三重大学における教育的インターンシップの取組
インターンシップの位置付け
三重大学が進めるインターンシップは、「教育的インターンシップ」と称し、大学教育の一環として位置付けられています。大学での学修と社会組織での実習・経験を結び付けることで、学修を深化させ、新たな学習の意欲を喚起させるとともに、学生に自己の職業適性や将来設計について考える機会を提供します。
インターンシップの取組自体は教育の質保証の重要な要素であり、三重大学および各学部・学科が掲げるディプロマ・ポリシーに沿った教育実践の一環として活用されるものです。
学生の多様な進路をふまえ、インターンシップを狭い意味での就業体験とは捉えず、多様な社会的実践の取組を含むものとして位置付け、部局で認めたもの全てを幅広く含むものとします。
教育的インターンシップの卒業要件化
三重大学では、教育目標を実現し、地域人材育成を推進するために、2019年度入学生よりインターンシップの卒業要件化を導入しました。すべての学生が参加する本学のインターンシップは、「教育的インターンシップ」と称し、具体的には各学部・学科での議論をふまえて実施します。 ⇒ 各学部における教育的インターンシップ卒業要件化概略
人文学部
「学生は、在学中に本学部が定める「教育的インターンシップ」に参加し、本学部所定の認定を受けなければならない。」(人文学部規程(卒業認定)第13条の2)
人文学部では、学生の以下のような活動を「教育的インターンシップ」とする
①学生が社会的諸組織との関わりにおいて行う実践活動・実習活動であること。
②その活動が、本学部がディプロマポリシー(学位授与の方針)において掲げる能力を形成する上で有益なものであること。
③その他、本学部が定める条件を満たすものであること。
卒業要件となる「教育的インターンシップ」の条件
- 雇用契約に基づく活動(いわゆるアルバイト)に該当しないこと。
- 活動時間が合計 10 時間以上であること。
- 活動内容が証明できるものであること。
- 活動の前後で、大学で実施される所定の事前指導・事後指導を受講していること。
「教育的インターンシップ」として認定される主な活動
- 企業、自治体等において行われる就業体験としてのインターンシップ
- 資格取得に伴う実習(教育実習・博物館実習)
- 海外留学・語学研修・海外研修
- その他学内外で行われる実践活動・実習活動
工学部
工学部では、コース毎にインターンシップ科目を定め、これらの科目の修得が卒業に必要であることを学修要項に明示しています。また、学部修士一貫コースを選択した者は、卒業研究の代わりに長期インターンシップを選択することができます。
各コースの教育的インターンシップ(インターンシップ科目)は以下の通りです。
コース 授業科目名等 履修年次
- 機械工学 工場見学、インターンシップⅠ・Ⅱ 定めなし
- 電気電子工学 工場見学、インターンシップⅠ・Ⅱ 定めなし
- 応用化学 工場見学、インターンシップⅠ・Ⅱ 工場見学のみ3年
- 建築学 建築学実習、インターンシップⅠ・Ⅱ 定めなし
- 情報工学 工場見学、インターンシップⅠ・Ⅱ、実践ソフトウェア開発演習 定めなし
- 日数等詳しくは各年度のシラバスを参照してください。
生物資源学部
生物資源学部では、学習要項に卒業のための要件として「教育的インターンシップ」への参加を明記し、「教育的インターンシップ」の内容や手続きは別に定めています。
本学部で「教育的インターンシップ」として定める課外活動と正規科目のいずれかに参加すること
(1)課外活動:3日間(実働18時間)以上の活動
- キャリア支援部門に申請するインターンシップ
- 自由応募のインターンシップ
- 教員の紹介によるインターンシップ
- 国際交流協会が行う海外農業研修
(2)正規の科目
- 教育実習
- 博物館実習
- 現代社会理解実践(教養教育科目)
- インターンシップ科目群
- 生物資源学インターンシップ
教育学部
教育学部は,ディプロマポリシー(DP,学位授与方針)に掲げた「学校現場における諸課題に対応できる実践的指導力を身につけた地域に貢献しうる教育人材を育成する」という目標を達成するために,教育現場等で学生が活動する内容を含む次の授業等を教育学部における教育的インターンシップと位置付け,これらの履修を卒業要件としています。
履修学年、授業科目名等と卒業に必要な単位数
- 1年次 教育実地研究基礎 1
- 2年次 教育実習事前実習 (注)
- 3年次 教育実習 3または5
- 4年次 教職実践演習 2
注:教育実習の単位に含まれる
医学部
医学部では、医学科、看護学科それぞれにおいて、将来の就職先等となる医療施設等において以下の通り実習を行っており、これらを医学部でのインターンシップと位置付け、当該科目の履修を卒業要件としています。
医学部医学科
医学科では、第4学年1月から第6学年の8月まで、三重県地域の関係教育病院・診療所等を含む将来の就職先となる施設において、計70週の診療参加型臨床実習を行っており、医学科学生全員が必修として履修し、一部をインターンシップと位置付けています。
履修学年 授業科目名等 卒業に必要な単位数
第4~6年次 臨床実習 62(注)
注:インターンシップについては、臨床実習の単位に含まれる
医学部看護学科
看護学科では、第4学年を対象に、三重県地域の関係教育病院・診療所等を含む将来の就職先となる施設において、地域社会で暮らす支援を必要とする人々のニーズ把握及びQOLを高める援助の基本的能力を養うことを目的に、看護学各分野それぞれにおいて必修として臨地実習を行っています。これは、看護学科学生全員が必修として履修し、一部をインターンシップと位置付けています。
履修学年 授業科目名等 卒業に必要な単位数
第4年次 統合実習Ⅰ・Ⅱ 4(注)
注:インターンシップについては、統合実習Ⅰ・Ⅱの単位に含まれる