第52回定例記者発表を開催しました
12月19日(木)、「第52回三重大学定例記者発表」を環境・情報科学館1階 展示ホールにて開催しました。定例記者発表は、本学の近況や教育・研究・診療など様々な活動を報道機関の方々に紹介するため、定期的に開催しています。
今回は、以下の事項について発表を行いました。
♦すべての人に笑顔を届けるイチゴ高設栽培(発表資料)
三重大学教育学部附属特別支援学校は、三重大学振興基金を活用して令和6年8月に新たな作業学習の場となる「イチゴハウス」を新設し、「附属特支イチゴ」のブランド化に向け、9月よりイチゴの高設栽培を開始しました。この取組により、附属特別支援学校の子どもたちの手で育てられた「附属特支イチゴ」が市場に流通することで、子どもたちが自分たちの働きが社会の一役を担っていることを認識し、努力の結果が収益になることを実感することで、キャリア教育につながると考えています。また、地域の幼稚園・保育園や福祉事業所等を対象としたイチゴ狩り等のイベントを企画し、「附属特支イチゴ」の魅力を発信したり、難病と闘う子どもたちへ笑顔と希望を込め「イチゴの提供」を行うなど、「附属特支イチゴ」の栽培を通じて感動と喜びを分かち合う地域貢献も行っていきたいと考えています。
松浦直己 教育学部 副学部長(附属学校担当)(左)、中川克巳 附属特別支援学校長(右)からの発表
♦地域拠点サテライトを活用した地域共創プロジェクト(発表資料)
三重大学では、地域拠点サテライトを活用した学生主体の地域貢献プロジェクトを学内公募し、新たに2件のプロジェクトが立ち上がりました。この学生主体型のプロジェクトでは、学生自らが地域の課題を発見し、課題解決に向けた活動を計画・実行することで、地域への貢献と4つの力(「感じる力」、「考える力」、「コミュニケーション力」、「行動する力」)の涵養を目指しています。
1件目の「三重×見え(MIEMIE)」プロジェクトでは、活用されないまま眠っている豊富な観光資源に着目し、SNSを活用しながら三重の観光スポットの魅力発信に取り組みます。このプロジェクトを通して、①若者世代、訪日外国人観光客による三重県各地への地域振興、②三重県各地を取材することで、地域の理解やさらなる魅力の発見、③効果的な情報発信手法を学び、マーケティング力の向上が期待できます。
2件目の「STEAM教育を通して考える林業の活性化」プロジェクトでは、「Science」、「Technology」、「Engineering」、「Mathematics」、そして「Art/Liberal Arts」からなる「STEAM教育」を通して、東紀州地域の地域課題である一次産業・林業の担い手不足、伝統の風化に解決策を考えることで、『問題発見→課題設定→課題解決』の社会的な課題解決能力の育成を目指します。
酒井俊典 副統括者(地域拠点サテライト)・理事(社会連携担当)からの発表
学生からの発表
♦世界初、鈴鹿サーキットで4K非圧縮マルチチャネル映像の光無線伝送に成功 ~光ファイバの敷設が困難な場所で100Gbpsの大容量通信を実現~(発表資料)
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の「革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業」において、三重大学が研究代表者とし実施している研究課題「超大容量超低遅延無線のための電波/光変換・制御技術」のフィールド実証実験に成功しました。
この実験では、ホンダモビリティランド株式会社鈴鹿サーキットで撮影した4チャネルの非圧縮4K映像をIPパケットに変換した後、シームレスな光無線および光ファイバからなる伝送路を介して株式会社シー・ティー・ワイの社屋に伝送して、高精細映像を再生して評価しました。
10月26日および27日に実施された「全日本2輪選手権」において、4チャネル4K映像を撮影して伝送・再生実験を行い、高品質映像を低遅延で伝送できることを実証しました。特に、無線伝送における「通信距離・速度積」としては、世界最高性能を達成しました。
村田博司 教授(工学研究科)からの発表
♦半導体・デジタル未来創造センターの活動報告 -デジタル部門の教員採用-(発表資料)
持続可能な社会の実現には、デジタル社会への変革が不可欠であり、その鍵となる素子が半導体です。三重県には、世界最大規模の半導体メモリー工場があり、また半導体パワーデバイスでもその関連企業が事業展開しています。
三重大学は、デジタル社会への変革に不可欠な半導体分野及びその関連分野に関する高度な知見を有する人材の育成並びに研究を推進し、もってこれらの分野における諸課題の解決を図るとともに、地域の産業の発展に貢献することを目的に、「半導体・デジタル未来創造センターを2023年4月より設置しています。その中でも、デジタル部門では、画像認識や機械学習、AI(人工知能)等の研究で、地域企業と連携した教育研究を実施しており、本年11月には、医工連携のスマート計測を行う教員を新規に採用しました。
三宅秀人 副センター長・教授(研究基盤推進機構 半導体・デジタル未来創造センター)(左)、
湯田恵美 教授(研究基盤推進機構 半導体・デジタル未来創造センター)(右)からの発表