- 三重大学 学長・理事ブログ -

三重大学 学長・理事ブログです。

mini環境まつりを開催しました

7月30日(水)、環境・情報科学館にて「mini環境まつり」を開催しました。展示会スタイルで実施した今回のイベントは、環境技術や取組に"実際に触れる"ことを大切にした構成で、多くの学生・教職員の皆さんにご参加いただきました。

★20250730_mini環境まつり (63)_R.JPG

★20250730_mini環境まつり (37)_R.JPG

当日は、企業ブースによる最先端の環境技術の展示、再生可能エネルギーに関する紹介、そして水素燃料電池バス「SORA」の展示など、多様なプログラムが展開されました。実際に技術に触れ、説明を聞くことで、「環境問題=遠い話」ではなく、「自分の生活とつながっている」と感じてもらえたのではないかと思います。

★20250730_mini環境まつり (29)_R.JPG

★20250730_mini環境まつり (18)_R.JPG

★20250730_mini環境まつり (23)_R.JPG

記念品の配布やクイズ形式のパネルも工夫の一つで、学生たちが楽しみながら学べる場になっていたのも印象的でした。企業の方と直接対話し、専門的な知識を深めていた学生の姿も多く見られ、多くの学びにつながったことを嬉しく感じています。こうした機会を通じて、一人ひとりが「自分にできる環境アクション」を考えるきっかけになればと思います。

今後も、学生・教職員が主体的に参加し、学び合い、そして地域とともに歩む場を提供してまいります。
ご協力いただいた関係者の皆様、誠にありがとうございました。

ダナン大学との大学間協定を締結しました

7月30日(火)、三重大学にて、ベトナムのダナン大学-科学教育大学(University of Science and Education - The University of Danang, 以下UED)との大学間協定の調印式を執り行いました。

20250730_ダナン大学との調印式 (24)_R.PNG

20250730_ダナン大学との調印式 (44)_R.PNG

調印式には、UEDからヴォー・ヴァン・ミン学長、チン・ダン・マウ学部長(生物・農業環境学部)をお迎えし、和やかな雰囲気のもと、学長同士による協定署名と記念撮影が行われました。

20250730_ダナン大学との調印式 (92)_R.PNG

これまで三重大学とUEDは、主に工学分野での交流を中心に、教員・学生の相互派遣など連携を深めてきました。また、本学が実施する「MIE-U国際交流協定校外国人若手教員受入れプログラム」では、2024年から2025年にかけてUEDよりヴォー・タン・グェン講師をお迎えし、教育・研究の両面で活発な交流が行われました。

このたびの協定締結を機に、両大学間の連携は学部間から大学全体へと格上げされ、今後はさらに幅広い分野での協力や交流が期待されます。実際に、グェン講師の研究に関心を持った本学の学生4名が、今夏よりUEDで学ぶ予定となっており、学生レベルでの実践的な国際交流も動き始めています。

三重大学とUEDはいずれも、「教育・研究・協働を通じて社会に貢献する」というビジョンを掲げ、地域に根ざしつつ国際的な視野を持った大学運営を進めています。こうした共通の理念を基盤に、今後も持続可能なパートナーシップを育み、アジアを起点とした国際連携のさらなる展開を目指してまいります。

「社会への扉を開こう」の第13回講義を行いました

この授業は本学として初めて役員が企画し、意欲のある学生に社会を知って今後のキャリア形成に役立ててほしいという願いから始めました。

前期では、さまざまな分野で活躍するゲストをお迎えし、社会の現場から生きた学びを届けてきました。第1回から第12回まで、それぞれの講義の中で、みなさんが考え、感じ、自分の価値観と照らし合わせながら深めてきたことと思います。

本日の第13回では、それらの学びをふりかえり、
「どの講義が自分にとって印象深かったか」
「その中でどんな疑問や興味を持ったか」
「自分はこれから何を考え、どう動いていきたいか」――
そんなテーマで、受講生同士と意見を交わしました。

★20250716_現代社会理解特殊講義1「社会への扉を開こう」第13回 (25).JPG

次回の14回、そして15回の授業では、前期の総まとめとして、プレゼンテーションを行ってもらいます。興味を持った社会課題や分野について、さらに調べ、感じたこと、考えたことを自分の言葉で伝える機会です。その準備として、小林副理事からプレゼンテーションの基本とコツについてのお話がありました。

★20250716_現代社会理解特殊講義1「社会への扉を開こう」第13回 (16).JPG

私が特に強調したいのは、「プレゼンは最初の30秒で決まる」ということ。
相手の心を動かすには、情熱と誠意を込めた第一声がとても大切です。また、話す内容だけでなく、表情や姿勢、声のトーン、聞き手の反応に気を配ることも大切なポイントです。

★20250716_現代社会理解特殊講義1「社会への扉を開こう」第13回 (6).JPG

後期の授業では、みなさんがチームを組み、調べたいテーマを深めながら、必要な情報を集め、大学の先生にもアプローチし、実際に現場に出向くことも想定しています。三重県内にとどまらず、県外、さらには海外も選択肢に入れていきます。

前期で育てた「考える」、「感じる力」を、後期では「コミュニケーション力」、「行動する力」を進化させましょう。
みなさんの熱いプレゼンを楽しみにしています!

プレミアムトークを開催しました

三重大学では、教職員が外部の視点から学び、大学の使命と向き合う機会として「三重大学プレミアムトーク」を継続的に開催しています。7月14日(月)、地域の教育現場の第一線でご活躍されている三重県立津高等学校の上村和弘校長先生をお招きし、「高校現場から見た三重大学」と題してご講演いただきました。

★DSC09502_R.JPG

★DSC09535_R.JPG

講演の中では、県内唯一の国立の総合大学である三重大学が、地域の若者の進路先として重要な役割を果たすことに対する大きな期待が強調されました。特に、「多様な生徒が入学しやすい環境をつくるために、総合型選抜の定員をさらに増やしてほしい」といったご意見や、「教員を目指す生徒にとって魅力的な制度となるよう、教員免許や関連制度のさらなる充実を期待したい」といったご提案は、教育現場のリアルな声として私たちの胸に深く響きました。

★DSC09558_R.JPG

一方で、高校から見た三重大学への率直な課題提起もありました。「大学に"志"を持って進学する生徒が減ってきている」「学部の名称だけでは、そこでどんな学びができるのかが高校生に十分伝わっていないのではないか」といったお話は、大学の情報発信のあり方や、教育理念の伝え方を改めて考えさせられるものでした。

「地域で三重大学生の活躍の姿がなかなか見えてこない」とのご指摘もありました。これは裏を返せば、大学生がもっと地域と関わりながら、自らの活動や成長を社会に向けて発信していく余地がある、という前向きなメッセージでもあると受け止めています。

高校と大学、それぞれの立場から率直に意見を交わすことで、改めて地域と共に歩む大学のあり方について深く考える機会となりました。

今後もこのような貴重な対話の場を継続し、高校と大学、そして地域と大学の連携を深めながら、三重大学の存在意義を問い直してまいります。

★DSC09505_R.JPG

「三重大学みえの未来共創会議」を開催しました

7月4日(金)、三重大学みえの未来共創会議を開催しました。

本会議は、三重大学が地域の知の拠点として、地域にどのようにお役に立てるかという点に関してご意見をいただく会議です。本会議は、自治体、産業界、医療界、金融界及び教育界等の関係者が学外委員として、本学理事、学部長・研究科長等が学内委員として参加しています。

会の冒頭では、本学からの情報提供として、「今後の大学に関する各種検討状況」について報告を行いました。現在、急激な少子化を見据えて、文部科学省の中央教育審議会などでの大学改革をめぐる議論の内容や、第5期に向けて、これまで以上に地域との連携を深めていく方針が示されていることを共有しました。

20250704みえの未来共創会議 (1).JPG

20250704みえの未来共創会議 (2).JPG

続いて、「2035年を見据えた大学の選択的機能強化に向けて」と題した意見交換が行われました。三重県の現状と課題を踏まえながら、今後の大学の役割や進むべき方向について、さまざまな視点から活発な議論が交わされました。

特に「大学に期待する人材像」に関しては、三重県における人口減少の影響をふまえ、地域に根ざした人材の育成と定着の必要性が指摘されました。大学入学者の確保はもちろんのこと、卒業後も三重県に残って活躍してくれる学生の育成と支援が重要であり、大学と地域の強みを活かしながら取り組んでいくべきだという意見が多く聞かれました。

また、意見交換の中では、将来的に高度な専門性や研究能力を備えた人材へのニーズが高まることを見据え、大学院教育の充実が重要であるとの意見がありました。特に博士号(Ph.D.)の取得が求められる場面が増えていく中で、質の高い教育環境の整備や、進学・修了後のキャリアパス支援が不可欠であるという指摘がありました。

さらに、留学生の受け入れについても、単に学びの場を提供するだけでなく、地域社会との接点を持ちながら生活・活動できる環境を整えることが重要であるという認識が示されました。卒業後には日本国内での就職、さらには定住や帰化も視野に入れた支援を行うことで、多様な人材が地域で活躍できる可能性が広がり、地域の国際化や活力向上にもつながるといった意見も出されました。

議論の最後には、「最終的には、学生に選ばれる大学であることが最も重要である」との認識が共有され、大学としての魅力や価値を高めていく努力の必要性が再確認されました。

本会議では終始活発な意見交換が行われ、大変有意義な時間となりました。今後もこうした対話の機会を大切にしながら、地域と共に歩む大学として、持続可能な未来の実現に向けて取り組んでまいります。

名誉教授称号授与式及び懇談会を開催しました

6月23日(月)、三翠会館にて名誉教授称号授与式を、地域共創プラザにて名誉教授懇談会を開催しました。
名誉教授の称号は本学の教育や学術分野で特に顕著な功績を残された先生方に対して敬意を表し授与するもので、本年度は15名の先生方が三重大学名誉教授となられました。

DSC09143_R.JPG

DSC09183_R.JPG

それぞれの先生方が、教育・研究、そして大学運営において残してこられた足跡は、計り知れないものがあります。これまでのご貢献に、心より感謝申し上げます。そして今後とも、変わらぬご助言をいただき、学生への指導や大学の運営にお力添えいただけますと幸いです。先生方のこれからの益々のご活躍とご健勝をご祈念申し上げます。

DSC09197_R.JPG

授与式後には、名誉教授となられた後も、本学とのつながりを大切に感じていただけるよう、ささやかではありますが、地域共創プラザにて名誉教授の先生方との懇親会を開催いたしました。長年ご一緒された教職員との再会を喜び合う場面や、現役教員と和やかに語り合う様子も見られ、終始あたたかな雰囲気に包まれていました。世代や立場を越えて語られる先生方の言葉には重みと優しさがあり、今なお大学の一員としての存在感を感じさせてくださいました。

DSC09221_R.JPG

DSC09218_R.JPG

大学にとって、名誉教授の皆さまは、これからも大切な知の財産であり、心強い味方です。これからも、こうしたつながりを大切にしてまいります。

駐ザンビア日本国特命全権大使がご来学されました

2025年6月19日(木)、駐ザンビア日本国特命全権大使の竹内一之氏がご来学されました。昨年度末に、伊藤正明学長を含め本学教職員がザンビアを訪問し、大使館を表敬したご縁から今回の来学が実現したものであり、今後の両国間の学術・人材交流の展望を語り合う貴重な機会となりました。

★DSC09107_R.JPG

学長、理事、医学部関係者、国際担当者らが出席し、竹内大使との面談が行われました。面談では、これまでのザンビアとの関係性をふまえ、三重大学が担うべき国際的な教育・研究の責任についても意見が交わされました。今後も、ザンビアとの間での留学生・研究者の相互受け入れを積極的に進め、医療分野を中心とした人材育成や学術連携の拡充を図ることを確認しました。

今後、三重大学はアフリカ諸国との連携においても、学術・医療の両面から持続的なネットワークを築き、国際社会に貢献する大学としての役割を果たしてまいります。教育・研究・医療の場において、人と人、国と国をつなぐ架け橋となるよう、今後も取り組みを強化していきます。

★DSC09123_R.JPG

現代社会理解特殊講義1「社会への扉を開こう」の第7回講義を行いました

6月4日(水)、三重大学数理・データサイエンス館(CeMDS)において現代社会理解特殊講義1「社会への扉を開こう」の第7回目の講義を行いました。

本講義は、三重大学役員に加え、政治・経済・環境・医療・食・スポーツなど、各分野の第一線で活躍される著名な方々をゲスト講師として迎えて、現代社会が抱える多様で複雑な課題について、多角的な視点から理解を深め、学生が社会で行動するための「教養と視野」を育むことを目的としています。
(講義について詳しくはこちら

第7回の講義は、東京外国語大学 林佳世子前学長にお越しいただき、「歴史を考える」をテーマでご講演いただきました。林先生は、ご自身の中東地域に関するご研究をもとに、歴史を学ぶとはどういうことか、そして歴史を学ぶことによって私たちは何を得ることができるのかについて、深く、そしてわかりやすくお話しくださいました。

★DSC09101_R.JPG

★DSC09097_R.JPG

歴史の研究とは、単に年表や出来事を暗記することではなく、限られた史料や証言から事実関係を丁寧に解き明かし、そこから一つのストーリーを構築していく作業である、というお話が特に印象的でした。歴史には常に複数の視点があり、一つの出来事にも様々な解釈が存在します。だからこそ、自分自身の頭で考え、問いを立てる姿勢が何より大切だと語ってくださいました。

最後になりましたが、ご多忙のなか貴重なお話をしてくださった林佳世子先生に、心より御礼申し上げます。

三重大学賞・学長賞・研究推進貢献賞、学業優秀学生学長賞の授賞式を開催しました

5月31日は三重大学開学記念日です。今年は開学記念日が土曜日のため、5月30日(金)に三翠ホールホワイエにおいて、三重大学賞・学長賞・研究推進貢献賞、学業優秀学生学長賞の授賞式を開催しました。

★DSC08713_R.JPG

★DSC08733_R.JPG

★DSC08837_R.JPG

三重大学賞は、教育活動、研究活動及びその他様々な活動において顕著な功績があった者について、その功績をたたえることにより、教職員のさらなる意欲の向上を図り、本学の活動の活性化と一層の社会貢献に繋げることを目的としています。

今年は、複数のリンパ腫病型において、難治例の病態解明、および従来の治療成績を大きく改善する治療法の確立に貢献された医学系研究科の山口素子教授、医療における外科手術支援のための光イメージング技術の独創的な開発研究を行っている生物資源学研究科の寺西克倫教授、「風車の研究」を中心として、研究活動を展開され、国内外の研究者との交流を深めることで風車技術のさらなる向上に寄与された工学研究科の前田太佳夫教授、任意団体として三重大学社会人水泳部を立ち上げ、個人の競技者としては社会人の三重県大会40歳以上の部において大会新記録で優勝し、マスターズ大会で日本一の成績を残され、水泳部においても教育活動に貢献している附属病院の井倉一政助教の4名が受賞されました。

教育活動、研究活動、業務において顕著な成績を収められた方に贈られる学長賞は38名、外部資金の獲得を通じて大学の研究発展や経営基盤強化に貢献した研究者に贈られる研究推進貢献賞は6名が受賞されました。

今回受賞された教職員の皆さん、誠におめでとうございます。日頃より本学の教育・研究・社会貢献活動を力強く支えていただいていることに、深く感謝申し上げます。受賞された皆様の功績は、努力と創意工夫の積み重ねによるものであり、三重大学のさらなる発展に向けた大きな力となっております。

★DSC02544_R.JPG

学業優秀者として学長賞を受賞された73名の学生の皆さんもおめでとうございます。皆さんの努力が形となって評価されたことを、私自身大変うれしく思います。これから先、困難に直面することもあるかと思いますが、学び続ける姿勢と自ら考える力を武器に、道を切り拓いてください。三重から世界へ羽ばたく未来のリーダーとして、今後のさらなる成長を心から期待しています。

★DSC02602_R.JPG

伊勢志摩サテライト協議会と市民公開セミナーを開催しました

5月27日(火)、鳥羽商工会議所にて「伊勢志摩サテライト協議会」、同会場内「かもめホール」にて「市民公開セミナー」を開催いたしました。ご多用の中ご出席いただいた鳥羽市副市長・立花充様、志摩市副市長・村上圭一様、南伊勢町副町長・広田真理子様、大紀町副町長・西村周英様をはじめ、自治体関係者の皆様、地域企業・団体の皆様、そして多くの市民の皆様に心より御礼申し上げます。

協議会では、まず三重大学医学部附属病院の新体制とともに、医療分野におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する「MUDX(Medical University Digital Transformation)」構想についてご報告しました。続いて、伊勢志摩地域をフィールドとした産学官連携の取り組みや、地域課題の解決に向けた学生の参画事例について紹介し、参加自治体からは大学への具体的な要望や期待を共有いただきました。実務に根ざした率直なご意見を交わす貴重な場となり、今後の地域と大学の連携のあり方を改めて見つめ直す機会となりました。

★20250527_伊勢志摩サテライト協議会・セミナー (10)_R.JPG

★20250527_伊勢志摩サテライト協議会・セミナー (35)_R.JPG

また、同日開催された市民公開セミナーでは、鳥羽市長・小竹篤様からご挨拶をいただいた後、「医療の"いま"について〜『放射線の話』と『災害医療』〜」をテーマに、三重大学医学部附属病院長・佐久間肇理事から画像診断と放射線の安全性に関する講演、看護学専攻の磯和勅子教授から避難所における要配慮者支援に関する講演を行いました。多くの市民の皆様にご参加いただき、身近な医療や災害時の対応についての理解を深めていただく場となりました。

★20250527_伊勢志摩サテライト協議会・セミナー (52)_R.JPG

★20250527_伊勢志摩サテライト協議会・セミナー (84)_R.JPG

★20250527_伊勢志摩サテライト協議会・セミナー (94)_R.JPG

三重大学は、地域創生の中核を担う大学として、伊勢志摩地域における教育・研究・実践活動を「伊勢志摩サテライト」を拠点に進めてまいりました。今後も地域とともに歩み、社会課題の解決に貢献する人材の育成と、持続可能な地域づくりに取り組んでまいります。