生物資源学部4年生の小井さんが表彰されました
生物資源学部 共生環境学科 環境情報システム工学講座 生産環境システム学研究室4年生の小井瑞穂さん(担当教員:陳山 鵬 教授)が令和2年度日本設備管理学会東海支部学生研究発表会にて『回転機械状態監視・診断に関する研究 ―センサの診断感度評価および深層学習による知的軸受診断法―』をテーマとして発表し、最優秀研究奨励賞を受賞しました。
□受賞について
小井さん: このような光栄な賞を頂くことができ,とてもうれしく思っています.また本研究で得られた成果が,今後の設備診断技術の発展に少しでも役立てられれば幸いです.そして卒業後は大学で学んだことを活かし,社会に貢献することができるものを開発することができる技術者になりたいと思います.
陳山教授: ご受賞、おめでとうございます。短い1年間の卒業研究においてよく頑張って、このような良い研究成果が得られ、学会賞が受賞できたことは、私もとても嬉しく光栄に思います。今後、社会人として大学で学んだ知識や研究で得られた成果を活用して、更に社会に役立つ良い成果を得ることができると確信しております。
受賞した研究の概要は下記の通りです。
回転機械設備は工業・農業生産プラントにおける全設備の中で最も高い割合を占める設備であるため,もしも重要な設備の重大な事故が発生してしまうと多大な人的被害や経済的損失をもたらす可能性があります.そのため,回転機械設備に設備診断技術を導入し,トラブルや事故を未然に防ぎ、生産プラントの安全・安心を確保する必要があります.
本研究では、回転機械の異常診断に最もよく用いられる振動加速度センサを数種類選び、各センサの異常診断感度の比較・評価,および、ディープラーニング(深層学習)を用いて高い診断精度が得られる知的異常診断システムを構築することを目指しました.
センサの違いによる診断感度の比較・評価では、回転機械の重要な部品である軸受の異常診断を対象として、特徴パラメータによる簡易診断(異常有無の判定)精度の比較・評価、また、振動波形の包絡線スペクトルによる精密診断(異常種類の識別)の比較・評価を行った結果、各センサの異常診断精度を明らかにし、現場で振動加速度センサを選定するための基礎的な技術資料を提供することができました。
近年IoTやインダストリー4.0などの進展に伴って、知的設備診断技術(自動診断技術)は益々注目され、そのために、本研究では、ディープラーニング(深層学習)を用いて知的設備診断システムの構築法についても検討しました。今回は、ディープラーニングのSAEモデルを用いて、軸受の自動簡易・精密診断システムを構築し、SAEモデルの構造や様々な係数が診断精度に与える影響を調べ、最適なSAEモデルが得られ、SAEモデルを使用した知的設備診断の有用性を示すことができました.