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【三重大学の授業紹介 #36】 教育学部における「計測・制御」

教育学部 技術・ものづくり教育コースでは、中学校技術・家庭科技術分野や高等学校情報における計測・制御について指導するための専門知識を獲得する授業を行っています。
 10月16日、「計測・制御」(担当教員:松岡守特任教授)の授業では、国土交通省中部地方整備局及び関係企業の方をゲストティーチャーとしてお招きし、地上型レーザースキャナー及びドローンによる地理計測とそのデータを用いた自動/遠隔運転の講義と計測に関するデモンストレーションをしていただきました。
こうしたICT技術を取り入れたi-Constructionの活動は、建設業を「給与・休暇・希望」という新3Kのイメージへと改革させるためには重要な取組です。
授業中、受講生は熱心に耳を傾け、資料にメモを書き込む姿が見られました。

三重大学教育学部技術・ものづくり教育コースは、中学校の技術科、高校の工業、小学校の生活科や図画工作科等でのものづくりに長けた教員養成を行ってきています。

 一口に技術と言っても生活の中にある技術、産業の中の技術、さらには最先端の科学技術と多岐にわたります。学校現場で技術を語る場合これらすべてが対象になりますが、教育学部を卒業してストレートに学校教員になると、生活技術以外の技術の実際に自身は触れたことがないのに教えなければならないことになりかねません。

 「計測・制御」は中学校の技術科で計測や制御を教えるために教員が持っている基礎的な知識を習得することを念頭にした授業です。内容はセンサとアクチュエータ、データの取り扱い、シーケンス制御、フィードバック制御と多岐にわたります。またこの授業は基本講義形式ではありますが、産業界で使われているメカトロニクスやプログラマブルコントローラの体験実習も一部取り入れています。

 さらに講義の何回かは学外からゲストティーチャーをお招きして、現場の実際のお話しや専門的な機器を持ってきていただいてデモンストレーションや体験の機会を設けています。以下の写真は国土交通省中部地方整備局と関係の企業の方にお越しいただき、地上型レーザースキャナー及びドローンによる地理計測とそのデータを用いた自動/遠隔運転の講義と計測に関するデモンストレーションをしていただいたときの様子です。こうしたICT技術を取り入れてのi-Constructionの取組みによって新3K「給与・休暇・希望」のイメージを改革させる取り組みについての詳細は担当の方に直接ご説明いただき、デモンストレーションをしていただくと深い理解につながります。

 計測対象は実に様々なものがあります。2012年に福島第一原子力発電所で大事故が発生し、放射能漏れが起こりました。放射線については一般には良く理解されているとは言えず大きな混乱が生じました。トリチウムを含んだ処理水の海洋放出などその影響は現在も引きずっています。そうしたこともあり、放射線に関する計測もこの授業で取り入れています。ただ、測定機材は大学で授業用に必要数準備するのは困難であることから、中部原子力懇談会三重支部にご協力いただき、測定機材をお持ちいただき、その取扱いについての説明と実習をお願いしています。

 以上のようにこの授業では、産業用に使われている機器の体験実習や、学外の方々のご協力を得て産業等の現場が理解できる、また時宜を得た内容を盛り込む等の工夫をして教員を目指す学生に「分かる」「将来使える」知識が身につけられるようにしています。

出前授業①サイズ大_R

国土交通省中部地方整備局の方による講義と
地上型レーザースキャナー

出前授業②

体育館での地理計測用
ドローンのデモ飛行