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「三重大学みえの未来共創会議」を開催しました

7月4日(金)、三重大学みえの未来共創会議を開催しました。

本会議は、三重大学が地域の知の拠点として、地域にどのようにお役に立てるかという点に関してご意見をいただく会議です。本会議は、自治体、産業界、医療界、金融界及び教育界等の関係者が学外委員として、本学理事、学部長・研究科長等が学内委員として参加しています。

会の冒頭では、本学からの情報提供として、「今後の大学に関する各種検討状況」について報告を行いました。現在、急激な少子化を見据えて、文部科学省の中央教育審議会などでの大学改革をめぐる議論の内容や、第5期に向けて、これまで以上に地域との連携を深めていく方針が示されていることを共有しました。

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続いて、「2035年を見据えた大学の選択的機能強化に向けて」と題した意見交換が行われました。三重県の現状と課題を踏まえながら、今後の大学の役割や進むべき方向について、さまざまな視点から活発な議論が交わされました。

特に「大学に期待する人材像」に関しては、三重県における人口減少の影響をふまえ、地域に根ざした人材の育成と定着の必要性が指摘されました。大学入学者の確保はもちろんのこと、卒業後も三重県に残って活躍してくれる学生の育成と支援が重要であり、大学と地域の強みを活かしながら取り組んでいくべきだという意見が多く聞かれました。

また、意見交換の中では、将来的に高度な専門性や研究能力を備えた人材へのニーズが高まることを見据え、大学院教育の充実が重要であるとの意見がありました。特に博士号(Ph.D.)の取得が求められる場面が増えていく中で、質の高い教育環境の整備や、進学・修了後のキャリアパス支援が不可欠であるという指摘がありました。

さらに、留学生の受け入れについても、単に学びの場を提供するだけでなく、地域社会との接点を持ちながら生活・活動できる環境を整えることが重要であるという認識が示されました。卒業後には日本国内での就職、さらには定住や帰化も視野に入れた支援を行うことで、多様な人材が地域で活躍できる可能性が広がり、地域の国際化や活力向上にもつながるといった意見も出されました。

議論の最後には、「最終的には、学生に選ばれる大学であることが最も重要である」との認識が共有され、大学としての魅力や価値を高めていく努力の必要性が再確認されました。

本会議では終始活発な意見交換が行われ、大変有意義な時間となりました。今後もこうした対話の機会を大切にしながら、地域と共に歩む大学として、持続可能な未来の実現に向けて取り組んでまいります。