- 三重大学 学長・理事ブログ -

三重大学 学長・理事ブログです。

新たな教育研究組織「MUDX Initiative(三重大学医療DXイニシアティブ)」を設置しました

10月1日(水)、三重大学は新たな教育研究組織として「MUDX Initiative」(Mie University medical Digital Transformation Initiative / 日本語名称:三重大学医療
DXイニシアティブ)を研究基盤推進機構内に設置しました。

本組織は、これまで本学が推進してきた地域共創展開センターのプロジェクト「三重大学医療DXプロジェクト」を発展的解消しバージョンアップさせた新組織で、医療と医学研究の情報化・デジタル化を推進し、産学官金の研究体制を構築するとともに、次世代のデータサイエンスに基づく個別化医療と健康増進に関する研究を発展させることを目的として設置されました。

今後、病病連携・病診連携・個人 (PHR)などの健康・医療情報のスマート化を基盤に、医療、研究、社会実装と教育を一体的に展開するプロジェクト推進型統括本部として機能していきます。

三重大学は、スマート化を活用・推進し、本学の力を結集して、地域の医療と医学の発展に貢献してまいりますので、今後ともご支援・ご関心のほど、よろしくお願いいたします。

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北勢サテライト市民公開セミナー を開催しました

9月26日(金)、四日市市のあさけプラザにて、「北勢サテライ市民公開セミナー」を開催いたしました。

本学では、県内各地域に設置したサテライト拠点を通じて、地域の多様な課題に対して教育・研究・社会貢献の側面から取り組んでおり、本セミナーは地域創生への取り組みの一環としてサテライト拠点で開催している一般市民も参加できるセミナーとなっています。

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セミナーでは、本学教員2名がそれぞれの専門分野を生かし、地域に身近なテーマで講演を行いました。医学系研究科の近藤峰生教授が「100歳までよく見える目を保つために」と題し、中高年に多い目の病気について、早期発見の重要性や最新の治療法、さらに予防のヒントなどについて解説しました。続いて、工学研究科の近藤早映准教授が「『にぎわいを科学する』」と題し、人口減少社会における「にぎわい」づくりの新しい考え方として、データと行動分析による新たな「にぎわい」の指標を解説しました。

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当日は、多くの地域住民の皆様にご参加いただき、目の健康や地域活性化の新しい視点といった身近なテーマについての理解を深めていただく場となりました。

地域共創大学を掲げる三重大学は、北勢地域をはじめとする県内各サテライト拠点のネットワークを活かし、三重県全域で地域に根ざした教育・研究活動を展開します。多様な地域課題の解決に貢献する中核大学として、今後も地域の皆さまと未来を共創し、社会に貢献してまいります。

令和7年度秋の学位記授与式を挙行いたしました

9月25日(木)、三翠ホールにおいて秋の学位記授与式を挙行いたしました。
式典では、学部・大学院を修了された皆さんに学位記を授与し、ご家族の皆さまと共にその門出をお祝いしました。

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学位記を受け取られた皆さん、誠におめでとうございます。
皆さんは本学で専門分野を深め、「自由闊達な学風」のもとで柔軟な思考を磨かれました。その学びは、変化の激しい時代にあっても人と人をつなぎ、新しい未来を築く力となるはずです。

いま世界は、紛争や気候変動といった課題に直面する一方で、AIなど新しい技術が社会を大きく変えようとしています。不確実性の時代だからこそ、学問は未来を切り拓く灯火となります。どうか皆さんも、学びと行動で世界と地域を結ぶ架け橋となってください。

母校・三重大学は、これからも皆さんを見守り、支えます。そして本学もまた皆さんの力を必要としています。ぜひ同窓会等を通じて、大学の活動を支えていただければ幸いです。卒業生・修了生の皆さんの新たな門出を心よりお祝いし、それぞれの舞台でのご活躍を祈念いたします。

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三重大学プレミアムトークを開催しました

9月24日(水)、本部管理棟会議室において「三重大学プレミアムトーク」を開催しました。今回は、中部経済連合会 専務理事の平松岳人氏を講師にお迎えし、「産業界が三重大学に期待すること」をテーマにご講演いただきました。

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平松氏は、長年にわたりエネルギー・産業分野を中心に活躍され、現在は中部圏全体の経済発展に向けて幅広い取り組みを推進されています。講演では、中部圏が目指す「豊かで持続可能な社会」の実現に向けた産業界の視点が示されるとともに、大学に対する期待が具体的に語られました。

特に、「技術で勝ってビジネスで負ける」ことのない教育の重要性や、起業家精神を育むアントレプレナー教育、ジョブ型雇用への対応、さらに南海トラフ巨大地震を見据えた防災体制、半導体をはじめとした地場産業への貢献、リニア中央新幹線開通を見据えた地域づくり、そして急速に進化するAIをはじめとする技術革新への備えなど、数々のテーマに沿って提言をいただきました。

また、「国立大学は知と人材の集積拠点として社会変革の原動力となるべき」との視点から、三重大学には中部圏内外から人材と産業を引きつける拠点としての役割や、地域企業との連携によるイノベーションの創出、外国人材を含む多様な人材の定着支援への期待も寄せられました。

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講演後の質疑応答では、参加した教職員から活発な質問が寄せられ、大学の未来像を共有し、改めて地域とともに成長していく使命を考える貴重な機会となりました。

三重大学は今後も、産業界や地域社会との対話を重ねながら、未来に向けた大学の在り方を探求してまいります。

三重大学プレミアムトークを開催しました

三重大学では、教職員が外部の知見から学び、大学の使命と向き合うための機会として「三重大学プレミアムトーク」を継続的に開催しています。今回、9月17日(火)は、城西国際大学副学長の兵頭英治先生をお招きし、「三重大学は何ができるのか」と題したご講演をいただきました。

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講演では、18歳人口の急減という避けられない社会変化や、全国的に広がる大学の定員割れの現状に触れつつ、これからの大学が生き延びるためには「社会からの要請に真摯に応える姿勢」が不可欠であることが強調されました。特に、日本の大学が陥りやすい「サイロ化」、つまり、学内が縦割りに閉じこもり、外部との関わりを避ける構造がもたらす危機についてのご指摘は、私たちにとっても必要な気付きとなりました。

兵頭先生は「変革が迷走する理由は、多くの場合"正しい問い"を立てられていないことにある」と述べられました。大学にとって本当に問うべきは「大学は誰のために存在するのか」「大学は何のために存在するのか」という根源的な問いであり、そこに立ち返ることが未来を切り拓く第一歩であると示されました。
また、「組織のサイロ化を完全に否定することはできないが、それを乗り越える意識をもつことで初めて真の変革につながる」との言葉は、私たちが直面する課題の本質を突いています。学内の協働を深めるだけでなく、社会や地域との対話を通じて、大学の存在意義を実感できる形で示していくことの重要性を再確認いたしました。

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最後に、「構成員全員が成長できる環境を整備し、現状に満足することなく変革を続けていくことが大事」と力強く述べられました。今後も大学の使命を問い直しながら、地域社会と共に成長し続ける三重大学を目指してまいります。

三重大学教育学部附属小学校 創立150周年記念式典に出席しました

令和7年8月23日(土)、津市のHotel 津 Center Palaceにて、三重大学教育学部附属小学校の創立150周年を記念する式典および祝賀会が盛大に開催されました。

本校は、1875年(明治8年)に三重県師範有造学校附属小学校として設立されて以来、地域とともに歩み、数多くの児童を育んできました。150年という長い歴史の中で、教育の理想を追求し続けてきた附属小学校の歩みは、まさに三重大学の教育理念の根幹を成すものです。

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式典には、卒業生や関係者など約170名が出席され、児童が考案したマスコットキャラクター「フゾクマ」やロゴマークの紹介、学校の歴史を振り返る展示などが行われました。児童たちの創造力と誇りが随所に感じられ、未来への希望を感じるひとときとなりました。

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私からは、附属小学校が地域に根ざし、次世代を担う子どもたちの育成に尽力してきたことへの感謝と敬意を表するとともに、今後も三重大学として、地域とともに歩み、教育の質の向上に努めていく決意を述べさせていただきました。

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社会が急速に変化する中で、教育の果たす役割はますます重要になっています。附属小学校がこれからも地域の信頼を得ながら、子どもたちの可能性を引き出す場であり続けることを心より願っております。

最後に、記念事業にご協賛・ご寄附をいただいた皆様に、改めて深く感謝申し上げます。今後とも、三重大学教育学部附属小学校への温かいご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

「MIRAISE会議」立ち上げに先立ち、外部有識者による勉強会を開催しました

令和7年8月21日(木)、三重大学本部管理棟会議室において「MIRAISE会議」立ち上げに先立ち、大学改革支援・学位記授与機構 服部泰直機構長をお招きし、「国立大学法人を取り巻く社会情勢と大学改革~最近の議論から改革の方向性を考える~」勉強会を開催いたしました。

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「MIRAISE会議」とは2040年を見据えて、三重大学のあるべき姿から今検討するべき課題を議論することを目的に立ち上げました。

服部機構長からは、国立大学法人を取り巻く社会情勢について多角的な視点からお話をいただきました。特に印象的であったのは、大学がこれからも社会に信頼され、存在意義を発揮していくためには、学内の議論だけでなく、地域や企業、卒業生など幅広いステークホルダーからの意見を丁寧に汲み取り、一般社会からも評価される大学を目指さなければならないという点です。
また、各大学法人の強みや特色を理解しつつ、それぞれの高等教育機関同士が積極的に連携することの重要性も強調されました。これまで以上に時代の変化が激しくなる中で、新しい価値を創造できる人材を育成することこそが、社会から大学に寄せられている大きな期待であることを改めて認識いたしました。

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今回の勉強会を通じて、改めて教職員・学生を含む構成員一人ひとりが改革の担い手であるという意識を共有し、実行に移していくことであると感じております。これからも三重大学が2040年に向けて持続的に成長し、社会に必要とされる大学であり続けるために、未来を見据えた議論と実践を積み重ねてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

次回は8月27日水曜日、三重県の服部浩副知事から今後の三重県の産業を含めた方向性についてお話しいただきます。

最後に、三重大学の未来構想の出発点にあたり、貴重なご講演を賜りました服部機構長に心より感謝申し上げます。

北勢サテライト協議会&セミナーを開催しました

令和7年8月4日(月)、桑名市のくわなメディアライヴにて、「北勢サテライト協議会および市民公開セミナー」を開催いたしました。

本学では、県内各地域に設置したサテライト拠点を通じて、地域の多様な課題に対して教育・研究・社会貢献の側面から取り組んでおり、北勢地域においても産官学の連携を基盤とした活動を重ねています。今回の協議会では、地域医療人材の育成や、地元企業と連携したインターンシップ、多文化共生の推進、学生による地域参画といった多岐にわたる実践的な取り組みが報告され、大学と地域の協働の重要性が再確認されました。

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協議会終了後には、市民公開セミナーを開催しました。セミナーでは、本学教員3名がそれぞれの専門分野を生かし、地域に身近なテーマで講演を行いました。教育学部の服部明子准教授が「三重県の多文化共生について」と題し、異なる文化的背景をもつ人々との円滑な関係づくりには日本語教育が不可欠であることを述べました。あわせて、木曽岬町で実施されている「多文化共生ミーティング」の取組を紹介し、地域に根ざした実践の重要性を強調されました。続いて、工学研究科の羽多野裕之准教授が「携帯電話の驚くべき進化~現在・未来・過去~」と題して登壇し、電波の仕組みを交えながら、携帯電話の技術的進化と社会との関わりを解説しました。最後に、医学部附属病院の中森史朗講師が「人生100年時代を元気に過ごすために~心不全を防ぐための生活習慣と最新治療~」をテーマに、健康寿命を延ばすために重要な生活習慣の見直しや、地域・家族とのつながりの意義について語りました。

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当日は、多くの自治体関係者、企業、地域住民の皆様にご参加いただき、活発な意見交換が行われました。北勢地域における大学と地域の連携の深化を実感するとともに、地域とともに未来を築いていくことの大切さを改めて確認する機会となりました。

三重大学は今後も、北勢地域をはじめ三重県全域において、地域に根ざした教育・研究活動を展開し、地域課題の解決に貢献する大学として、地域の皆様とともに歩んでまいります。

卓越型領域卓越型リサーチセンターの認定式を行いました

7月31日(木)、「次世代型プレシジョンメディシン開発センター」を卓越型領域卓越型リサーチセンターとして正式に認定する認定式を執り行いました。

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この認定は、令和6年度の戦略的リサーチコア活動実績に基づき、研究業績、外部資金獲得状況、科研費の保有状況、大学院生への教育指導など、多角的な評価を行った結果として決定されたものです。研究・社会連携統括本部会議にて推薦された後、所定の「戦略的リサーチコア卓越型領域卓越型リサーチセンター認定における要項」に則り、私から正式に認定いたしました。

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今回、卓越型リサーチセンターとして昇格した「次世代型プレシジョンメディシン開発センター」(代表:医学系研究科 中川勇人 教授)は、これまでの優れた実績に加え、今後さらに世界水準の先端研究の展開と社会実装が期待される中核拠点です。個別化医療やゲノム情報を活用した革新的な医療技術の開発を推進することで、地域と世界の未来に貢献していくものと確信しています。

認定期間は、令和7年4月1日から令和10年3月31日までの3年間。他の卓越型リサーチセンターと同様、重点的な支援を通じて、さらなる研究の深化と人材育成の加速を図ってまいります。

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引き続き、本学の研究力の強化と社会への貢献を推進すべく、全学を挙げて取り組んでまいります。

ダイバーシティ&インクルージョン推進の新拠点が誕生しました

7月22日(火)、このたび本学では、ダイバーシティ&インクルージョンのさらなる推進を目的として新たな専用スペースを開設し、開所式を行いました。

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この空間は、単なる施設ではありません。多様な考え方や感じ方を大切にする本学の想いを、かたちにしたスペースです。カラフルで温かみのある家具や、自由に使えるレイアウト、そして誰もが安心して過ごせるよう工夫されたデザインにより、心の壁や使いにくさをできるだけなくすことを目指しました。

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学生も教職員も、誰もが自然体で、ほっと一息つける空間。ミーティングや休憩の場としても活用していただきながら、この場所が、多様性を受け入れ、尊重し合う文化の発信源となることを願っています。

この新たな一歩が、学内に、そして地域社会へと、ダイバーシティ・インクルージョン推進の輪が広がっていくことを心から期待しています。