リサーチコアセミナー(第11回)を開催しました
9月11日(水)事務局会議室において、研究紹介企画「リサーチコアセミナー」(オンライン併用型)を開催しました。
この企画は、学内の多様な研究者を知り、相互に研究内容の理解や研究者間の交流を深めることを目的として開催しています。
11回目となる今回は、戦略的リサーチコアの重点型領域である「次世代型VLPワクチン研究開発センター」の野阪哲哉センター長(医学系研究科・教授)から「三重の地から新規モダリティワクチンを」と題して、研究の背景や現在取り組んでいる研究内容が紹介されました。
会議室には、学長、吉岡理事、鶴原理事、酒井理事、中津監事、織田島事務局長、大畑研究・地域連携部長や研究・社会連携統括本部の教員、URAが集い、オンラインを含めて30名の参加がありました。
次世代型VLPワクチン研究開発センターでは、三重県発のベンチャー企業であるバイオコモ株式会社と共同で、乳幼児の感冒の原因ウイルスのひとつであるヒトパラインフルエンザ2型ウイルス(hPIV2)に由来する細胞質型RNAウイルスベクター BC-PIVを用いた遺伝子組換えワクチン開発を行っています。
「三重の地からパンデミックワクチンを供給し、日本の危機を救う」を目標に掲げ、その実現に向けて、日々、研究に取り組まれています。
セミナー冒頭では、本学の継続的支援を受け、昨年度、AMED/SCARDA(日本医療研究開発機構/先進的研究開発戦略センター):ワクチン・新規モダリティ研究開発事業(R5-8年度)の採択を得たことについて謝辞が述べられました。
野阪教授らは、独自開発の細胞質型RNAウイルスベクター「BC-PIV」を用い、針を使わず鼻から投与できる遺伝子組換えワクチンの作製に成功しました。この技術により、ほとんどすべてのウイルスに個別対応できる、有効性・安全性の高いワクチンの開発基盤が確立され、特に、新規パンデミックウイルスにも迅速に対応できる点が注目されています 。
続いて行われた質疑応答では、「プラットフォーム技術はどういうものなのか?」、「プラットフォーム技術があれば他大学に提供することができるのか?」、「ワクチンの副作用は大丈夫か?」、「この研究で世界に打って出る中で、かけている部分は何か?」など活発な意見が交わされました。
野阪教授は日本でトップレベルの研究者が集うセミナーでも講演され、日本が世界標準目標として掲げている「100 days mission」を達成するために取り組むべきことの実現に向けても尽力されています。
本研究は新型コロナウイルスなどの外敵に対する身体に優しいワクチンだけでなく、ガンを退治する免疫活性化剤も開発することができる可能性を秘めています。
参考:
野阪哲哉 教授(医学系研究科)
科研DB: https://nrid.nii.ac.jp/ja/nrid/1000030218309/
researchmap: https://researchmap.jp/read0052718
全学シーズ集: https://seeds.mie-u.ac.jp/seeds/1274.html