三重大学賞

三重大学では、教育活動、研究活動、国際交流活動、環境SDGs活動、地域共創活動又は女性教職員の活動において顕著な功績があった者について、その功績(業績)をたたえることにより、教職員のさらなる意欲の向上を図り、もって本学の活動の活性化と社会に貢献することを目的として三重大学賞表彰を行います。

第3回三重大学賞受賞者一覧

◆三重大学賞
 生物資源学研究科教授 苅田 修一

学長補佐、副学長の6年間を通して、三重大学における3つのポリシーの設定、部局の3つのポリシー設定のサポート、その評価を行うアセスメントポリシーの導入を行った。さらに、教学体制として、履修ベースのGPAの導入、カリキュラムマップの設定、全学的ナンバリングの導入、CAP制度の導入、シラバスの学修時間記載、成績分布の表示、GPA分布の公開、学生アンケートの根拠の明確化とアンケート結果の分析、ディプロマサプリメント発行に向けた可視化システムの稼働、教学関係FD/SDの開催などを主導的に行い、三重大学の教学マネジメント体制の構築に貢献した。

三重大学教学マネジメント体制の構築―教学PDCAサイクルの確立苅田先生

受賞者のコメント:
本賞の受賞の内容は、山本理事、鶴原理事のもと、多くの皆様のご協力、ご支援、ご理解があったからこそ、成し遂げられたものであります。感謝申し上げるとともに、本学の教学マネジメント体制のさらなる発展を期待しております。

◆三重大学賞
 医学系研究科教授 野阪 哲哉

未知の病原体による感染症有事への対応は国境を越えた重要な課題です。地元ベンチャーのバイオコモ(株)と共同開発したBC-PIVは、ヒトパラインフルエンザ2型ウイルスという子供の感冒の原因ウイルスを遺伝子改変したハイスペックウイルスベクターです。BC-PIVを用いれば、病原体の遺伝子配列情報を元に、迅速に組換えワクチンの作製が可能です。鼻スプレーとして投与できるのでSDGs面でも次世代型です。国のワクチン・新規モダリティ研究開発事業の支援を受けて、BC-PIVの最初の社会実装プロジェクトとして、開発途上国を含めた世界の乳幼児と高齢者をRSウイルスから守ることを目指した研究開発を続けています。

BC-PIV図野阪先生

受賞者のコメント:
栄誉ある三重大学賞を受賞し、大変光栄に存じます。教室員とバイオコモの皆様、共同研究者の皆様、重点リサーチセンターとして研究スペース、研究費をご支援いただいている三重大学、大型研究費をご支援いただいているAMED/SCARDAに深く感謝申し上げます。将来のパンデミック危機に素早く対応できるような体制を構築すべく、今後も精進してまいります。

◆三重大学賞
 工学研究科教授 今西 誠之

1990年に三重大学に助手として採用され、機能性セラミックスと電気化学、特にリチウム電池等の化学デバイス用電極材料や固体電解質に焦点を当てた研究を行ってきた。発表した研究論文は英語編著書を含み400報を超える。特にリチウム空気電池という新型電池で先駆的な研究を行い、米国電気化学会からBattery Division Research Awardを贈られた。電池に関わる国内外学会役員、フェロー、専門委員会委員長、国内・国際会議の実行委員長等の組織運営に携わり、研究分野の発展に努めた。博士や大学教員を輩出し人材育成を通じた日本の電池産業の発展に寄与した。

次世代を見据えた新電池開発今西先生 

受賞者のコメント:
大学の名を冠する栄誉ある賞をいただき大変うれしいです。研究成果のほぼ全てが本学において生まれたもので本賞受賞は共に研究を推進した教職員・学生と分かちあいたいと思います。研究者人生を実り多いものにしていただいた三重大学に感謝します。

◆三重大学賞
 人文学部教授 山田 雄司

2012年に上野商工会議所、伊賀市、三重大学の3者で「伊賀連携フィールド」という組織を作り、伊賀に関わる取り組みを始めることになりましたが、そのとき研究対象として選んだのが忍者でした。まったくのゼロからのスタートでしたが、多数の皆様の御協力の下「忍者・忍術学」という学問分野を作り上げ、大学院に忍者コースを創設し、国際忍者学会を結成し、学術書を出版するに至りました。研究に関しては、国内外の各種メディアでとりあげていただき、三重大学と言えば忍者と言われるまでに世間から認知されるようになりました。忍術には私たちが生きる上で大切な内容が含まれ、忍者は日本を代表する文化だということを確信しています。

山田教授の講演の様子山田先生

受賞者のコメント:
忍者なんていないと考えている人が少なくなかった中、ここまで忍者研究を進めることができたことを嬉しく思います。各地の忍者に関する史料調査をさらに進め、日本そして世界に向けて発信していけたらと思います。

◆三重大学賞
 生物資源学研究科教授 常 清秀

漁業の現状は厳しい、課題も多い。その中で、「担い手」の問題は最大の課題であると考えています。この問題の解決に、私は地域が抱えている課題を大学の教育と連動させ、大学生を中心に現地調査を通じて、大学生に自ら現状を認識し、地元関係者と一緒に問題解決の方法を考える取組みをしています。このような活動は、大学と地域との連携を強化することになると同時に、学生には、地道な調査活動を通じて、地域を「知る・理解する」ことからスタートし、最後に、地域のためにアクションを起こす「仕組み作り」にも貢献しています。今後とも、より多くの人々に日本の農山漁村に興味を持ち、地域共創の仲間になってくるように情報発信をし続けます。

地域共創の実現に関する考え方 今後の方向性について常先生

受賞者のコメント:
栄誉ある賞を受賞できたのは、これまでに私達の研究活動にいつも温かくご支援・ご協力して下さった学内外関係者の皆様のお陰です。この場をお借りして、特に漁業関係者及び地元行政の皆様に深く御礼を申し上げます。

◆三重大学賞
 財務部財務管理チーム調達室長 平山 亮

令和元年度よりRPAの構築に取り組み、支払伝票作成業務について構築したRPA によって業務自動化を実現しました。この効果は令和4年度には年間2,000 時間以上の業務削減効果を生み、令和5年度にはAmazon最大のイベントにて国立大学法人として初の登壇を行い、当該業界における高い評価を得ました。また、今後は構築したRPA フローをパッケージ化し、他大学へフローを有償提供することによって、これまでコストセンターとしての位置付けであった事務部門において、事務業務効率化のノウハウという価値を創出し、それが大学に収益をもたらすという新たなステージを切り開いていきます。これらの取組は本学に限らず将来の国立大学法人事務部門の可能性を広げる活動になると考えています。

RPAを活用した業務運営DX-三重大学モデル-平山室長

受賞者のコメント:
この度はこのような栄誉ある賞を頂き、大変光栄に思っております。しかし、この度の受賞は私一人の力ではなく、DXに携わった全ての事務職員の皆さんの努力の賜物です。皆さんの協力に心より感謝し、共に成長し続けたいと思います。


詳細はこちら
第3回三重大学賞及び三重大学優秀論文・著書・作品賞合同表彰式を開催しました
https://www.mie-u.ac.jp/news/topics/2024/05/post-3163.html

令和4年度三重大学賞受賞者一覧

【三重大学賞 (教育分野)】
 教育学部附属小学校教諭 前田 昌志
 教育学部特任教授 後藤 太一郎

教育学部附属小学校 前田 昌志
附属小学校における、日本初の「360度VR公開研究会」の実施をはじめとした地域貢献活動、および小学校教員としての卓越した教育研究活動を行いました。また、附属学校園におけるロボットの教育利用研究、ドローンやVRを活用した河川防災学習、公立学校と連携した天文教育活動などは、どれも中心となって実践を行っており、その先駆的な取組は関係団体から表彰を受けたり、メディア等にさかんに取り上げられたりしています。これらの取組は、地域の学校教育への多大なる貢献があるとともに、教育学部・附属学校園間の連携活動や、附属学校園の研究活動を大きく活性化させています。

360度VR映像を活用した公開授業システムの開発と実践前田先生

受賞者のコメント:
この栄誉ある賞を受賞できたのは、私個人の力ではありません。附属小学校が1つのチームとなって、目の前の子どもたちのために取り組んできた結果です。本校の取組を支えてくださった皆様に、心から感謝申し上げます。

教育学部 後藤 太一郎
理科教育の発展に努めるとともに,三重県内の教育機関等と連携して地域の科学人材育成に多大な貢献をされた。県内の児童を対象とした「青少年のための科学の祭典」や「フレンドシップ事業」の取り組みを20年努めた。また、JSTの事業である「コア・サイエンス・ティーチャー(CST)養成事業」、「ジュニアドクター育成塾」、および「さくらサイエンスプログラム」によって、理科教員研修の機能強化、才能のある小中学生の発掘と指導、ホーチミン市師範大学における理科教員を目指す学生指導を長年にわたり行った。三重大学独自の地域連携における強みを最大限に活かし、これまでにない科学人材養成拠点と実施体制を構築された。

三重ジュニアドクター養成プログラムによる未来の科学者育成後藤先生

受賞者のコメント:
地域の科学人材育成の関係でご推薦を受けましたが、私一人でできるものではなく、教育学部理科教育の先生方はもちろん、他学部の先生方にお世話になって行ってきました。後継者が科学人材育成を進めてくれると思っています。

【三重大学賞(研究分野)】
 生物資源学研究科教授 立花 義裕

温暖化に伴う気候危機と頻発する異常気象。人類の未来に関わる大問題です。ダイナミックに変化する気象や気候は科学者を魅了させる第一級の研究対象でもあります。私は海洋温暖化や海氷の減少が異常気象に及ぼす影響についてグローバルとローカルの双方の視点で研究を行っています。海から供給されるエネルギーが、気温・水蒸気・風を変え、偏西風蛇行を誘発し豪雨・豪雪を引き起こします。練習船勢水丸での黒潮上の観測経験は「ひらめき」に寄与しています。マスメディアを通じての研究発信にも積極的です。市民の関心の高まりが無ければ気候危機問題は解決しません。科研費新学術領域「変わりゆく気候系における中緯度大気海洋相互作用hot spot」の計画研究代表として研究に没頭しています。

立花先生受賞図立花先生

受賞者のコメント:
受賞出来たのはひとえに私の属する地球環境学講座の皆さまや勢水丸のおかげです。三重大学が気象・気候・異常気象研究の拠点大学であることが自他共に認められたことは感慨深いです。今後も「三重大の顔」としてこの分野の更なる発展に尽力します。

【三重大学賞(環境SDGs分野)】
 三重大学海藻バイオリファイナリー研究センター
  代表者 生物資源学研究科准教授 柴田 敏行
       生物資源学研究科准教授 三宅 英雄
       生物資源学研究科准教授 田中 礼士
       生物資源学研究科附属紀伊・黒潮生命地域フィールドサイエンス
       センター 附帯施設水産実験所助教 山本 康介                 
       施設部施設環境チームアドバイザー 奥山 哲也

三重大学海藻バイオリファイナリー研究センターは、2016年9月の設立以降、大型藻類(海藻類)を原料としたバイオリファイナリー(再生可能な資源であるバイオマスを原料に燃料や化成品などを生産する技術)の確立に係る研究活動を展開してきました。構成員の努力により、科学技術振興機構・戦略的創造研究推進事業CRESTを皮切りに、NEDO先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム、内閣府ムーンショット型研究開発事業(研究推進法人:NEDO)をはじめ複数の大型研究プロジェクトに採択され、この分野を代表する国内の研究機関として認知されています。今後も大型藻類を起点とする炭素循環社会の実現を目指した研究活動を継続していきます。

海藻バイオリファイナリー研究センター図研究センター集合写真 

(写真)左から、奥山哲也施設環境チームアドバイザー、三宅英雄准教授、柴田敏行准教授、田中礼士准教授、山本康介助教

受賞者のコメント:
三重大学は、「環境先進大学」として世界をリードする教育・研究機関です。三重大学賞「環境・SDGs分野」の第一回の受賞者として三重大学海藻バイオリファイナリー研究センターをご選出いただき、大変名誉に思っております。

【三重大学賞(女性教職員分野)】
 医学部附属病院准教授 江口 暁子

慢性肝疾患の病態メカニズムの解明に取り組み、障害を受けた脂肪細胞や肝細胞から放出される細胞外小胞(EV)が、病態進展に寄与する病態情報伝達体であることや、EVは疾患特異的なバイオマーカーになる可能性を示しました。また、肝臓と腸管・骨格筋等の臓器連関に関する研究から、血中リトコール酸量が低下することで、肝性サルコペニアが誘発される可能性を示しました。さらに、企業との共同研究を通じて、肝障害や消化器癌を促進する因子の同定や、新規バイオマーカーの開発を行っています。 これらの成果を国内外の学会や国際誌で積極的に発信することで、さらなる共同研究へと発展させています。

慢性肝疾患の病態進展に細胞外小胞が寄与江口先生

受賞者のコメント:
このような名誉ある賞を受賞させていただき、大変嬉しく思っております。この場をお借りして、これらの研究に携わった全ての方々に感謝申し上げます。今後も、多くの先生方と共に、国内外に向けて研究成果を発信できるよう精進して参ります。

【三重大学賞(環境SDGs・女性教職員分野)】
 客員教授(地域イノベーション学研究科)・名誉教授 朴 恵淑
※本学初の女性常勤理事を務められるなど、女性教職員の良きロールモデルになっておられることも踏まえ、学長裁量による特例として、「環境SDGs・女性教職員分野」としてご受賞されました。

朴 恵淑先生は、国立大学法人初の外国人・女性の理事・副学長および特命副学長として、環境SDGs・女性教職員分野において多大な貢献をしました。環境SDGs分野においては、全学一括のISO14001認証取得、ユネスコスクール登録、3R活動の成功、三重大学生協とコンビニエンスストアおよび三重県全域でのレジ袋ゼロ運動の成功、三重大学環境・SDGs方針および報告書の発行によって三重大学の多くの受賞および国連環境会議(COP)での積極的なアピールに貢献しました。女性教職員分野においては、三重大学男女共同参画推進・専門委員会および学生委員会の組織による教職員と学生との連携強化、男女共同参画カリキュラムの実施、三重大学生および日中韓の大学生の男女共同参画意識調査を通じて、次世代人材の意識啓発に多大な貢献をしました。

朴先生スライド朴先生

三重大学賞(環境SDGs・女性教職員分野)アニメーション

受賞者のコメント:
栄誉ある「三重大学賞」を受賞させていただき、深く感謝申し上げます。世界一環境SDGs先進三重大学の取組および女性教職員のさらなる発展的展開のために産官学民とのグローバル・パートナーシップ強化に今後も尽力させて頂きます。


詳細はこちら
令和4年度三重大学賞及び三重大学優秀論文・著書・作品賞合同表彰式を開催しました
https://www.mie-u.ac.jp/news/topics/2023/06/post-2781.html

令和3年度三重大学賞受賞者一覧

【三重大学賞 (教育分野)】
 教育学部特任教授 奥村 晴彦
 生物資源学研究科教授 森尾 吉成

奥村先生(左)、森尾先生(右)

受賞者のコメント:
栄誉ある賞を授賞させていただき、誠にありがとうございます。16年に渡り皆様に育てていただいた本学の財産であるMoodleを、今後も安定して運用していけるように尽力させていただきます。

【三重大学賞(研究分野)】
 地域イノベーション学研究科教授 三宅 秀人

三宅先生

受賞者のコメント:
大変名誉なことと存じます。三重県、三重大学 地域創生戦略企画室、および研究室のメンバーの協力で研究成果に繋がっています。賞の名に恥じぬように今後も精進いたします。


詳細はこちら
令和3年度三重大学賞及び三重大学優秀論文・著書・作品賞合同表彰式を開催しました
https://www.mie-u.ac.jp/news/topics/2022/03/post-2371.html