換する科学的手法」がエネルギー変換工学の本質であるため、私達が現在恩恵をこうむっている実際のエネルギー変換機器、例えばガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスタービンなどの動作原理と熱サイクルに帰着される論理性、実機における問題点などを考える機会となります。

エネルギー変換工学Ⅰ

 講義形式は、コロナ禍で普及したハイブリット形式(「対面授業」と「オンライン授業」を併用)で行われています。後方の座席で講義を受けている学生の中には教卓前の黒板だけではなく、手持ちのノートパソコンやタブレットなどからも板書内容を確認し、ハイブリット形式の授業をうまく活用している姿が多く見られました。

エネルギー変換工学Ⅰ

エネルギー変換工学Ⅰ

 第12回の授業では、前回の授業で説明したディーゼルエンジンのサイクルについて演習問題を解説し,作動流体の圧力や温度,また燃費に直結する理論熱効率などを求めました。熱力学の理論に基づいて導出された式を使い具体的な数値を求めてみることは、機械の動作イメージを把握する上で有用であるとともに、将来エンジニアとして技術開発に携わる際に、必ず役に立ちます。また、ディーゼルエンジンはバイオ燃料など多様な燃料を利用することが出来るため、カーボンニュートラル実現のためにも重要な技術です。学生たちは真剣な表情で演習問題に取り組んでいました。

エネルギー変換工学Ⅰ