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【プレスリリース・研究成果】生体分子を光で効率よく不活性化できる技術を開発

我々のからだにはおおよそ20000種類のタンパク質が発現・機能し、我々の日々の活動を支えています。一方で、これらタンパク質の機能はまだまだ未解明なものが多く、研究者は日々その解明を目指し研究に取り組んでいます。タンパク質機能の解明には、タンパク質を不活性化したのちに細胞やからだはどう変化するか?を調べる「操作実験」により、因果関係を解明することが重要です。そうした操作的手法のなかでも、CALI法は光で狙った分子を不活性化する重要な技術として知られています。
CALI法とは光で活性酸素を産生する「光増感分子」を用いて、特定の分子を酸化・不活性化する手法です。光増感分子の中でも、我々が以前報告した光増感蛍光タンパク質SuperNovaは世界中で利用されてきました(Goto A et al. Science2021, Gabriela TT et al. Sci. Adv. 2020等)。しかしSuperNovaは37℃での成熟化効率が低いため、特に哺乳類細胞中での分子の酸化・不活性化効率が低い問題がありました。本研究では遺伝子変異スクリーニングによりSuperNovaを改良し、37℃での成熟化効率が顕著に高い新規変異体HyperNovaの開発に成功しました。HyperNovaを用いることで、従来のSuperNovaでは操作が困難であった様々な分子の不活性化が可能になりました。
なお本成果は、三重大学医学系研究科 竹本研教授、設樂久志助教、大阪大学産業科学研究所 永井健治教授らの共同研究によるものです。

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