本研究会は志摩周辺地域における海女を研究対象とします。今日、この地域には日本国内の海女の約二分の一を占める海女が存在し、日本における海女漁の中核的地域と考えられます。志摩の海女はこの地域の歴史、文化、社会、自然、産業と深く関わり、この地域の人と海の関係を端的に示す営みとなっています。
一方で、日本国内には各地に海女漁を行う地域があり、また、海を越えて韓国済州島でも活発な海女漁が行われています。近代には、こうした各地の海女の移動や定着、技術の交流や伝播も広範に見られ、海女は一面では広域的な拡がりの中で捉えるべきものとなっています。
この研究会では、このような状況にある志摩地域の海女を日本・韓国を含む東アジア地域の広域的な拡がりの中で位置づけるとともに、志摩地域の文化、歴史、自然、産業の中で捉え、その現状や特質、今後の海女と地域の関わりや、海女の可能性を検討しようとするものです。