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表彰

第3回三重大学賞及び三重大学優秀論文・著書・作品賞合同授賞式を開催しました

三重大学の開学記念日である5月31日(金)、本学三翠ホール(小ホール)にて、第3回三重大学賞及び三重大学優秀論文・著書・作品賞合同授賞式を開催しました。
三重大学賞は、教育活動、研究活動、国際交流活動、環境SDGs活動、地域共創活動、大学運営、スポーツ・芸術活動等において顕著な功績があった者について、その功績をたたえることにより、教職員のさらなる意欲の向上を図り、もって本学の活動の活性化と社会に貢献することを目的として制定されました。今回は教育活動、研究活動及びその他の活動に対する自薦もしくは推薦のあった候補者について選考を行い、受賞者を決定しました。
三重大学優秀論文・著書・作品賞は、本学の研究力強化及び優れた研究活動の把握のため、研究業績の質的評価に焦点を当て、各部局から推薦された成果物について選考を行い、受賞者を決定しました。
今回受賞された方々の、今後の益々のご活躍を期待しております!


授与式

三重大学賞

三重大学論文・著者・作品賞


【各賞の受賞者】

◆三重大学賞
 生物資源学研究科教授 苅田 修一

学長補佐、副学長の6年間を通して、三重大学における3つのポリシーの設定、部局の3つのポリシー設定のサポート、その評価を行うアセスメントポリシーの導入を行った。さらに、教学体制として、履修ベースのGPAの導入、カリキュラムマップの設定、全学的ナンバリングの導入、CAP制度の導入、シラバスの学修時間記載、成績分布の表示、GPA分布の公開、学生アンケートの根拠の明確化とアンケート結果の分析、ディプロマサプリメント発行に向けた可視化システムの稼働、教学関係FD/SDの開催などを主導的に行い、三重大学の教学マネジメント体制の構築に貢献した。

三重大学教学マネジメント体制の構築―教学PDCAサイクルの確立苅田先生

受賞者のコメント:
本賞の受賞の内容は、山本理事、鶴原理事のもと、多くの皆様のご協力、ご支援、ご理解があったからこそ、成し遂げられたものであります。感謝申し上げるとともに、本学の教学マネジメント体制のさらなる発展を期待しております。

◆三重大学賞
 医学系研究科教授 野阪 哲哉

未知の病原体による感染症有事への対応は国境を越えた重要な課題です。地元ベンチャーのバイオコモ(株)と共同開発したBC-PIVは、ヒトパラインフルエンザ2型ウイルスという子供の感冒の原因ウイルスを遺伝子改変したハイスペックウイルスベクターです。BC-PIVを用いれば、病原体の遺伝子配列情報を元に、迅速に組換えワクチンの作製が可能です。鼻スプレーとして投与できるのでSDGs面でも次世代型です。国のワクチン・新規モダリティ研究開発事業の支援を受けて、BC-PIVの最初の社会実装プロジェクトとして、開発途上国を含めた世界の乳幼児と高齢者をRSウイルスから守ることを目指した研究開発を続けています。

BC-PIV図野阪先生

受賞者のコメント:
栄誉ある三重大学賞を受賞し、大変光栄に存じます。教室員とバイオコモの皆様、共同研究者の皆様、重点リサーチセンターとして研究スペース、研究費をご支援いただいている三重大学、大型研究費をご支援いただいているAMED/SCARDAに深く感謝申し上げます。将来のパンデミック危機に素早く対応できるような体制を構築すべく、今後も精進してまいります。

◆三重大学賞
 工学研究科教授 今西 誠之

1990年に三重大学に助手として採用され、機能性セラミックスと電気化学、特にリチウム電池等の化学デバイス用電極材料や固体電解質に焦点を当てた研究を行ってきた。発表した研究論文は英語編著書を含み400報を超える。特にリチウム空気電池という新型電池で先駆的な研究を行い、米国電気化学会からBattery Division Research Awardを贈られた。電池に関わる国内外学会役員、フェロー、専門委員会委員長、国内・国際会議の実行委員長等の組織運営に携わり、研究分野の発展に努めた。博士や大学教員を輩出し人材育成を通じた日本の電池産業の発展に寄与した。

次世代を見据えた新電池開発今西先生 

受賞者のコメント:
大学の名を冠する栄誉ある賞をいただき大変うれしいです。研究成果のほぼ全てが本学において生まれたもので本賞受賞は共に研究を推進した教職員・学生と分かちあいたいと思います。研究者人生を実り多いものにしていただいた三重大学に感謝します。

◆三重大学賞
 人文学部教授 山田 雄司

2012年に上野商工会議所、伊賀市、三重大学の3者で「伊賀連携フィールド」という組織を作り、伊賀に関わる取り組みを始めることになりましたが、そのとき研究対象として選んだのが忍者でした。まったくのゼロからのスタートでしたが、多数の皆様の御協力の下「忍者・忍術学」という学問分野を作り上げ、大学院に忍者コースを創設し、国際忍者学会を結成し、学術書を出版するに至りました。研究に関しては、国内外の各種メディアでとりあげていただき、三重大学と言えば忍者と言われるまでに世間から認知されるようになりました。忍術には私たちが生きる上で大切な内容が含まれ、忍者は日本を代表する文化だということを確信しています。

山田教授の講演の様子山田先生

受賞者のコメント:
忍者なんていないと考えている人が少なくなかった中、ここまで忍者研究を進めることができたことを嬉しく思います。各地の忍者に関する史料調査をさらに進め、日本そして世界に向けて発信していけたらと思います。

◆三重大学賞
 生物資源学研究科教授 常 清秀

漁業の現状は厳しい、課題も多い。その中で、「担い手」の問題は最大の課題であると考えています。この問題の解決に、私は地域が抱えている課題を大学の教育と連動させ、大学生を中心に現地調査を通じて、大学生に自ら現状を認識し、地元関係者と一緒に問題解決の方法を考える取組みをしています。このような活動は、大学と地域との連携を強化することになると同時に、学生には、地道な調査活動を通じて、地域を「知る・理解する」ことからスタートし、最後に、地域のためにアクションを起こす「仕組み作り」にも貢献しています。今後とも、より多くの人々に日本の農山漁村に興味を持ち、地域共創の仲間になってくるように情報発信をし続けます。

地域共創の実現に関する考え方 今後の方向性について常先生

受賞者のコメント:
栄誉ある賞を受賞できたのは、これまでに私達の研究活動にいつも温かくご支援・ご協力して下さった学内外関係者の皆様のお陰です。この場をお借りして、特に漁業関係者及び地元行政の皆様に深く御礼を申し上げます。

◆三重大学賞
 財務部財務管理チーム調達室長 平山 亮

令和元年度よりRPAの構築に取り組み、支払伝票作成業務について構築したRPA によって業務自動化を実現しました。この効果は令和4年度には年間2,000 時間以上の業務削減効果を生み、令和5年度にはAmazon最大のイベントにて国立大学法人として初の登壇を行い、当該業界における高い評価を得ました。また、今後は構築したRPA フローをパッケージ化し、他大学へフローを有償提供することによって、これまでコストセンターとしての位置付けであった事務部門において、事務業務効率化のノウハウという価値を創出し、それが大学に収益をもたらすという新たなステージを切り開いていきます。これらの取組は本学に限らず将来の国立大学法人事務部門の可能性を広げる活動になると考えています。

RPAを活用した業務運営DX-三重大学モデル-平山室長

受賞者のコメント:
この度はこのような栄誉ある賞を頂き、大変光栄に思っております。しかし、この度の受賞は私一人の力ではなく、DXに携わった全ての事務職員の皆さんの努力の賜物です。皆さんの協力に心より感謝し、共に成長し続けたいと思います。