【プレスリリース・研究成果】細胞が動く"仕組み"を可視化 がん転移や免疫の理解に前進-光遺伝学とクライオ電子線トモグラフィーの融合によるナノスケール構造動態解析技術を確立-
東京科学大学(Science Tokyo)大学院医歯学総合研究科 細胞生物学分野の中田隆夫教授らの研究グループは、三重大学 大学院医学系研究科 組織学・細胞生物学分野の稲葉弘哲講師、神戸大学 大学院医学研究科の仁田亮教授および今崎剛助教らとの共同研究により、光遺伝学ツールを用いて葉状仮足の形成を制御し、さらにクライオ電子線トモグラフィーによって、その構造を天然に近い状態で詳細に観察することに成功しました。
特に、アクチン細胞骨格と細胞膜との相互作用や、形成途上にある新たな構造「mini filopodia」の発見など、細胞運動のメカニズム解明に重要な知見が得られました。
本成果は、神経軸索の誘導、免疫応答、がん転移といったさまざまな生命現象の理解に寄与するだけでなく、細胞内のダイナミックな変化に関する超微細構造の解析を通じた創薬研究にも、新たな道を開くことが期待されます。
本研究の成果は2025年4月24日付けで「iScience」誌に掲載されました。