お知らせトピックス

その他

【三重大学クラウドファンディング達成】「バーチャルリアリティ(VR)を活用した在宅リハビリ支援を目指すプロジェクト」の臨床研究を開始しました

三重大学大学院医学系研究科のバーチャルリアリティ(VR)研究チームでは、VR*1がもつ鎮痛作用やリラクセーション効果を医療に応用する臨床研究の1つとして、在宅リハビリテーションにVRを導入する取り組みを進めています。
昨年6月、VR研究チームの船尾浩貴助教(看護学専攻実践看護学領域成人看護学分野)が中心となり立ち上げたクラウドファンディングでは、多くの皆様からのご支援により目標金額を達成することができました。

三重大学クラウドファンディング プロジェクトページ
三重大学クラウドファンディング プロジェクトページ


この度のクラウドファンディングをもとにして、VR機器類の購入など準備を進めてきましたが、この4月より、実際に患者さんを対象とした臨床研究を開始しました。
自宅で療養されている患者さんの中には、脳卒中や骨折などを原因として在宅医療や介護が必要な状態となり、1日の大半をベッドの上で過ごしている方が多くみえます。このような方々の生活を支援するためには在宅でのリハビリテーションが重要となりますが、慢性的な疼痛を抱えていることや動くことへの不安などから、リハビリに積極的に取り組むことができない現状があります。そのような患者さんの痛みや不安を緩和できる手段としてVRが注目されています。

患者さんにVR機器を使用していただいている様子
患者さんにVR機器を使用していただいている様子

海を眺めることができるVR体験のイメージ
海を眺めることができるVR体験のイメージ


先立って実施した予備試験では、砂浜から海岸を眺めたり、動物と過ごすVR体験によって疼痛が緩和し、在宅リハビリテーションが促進された例として症例報告を行ないました*2。

今回の臨床研究では、患者さんにVRを体験した状態で在宅リハビリテーションに取り組んでもらい、その疼痛や不安の緩和、リラクセーション促進の効果測定などを行なっています。現在の研究対象者はまだ数名のみですが、今後はさらに対象者数を増やしていく予定です。


*1バーチャルリアリティ(VR)とは、現実に存在しない仮想空間を目の前に作り出し、あたかも現実にその空間に存在しているような体験をもたらす新しいテクノロジーの1つです。VRゴーグルというスキーゴーグルのような機器を装着することで、360度の視界と音を体験することができます。

*2 予備試験での症例報告です。
Funao H, Tsujikawa M, Momosaki R, Shimaoka M. Virtual reality applied to home-visit rehabilitation for hemiplegic shoulder pain in a stroke patient: a case report. J Rural Med. 2021;16(3):174-178. doi:10.2185/jrm.2021-003

三重大学クラウドファンディング「バーチャルリアリティ(VR)を活用した在宅リハビリ支援を目指すプロジェクト」(三重大学外部のホームページです)
*すでにクラウドファンディングは終了しています
https://readyfor.jp/projects/vr-rehabilitation-project

本件についてのお問い合わせ先
h-funao@med.mie-u.ac.jp