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【プレスリリース・研究成果】少量の尿から肉牛の栄養ロスを調べる方法を開発 -たんぱく質の利用性を"省力的・正確"に測る-

三重大学大学院生物資源学研究科の股村真也さん(博士後期課程)と近藤誠准教授の研究グループは,肉牛が1日に排泄する尿の量や窒素成分の排泄量を,少量の尿から推定する方法を開発しました。

近年,えさの価格は高騰しており,国産牛肉の安定供給のためにも,えさの利用効率を高めることが重要となっています。えさの栄養バランスが肉牛に合っていない場合,せっかく牛に与えたたんぱく質が身にならず,アンモニアなどの窒素成分として尿に排泄され,無駄になってしまいます。そのため,尿への窒素成分の排泄を減らすことが必要ですが,数百kgの肉牛を対象に1日に排泄される尿を全て集めて調べることは多大な労力がかかることから,たんぱく質の利用性に関する研究は非常に限られていました。

本研究では,肉牛(黒毛和種)を対象に,筋肉から出るクレアチニンという物質を指標として少量の尿から1日の尿量の推定を行いました。7頭の肉牛から延べ125日分の尿を分析した結果,少量の尿を採取する方法でも1日分の尿を全量採取する方法と同等の精度で,尿量と窒素成分の排泄量を推定できることが明らかになりました。

本研究成果は2025年7月3日に,畜産学の国際科学誌「animal」に掲載されました。

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