三重大学は、1949年5月31日に学芸学部(現教育学部)と農学部(現生物資源学部)でスタートし、現在は、人文学部、教育学部、医学部、工学部、生物資源学部に、それぞれの大学院である研究科と地域イノベーション学研究科を加えた5学部、6研究科、そして附属病院が同一キャンパス内に立地した、約7000名の学生が集う地域の総合大学です。
本学は、「地域を見つめ 三重から世界へ 世界から三重へ 未来を拓く地域共創大学」の理念のもと、地域に根ざし、世界に誇れる教育・研究に取り組み、人と自然の調和・共生の中で、社会との共創に向けて切磋琢磨することを、その目指す姿としています。
本学は2024年に創立75周年を迎えることが出来ましたが、長い年月の間に大学を取り巻く環境は大きく変化してきました。特に近年においては、世界のグローバル化・多極化、AI・デジタルなどのテクノロジーの進化、環境問題や疫病流行に直面し、さらに我が国においては少子高齢化が加速しているなど様々な要素が複雑に絡みあい、社会の変化が早く、不確実で先の読めないVUCAの時代となっています。このような時代にあって、地方大学には力強く未来を拓く人材の育成と地域社会の活性化への貢献がより一層求められています。
三重大学における教育は、社会の課題を発見し(感じる力)、情報収集・分析してその解決法を構想し(考える力)、異なる意見に耳を傾け対話力や発信力を磨き(コミュニケーション力)、その課題を解決する(行動する力)という4つの力からなる「生きる力」を涵養して、多様性かつグローバルな社会で活躍できる人材の育成を進めています。そのために教養教育から専門教育に至るまで、キャリア教育、アントレプレナー教育やインターンシップ教育、さらには海外留学や留学生との交流などを通じて国際感覚を身に着け、社会を理解し、変化の時代を生き抜く力となる教育を推進しています。
研究面では、半導体・情報・デジタル、スマート農業、グリーン・ブルーカーボン、次世代型VLPワクチン、プレシジョン医療や医療DX、さらには忍者や海女の地域文化や小中高校の新しい学習システムを構築など、様々な形で地域と広くかつ深く関わり合う特色あるオンリーワン、ナンバーワン研究を推進しています。これらの研究は、地域拠点サテライトも活用しながら多様な地域課題と向き合うことにより、三重大学の教育研究活動を高めるとともに地域の課題解決や社会貢献にも繋がっています。
令和の時代、三重大学は“知の拠点”として、学内外の組織との連携を深め、学部間の異分野横断的な取組や、自治体および企業との産学官の地域連携プラットフォーム(三重大学みえの未来共創会議)、国内外の高等教育機関との連携協定など、様々な“知のつながり”を通じた教育研究活動を推進してまいります。さらに、カーボンニュートラル等の環境問題、デジタルトランスフォーメーションの推進をはじめとする諸課題を地域と共に探究し、その成果を還元して地域の活性化を推進し、新しいコミュニティづくりの一役を担う地域共創大学として発展していきたいと考えています。
各学部・研究科と本部が一体となり、大学のチーム力や総合力を高めて、県民をはじめ広く国民の皆様のウェルビーイングにつながる大学づくりを進め、国内に留まらず世界においても存在感のある大学となること、を目指してまいります。 皆様のご協力、ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
三重大学を代表して
三重大学長 伊藤正明
DRIVING THE FUTURE OF THE
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