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【プレスリリース・研究成果】遷移金属ニオブを含む極性ウルツ鉱型窒化物半導体「NbAlN」の作製に成功 ~GaN系ヘテロ構造の界面電子密度を3倍超に高め、分極を生かした材料設計を拡張~


東京理科大学 先進工学部 マテリアル創成工学科の小林 篤准教授、池田 和久助教、同大学大学院 先進工学研究科 マテリアル創成工学専攻の黒木 颯太氏(2026年度 修士課程1年)、奥田 朋也氏(2025年度 修士課程修了)、菊池 立貢氏(2026年度 修士課程2年)、東京大学、三重大学の研究グループは、遷移金属ニオブ(Nb)を含む窒化アルミニウム(AlN)系半導体「窒化アルミニウムニオブ(NbAlN)」を、窒化ガリウム(GaN)上に単結晶の極性ウルツ鉱型薄膜として作製することに初めて成功しました。
AlNやGaNに代表される極性ウルツ鉱型窒化物半導体は、高い絶縁破壊電界と強い分極を持ち、高出力・高周波電子デバイスの基盤材料として利用されています。AlNにスカンジウム(Sc)などを加えると格子定数や分極に関わる性質を大きく変えられることが知られていますが、金属的な結合を好む遷移金属を取り込みながら、ウルツ鉱型の結晶構造と一方向にそろった極性を保つことは困難でした。
本研究では、反応性スパッタエピタキシーにより、NbAlN薄膜をGaN上にエピタキシャル成長させました。原子分解能の環状明視野走査透過電子顕微鏡(ABF-STEM)観察から、Nbを23%含む約25 nm厚のNbAlN薄膜が、観察した範囲でGaNと同じ金属極性の積層を保つことを確認しました。また、Nbに富むナノ領域が存在しても、ウルツ鉱型の結晶格子は途切れず連続していることを明らかにしました。
さらに、NbAlNをバリア層として加えたNbAlN/AlGaN/AlN/GaNヘテロ構造では、AlN/GaN界面の高い移動度を保ったまま、二次元電子ガス(2DEG)の密度が、NbAlNを用いない構造の約5.1 × 1012 cm−2から1.7 × 1013 cm−2へと3倍超に増加しました。これは、NbAlNの分極によってキャリア密度が変調されたと解釈できる結果です。
本成果は、遷移金属を含む極性窒化物へ材料選択の範囲を広げ、GaN系ヘテロ構造における2DEGのキャリア密度を設計する新たな選択肢を示すものです。本研究成果は国際学術誌「Advanced Materials」に掲載されました。(オンライン掲載日:9月3日)。

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