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【三重大学の授業紹介 #8】「浅田家!」PRで大活躍の、津市広報課(今城氏)によるオンライン授業が行われました

11月4日(木)、授業「メディアと日本」(国際交流センター:栗田聡子准教授)において、津市広報課「シティ・プロモーション担当」の今城茉莉氏によるオンラインでの講義が行われました。

「浅田家!」(監督:中野量太)は、津市出身の写真家・浅田政志さんを嵐の二宮和也さんが演じる話題作で、先月から公開されています。出演は二宮さんを筆頭に、妻夫木聡さん、黒木華さん、等、超豪華メンバー。市内では高田本山専修寺や津新町駅などで、多くの撮影が行われました。
企画・プロデュースをされた小川真司氏は鈴鹿市出身で、まさに「三重から生まれた」映画です。

先月は、第36回ワルシャワ国際映画祭で、日本映画として初の最優秀アジア映画賞も受賞。授業を履修している学生のほぼ全員が、すでに鑑賞しています。

津市広報課はこの千載一遇のチャンスを逃さず、津市を全国的にPRする「シティ・プロモーション」を成功に導きました。中心となって活躍された今城氏は、米国や英国で学び、シアトルで働いた経験を経て出身地に戻られた、まさにグローカルでエネルギッシュな女性です。

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講義を行う今城氏

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オンライン授業の様子

 

今城氏は、撮影中に起こった楽しい裏話やエピソードについて紹介された後、広報課に立ちはだかった「3つの壁」についてお話されました。

第一の壁は、平等性。市は公平原則で1つの企業(映画会社)に協力することができないことから、津市出身の浅田さんの活動を紹介するため、という形をとったとのこと。

第二の壁は、予算。広報課にはプロモーションのための予算が全く出なかったので、「移住・定住推進」のための補助金を国に申請して勝ち取ったそうです。また、東宝や三重交通など地元の企業とタイアップし、津市・映画会社・県内企業の3者でWin-Winの関係を築くことができたとのこと。

第三の壁は、新型コロナウイルス。対面でのイベントが自粛される中、SNSや津市広報誌を通じて積極的にPRした結果、広報誌はメルカリに売りに出されるほどに。今城氏は、「注意を受けても、それだけ注目されたことが嬉しかった!」そうです。

現在、イオンシネマ津南は「浅田家!」の観客動員数で全国一位となっていますが、その陰には数々の壁を乗り越えた広報課の皆さんの大変な努力があったのです。シティ・プロモーションの効果としての「シビック・プライドの醸成」が、見事に実現されてきたとも言えるでしょう。

最後に、学生が津市広報課のメンバーであると想定し、「どの企業とタイアップして、どのような企画をたてるか?そのメリットと効果は?」の質問に対するアイディアを出すことになりました。4つのグループに分かれて活発な議論をした後、発表。本屋や印刷会社とタイアップで広報誌のバージョンアップ、企業や地元銀行等とのコラボ、カメラアプリのフィルターなど、学生らしいクリエイティブで斬新なアイディアが出て盛り上がり、授業は終了しました。

今回の授業は、このクラスが課題等を通じて広報活動に参加させていただいたご縁で、実現しました。
改めまして、津市広報課の皆様、浅田家の皆様を含めた映画関係者の皆様に、お礼を申し上げます。

以下は、学生からの感想の一部です。
■市役所の仕事が、考えていたよりもアグレッシブで驚いた。
■行政の仕事には、主体性の強い仕事もあるのだと知った。
■浅田家!PRの予算が0円であったことに驚愕した。
■広報という仕事に興味をもった。
■企画を考えるグループワークが、とても楽しかった。ぜひ参考にしてほしい。
■津市が大好きなので、こんな風に津市の魅力を広めてくれたことが嬉しかった。
■学生の私たちも、「浅田家!」の広報でもっと協力したかった。


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