2025年度 開催案内
開催日 | 5月17日(土) |
会 場 | 津リージョンプラザ1階中央保健センター待合ホール |
テーマ | 「初期の天皇はなぜ長命か」 |
講 師 | 小澤 毅(三重大学名誉教授) |
『古事記』や『日本書紀』によると、初期には寿命が100歳を大きく超える天皇が数多く存在します。このうち『日本書紀』は、初代の神武天皇の即位を紀元前660年としたため、大幅な年紀の延長がなされた結果とみることもできます。在位が60年以上におよぶ天皇が多いのもその表れでしょう。 しかし、天皇の人数(代数)を増やせば、それらの不自然さは回避できたはずです。なぜ、そうしなかったのでしょうか。また、もともと年紀をもたない『古事記』が寿命をひきのばす必要はあったのでしょうか。『古事記』や『日本書紀』が記す天皇の寿命はまったくの虚構だったのかを、暦や宮中行事との関係から考えます。
開催日 | 7月26日(土) |
会 場 | 津リージョンプラザ1F中央保健センター待合ホール |
テーマ | 「言葉という舞台装置―シェイクスピアの演劇空間」 |
講 師 | 小嶋 ちひろ(三重大学人文学部・准教授) |
イギリスを代表する劇作家シェイクスピアについて、その言葉の豊かさはよく知られていることと思います。しかし400年以上前のロンドンの劇場で、その言葉がどのように楽しまれていたのかはなかなか知られていないのではないでしょうか?シェイクスピアの戯曲は当時、3000人もの人数を収容する大きな野外劇場で昼日中に上演されていました。私たちがよく知る劇場とは違い照明や舞台装置のようなものはなく、言葉が物語の時間や空間、そして世界観を伝えていました。つまりシェイクスピアの言葉が、舞台装置の役割を果たしていたのです。この講演では、シェイクスピアの言葉がいかに観客の限りない想像力を喚起し、劇の世界を作り出していたのかを紹介します。
開催日 | 9月13日(土) |
会 場 | 津リージョンプラザ1F中央保健センター待合ホール |
テーマ | 「健康寿命をのばす!サルコペニア・フレイル対策講座」 |
講 師 | 百崎 良(三重大学医学部附属病院リハビリテーション部・教授) |
高齢化が進む現代において、「サルコペニア(加齢による筋肉量の低下)」や「フレイル(心身の衰え)」は、健康寿命を縮める大きな要因として注目されています。これらは転倒や骨折、介護が必要になるリスクを高めることが知られていますが、適切な知識と生活習慣によって予防・改善が可能です。本講座では、サルコペニアとフレイルの正しい理解に加え、日常生活で実践できる運動・栄養・社会的つながりの工夫について、最新の医学的知見を交えてわかりやすく解説します。自分らしく元気に年齢を重ねるためのヒントを一緒に学びましょう。
開催日 | 11月15日(土) |
会 場 | 津リージョンプラザ1F中央保健センター待合ホール |
テーマ | 「知っているようで知らない睡眠の世界 -睡眠と健康について学ぶ-」 |
講 師 | 松裏 豊(三重大学大学院医学系研究科看護学専攻・講師) |
皆さんは十分に睡眠をとることはできていますか?1日の約1/3を占める睡眠は健康にとって非常に重要です。睡眠が十分にとれないと免疫力の低下や高血圧などの健康障害につながる可能性があります。人はなぜ眠り、なぜ覚醒するのか?そのメカニズムを知ることでよりよい睡眠へのヒントが得られるかもしれません。本講演では睡眠のメカニズムについて考え、睡眠と健康の関係について学んでいきたいと思います。さらに自宅とは異なる環境下での睡眠、特に病院に入院中の患者の睡眠状態についてもご紹介します。睡眠の世界をのぞいてみましょう。
開催日 | 1月31日(土) |
会 場 | 津リージョンプラザ1F中央保健センター待合ホール |
テーマ | 「おいしい海苔をつくり続けるために-ノリを科学する-」 |
講 師 | 柿沼 誠(三重大学大学院生物資源学研究科・教授(副理事・副学長)) |
海苔は古くから日本人の食卓を彩り,現在でもおにぎりやお寿司などは多くの人に親しまれています.しかしながら,私たちが普段なにげなく食べている海苔製品(焼き海苔,味付け海苔など)の原料となるノリそのものや,ノリの養殖方法についてはあまり知られていないかもしれません.養殖ノリは収穫後,乾海苔(21×19 cm,3 gの板状製品)に加工されます.乾海苔の年間生産量は1990年代に平均100億枚に達しましたが,直近5年間では60~75億枚に減少しています.ここでは,ノリ養殖の現状と課題,持続可能なノリ養殖の実現に向けたノリ研究のこれまでと,これからの展望について紹介します.
開催日 | 3月7日(土) |
会 場 | 津リージョンプラザ1F中央保健センター待合ホール |
テーマ | 「書道を楽しもう-どう見る?-」 |
講 師 | 林 朝子(三重大学教育学部・教授) |
ICT化が進み、文字を「書く」時代から「打つ」時代への変化しつつあります。そのような時代だからこそ、筆・墨・紙で表現される書道を見直し、その魅力を改めて感じることができると思います。「書道はわからない」「どうを見たらいいの?」といった声をよく耳にします。実は我々の日常の中に筆で書かれた文字は多く存在しています。書道表現の豊かさ、奥深さを楽しむきっかけにしていただきたいと思います。ぜひご参加ください。