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三重大学プレミアムトークを開催しました

三重大学では、教職員が外部の知見から学び、大学の使命と向き合うための機会として「三重大学プレミアムトーク」を継続的に開催しています。今回、9月17日(火)は、城西国際大学副学長の兵頭英治先生をお招きし、「三重大学は何ができるのか」と題したご講演をいただきました。

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講演では、18歳人口の急減という避けられない社会変化や、全国的に広がる大学の定員割れの現状に触れつつ、これからの大学が生き延びるためには「社会からの要請に真摯に応える姿勢」が不可欠であることが強調されました。特に、日本の大学が陥りやすい「サイロ化」、つまり、学内が縦割りに閉じこもり、外部との関わりを避ける構造がもたらす危機についてのご指摘は、私たちにとっても必要な気付きとなりました。

兵頭先生は「変革が迷走する理由は、多くの場合"正しい問い"を立てられていないことにある」と述べられました。大学にとって本当に問うべきは「大学は誰のために存在するのか」「大学は何のために存在するのか」という根源的な問いであり、そこに立ち返ることが未来を切り拓く第一歩であると示されました。
また、「組織のサイロ化を完全に否定することはできないが、それを乗り越える意識をもつことで初めて真の変革につながる」との言葉は、私たちが直面する課題の本質を突いています。学内の協働を深めるだけでなく、社会や地域との対話を通じて、大学の存在意義を実感できる形で示していくことの重要性を再確認いたしました。

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最後に、「構成員全員が成長できる環境を整備し、現状に満足することなく変革を続けていくことが大事」と力強く述べられました。今後も大学の使命を問い直しながら、地域社会と共に成長し続ける三重大学を目指してまいります。