- 三重大学長ブログ -

三重大学長ブログです。

令和5年度三重大学入学式を挙行しました

4月4日(火)、令和5年度三重大学入学式を挙行しました。

新入生答辞


学部入学生1348名、大学院入学生が452名、合計1800名が入学されました。例年、三重大学入学式は4月8日に行っていましたが、今年度より4月4日開催に変更しました。入学式の開催が早くなったこともあり、満開は過ぎていましたが、まだ桜が咲く中での式を執り行うことができました。

桜

伊藤学長


新入生が一堂に会して入学式が執り行われたのは、実に4年ぶりです。学部の入学式では、三翠ホールの大ホールがほぼ満席となり、これほど多くの若い人たちが三重大学に来て頂いたことに感激しました。また皆さんの表情からは、ポストコロナに向けて活動しだす素晴らしいエネルギーが満ち溢れ、明るい希望も感じることができました。

本年度の入学式では、一見勝之三重県知事に来賓としてご臨席頂き、入学生への励ましのご祝辞も頂きました。今年の私の式辞では、本年度より三重大学の教育目標の4つの力に加わった「行動する力」を学び、いろいろな物事に挑戦していってほしいと伝えました。

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんが素晴らしい学生生活を送り、夢や希望が実現できるよう、教職員も一丸となって頑張ります。

2022年度三重ジュニアドクター育成塾報告会に出席しました

 3月18日(土)、三重大学三翠ホールにおいて、2022年度の「三重ジュニアドクター育成塾」の報告会および修了式が行われました。
 「三重ジュニアドクター育成塾」は、科学技術振興機構(JST)の支援の下、科学研究に強い関心と潜在的な才能を持つ小学5・6年生から中学生を対象に探究活動の支援を行うプログラムです。県内5つのエリアにて、三重大学を中心に、県内の大学、自治体等が連携して育成塾を運営しています。本学では、三重大学上浜キャンパス、伊賀と東紀州の地域拠点サテライトが会場となっています。
 この未来の科学者を育成するこのプログラムは、毎年5月頃、フレッシュな小学生や中学生を受講生として迎えます。当時、元気に研究を楽しみにする姿に思わず目を細めてしまいましたが、その後の1年間の第一段階プログラムである、観察・実験講座、問題解決型実験講座、探求活動講座およびプレゼンテーション講座などの受講を経て、今日の報告会でポスター発表に臨んでいました。まず、それぞれの研究概要を1分程度で説明するフラッシュプレゼンをこなし、その後、ポスター会場にて研究発表を行いました。それぞれしっかりと発表する姿は、きっと、学校外に足を運び、初めての実験や研究に触れ、困難や苦労もあったと思いますが、そんなことを微塵も感じさない素晴らしいものばかりでした。第1段階プログラム修了者から選抜者だけが進むことができる第二段階プログラムでは、受講生は大学教員や関係者による研究倫理教育を含め個人研究のサポートを受け、その研究成果をまとめます。報告会で堂々とレベルの高い研究の発表をやってのけるたくましい姿に、これまた感動しました。
 報告会の後、受講生代表に修了証を授与し、「学校の教育においても、探究活動がとても重要なことであるとされています。課題を見つけて研究をする「探究活動」とは、日常の中で、新たな課題を見つけ、それを解決するために研究をするということの繰り返しです。皆さんは、このジュニアドクター育成塾で、探究活動というものの進め方をしっかり学びました。今後も、自分の思いや夢を実現する、やりたいことを見つけ社会に貢献していく、これから未来へと続く元気な三重県、元気な日本、元気な世界を創る人になってください。さらなる頑張りを期待しています。」とお祝いの言葉を述べました。今後、修了生は「三重ジュニアドクターネットワーク」で交流を続けるとともに、修了生の多くはさらに研究を行い、科学コンテストへの参加や研究会・学会等での発表を目指すそうです。来年度の報告会では、また成長した姿を見せていただけるのだと思うととても楽しみです。高校に進学する修了生は、学んだ経験をもとに活躍され、大学へ入学し再びキャンパス内でお会いできるかもしれません。
 受講生の皆さんが活躍する未来はどのようなものになるでしょうか。その未来を支える小学生のみなさん、中学生のみなさんの、科学への幅広い関心をさらに広げることができる共創の場として大学も一役を担っていきます。

修了証授与式の様子

修了証授与式の様子


 受講生の指導にあたられた学内教員、教員を目指す学生および関係者の皆様に御礼を申し上げるとともに、運営の過程で、受講生のみなさんから、もたらされた多くの気づきが本学のめざす地域共創大学への道のりを拓いていくのだと嬉しく思う日となりました。
 本学の持つノウハウを活かし、企業の人材育成や地域の発展に貢献していくため、リカレント教育センターを開設しました。こちらのプログラムもとても好評を博しており、多くの機関からお問い合わせを受け、手ごたえを感じています。本学における、全ての世代が関わる共創の場は豊かに広がりを見せています。

修了生との集合記念写真

修了生との集合記念写真

三重大学リカレント教育センター

社会変革のスピードが速い現在、社会で生き抜きぬいていくためには、大学で学んだ知識やスキル、その後に就職した会社や社会での学びや経験に加え、それまでになかった、新たな学びが必要となってきています。また、人生も100年時代や少子化の時代を迎え、生涯現役でいきいきと暮らすライフスタイルへの変化が求められるなど、終身雇用で一つの組織に生涯従事するスタイルから、会社・組織を替え、転職してキャリアアップしながら、生きていくことも新しい時代の生き方の一つのスタイルとなってきています。これらの新たな活動に必要な知識やスキルのアップデートを目的として、リカレントやリスキリングの教育ニーズが高まり、三重大学にも、本年4月、リカレント教育センターが設立されました。
本日は、三重大学リカレントセンター長の尾西康充理事(企画・経営担当)と副センター長の小林一成地域イノベーション学研究科長に、センターの活動状況をお伺いしました。

対談の様子

小林研究科長

本センターの行うリカレント教育は、2つのタイプが用意されています。一つは、ご要望の多い分野について、センターがあらかじめプログラムを構築し、複数の方に受講して頂くレディーメイドプログラム、もう一つは、学びたい人や学ばせたい人の個々のオーダーに沿ってプログラムを作成するオーダーメイドプログラムです。いずれのプログラムにも、三重大学で行われている様々な講義のコンテンツを活用し、本学の地域イノベーション学研究科で独自に開発され培われたPM(プロジェクト・マネジメント)教育を随所に鏤め、学んだものを実践に活かせる内容となる予定です。
最初の企画として、今月から、リカレント教育講座のレディーメイドプログラムとして「DXによる中小企業の事業再構築・新事業創出を担える人材の育成」が、文部科学省のDX等成長分野を中心とした就職・転職支援のためのリカレント教育推進事業として、来年2月までの6か月間行われます。定員30名の募集でしたが、この定員は埋まってしまったようで、大変な人気です。カリキュラム受講後の到達レベルとしては、Microsoft社のPower BIデータアナリスト AssociateやAzure Data Engineer Associate取得できるという意欲的なものです。

伊藤学長に資料を見せる尾西理事

伊藤学長と小林研究科長

今後、企業のニーズを聞き取り、プログラムを提供していく予定だそうですが、三重大学が得意としている環境や防災領域、さらには医療経営に関するリカレント教育も考えられています。また、教養を高める上でのリカレント教育もよいと思いました。
三重大学は、人文学部、教育学部、医学部、工学部および生物資源学部の5学部・研究科に地域イノベーション学研究科を含めた5学部6研究科で構成され、様々な分野をカバーできる教員が活躍しています。三重大学の高等教育も、従来の大学教育に加え、今こそ、様々な世代の方々にとって学んで頂ける知の拠点として展開していくことを目標としたいと思います。

小林研究科長(左)、伊藤学長(中央)、尾西理事(右)

ピアサポーター学生委員会  ~三重大生の間の、人と人、人と環境のつながりを大切にした支援活動~

久しぶりのブログです。
三重大学ピアサポーター学生委員会の活動を伺いに、総合研究棟Ⅱ3階ピアサポートルームにおいて週一回開かれているランチミーティングに参加しました。

ランチミーティングの様子

ピアサポーター学生委員会では、新入生向けの履修や学生生活の悩みを相談できる「なんでも相談会」や、一緒に勉強をするYouTube配信「スタディライブ」など、学生による学生のための支援活動を様々に展開しています。サポータールームには、"私たちは相手と同じ目線に立ち、三重大生が三重大生のサポーターである風土を作ります。そして、人と人との関わり、人と環境との関わりを通じてつながりをより強固にします"という理念が掲げられています。委員会の活動は、TwitterやInstagram(「三重大サポ太」で検索)、YouTubeなどでも紹介されています。大学生になると一人での生活が始まる学生さんも多く、また履修する科目も自分で決定しなくてはなりません。新入生となったばかりの学生さん方には、これらのサポート活動は大変心強い存在と思います。

ピアサポーター学生委員会の理念


現在のメンバーは、男子8人、女子12人に、教員2名を加えた合計22人です。本日は、ピアサポーター長の西川きららさんをはじめ6名の学生さんと学生相談センターの鈴木英一郎先生が集まっておられました。サポ長の西川さん(人文学部3年生)は、コロナ禍のため入学時より2年間、授業もオンラインとなるなど厳しい学生生活となった学年ですが、本委員会に参加することで人との関わり合いを持ち、自身の居場所も感じることが出来たようです。委員会メンバーのみならず三重大生にとって、困った時のよりどころ、頼りになる場所だと感じました。雰囲気が大変良く、自分のやってみたいことをみんなが協力してくれる(城田さん)、年齢の近い人と接して自分のレベルアップにもつながる(山本さん)、三重大と他大学、団体同士のつながりもできる(坂口さん)、温かくしてもらったことを後輩に同じことをしてあげたい(練尾さん)、文理を超えた学部間を越えて話し合うことができる大変風通しの良い環境(後藤さん他)など、その思いも様々で、大変すばらしい委員会活動だと思いました。名古屋大学や東京工業大学をはじめとした全国の大学のピアサポーター同士の交流も行われているそうです。

ランチミーティングの様子


また、本学生委員会とは異なりますが、三重大学には学生が学生の生活や修学を支援する「キャリア・ピアサポート(CPS)資格」を認定する制度があります。この制度は、学生自身の活動を通じた学生支援を積極的に奨励するもので、所定の科目を履修し研修を受けた学生に対して資格が与えられます。さらに、「キャリア・ピアサポート(CPS)資格」取得者は、所定の科目を履修し研修を受けることで教員の要請により授業補助等の業務を担う「スチューデント・アシスタント(SA)資格」を取得することも出来ます。

これらの学生同士の助け合いは、三重大学での4つの力を備えた人材の育成にもつながっています。学生の皆さん、まだまだコロナ禍にありますが、様々な繫がり、コミュニケーションを大切にして、充実した学生生活を送ってください。

伊藤学長と学生ら集合写真

令和4年度三重大学入学式を挙行しました。

本日、4月8日(金)、桜の見頃のタイミングにはほんの少しだけ遅かったのですが、晴天の春の日、令和4年度入学式を挙行しました。

人文、教育、医学、工学、生物資源の5学部には、1390名、人文社会科学、教育学、医学系、工学、生物資源学、地域イノベーション学の6研究科には、修士課程376名、専門職学位課程21名、博士課程57名、合計1844名の皆さんが入学されました。
ご入学おめでとうございます。
COVID-19のため、感染対策を十分に講じて、大学院入学式そして学部入学式は学部を分けて3回実施することとしました。

本学は、確かな世界観を持ち、グローバルなステージで活躍するとともに、地域社会をよりよくしようという「志」を常に大切にし、活躍してくれる人材が育ってくれることを期待しています。自然環境に恵まれたこの学問、研究の場で、皆さんが、それぞれの「夢と希望」をかなえるために、切磋琢磨していただきたいと思います。

本日から始まる三重大学での学生生活が、皆さんにとって、楽しく、そして有意義なものとなることを心より祈念しています。

伊藤学長

学生と役員 集合写真

応援団

合唱団

大学病院を有する太平洋沿岸の3大学が医療連携協定を締結

本日、3月31日(木)、藤田医科大学、浜松医科大学と三重大学の3大学は、大規模災害時における協力・支援に関する協定の締結式を行いました。南海トラフ地震などによる大規模自然災害に備え、災害時においても東海地方における高度医療を維持するため、3者が医療連携協定の締結し、各大学の病院が相互に協力及び支援し、地域の防災機能向上をめざします。

伊藤学長

サインする様子


主な取り組みは、
・災害時における高度専門医療を必要とする患者さんの相互受け入れ
・医療機器、医療設備・施設(病床・手術室等)及びその他応急物資の協力・支援措置
・医師及びメディカルスタッフ等の派遣措置
・防災ヘリコプターによる患者搬送を含む防災訓練の実施
などです。

本学は、防災に関して、三重県と共に「みえ防災・減災センター」を設置して災害に対する備えのための活動を行っています。医学部附属病院では、災害対策推進教育センターを設置し、災害医療の領域についての活動が既に始まっています。これからも、本学は、三重県を含む東海地区の皆さんの"安心・安全"のための取組を一層進めて参ります。

藤田医科大学 湯澤由紀夫学長、浜松医科大学 今野弘之学長及び両大学の関係者の皆様、本日は誠にありがとうございました。

三重大学の教職員の皆さん、防災減災に対する全員参加の取り組みを進めていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

集合写真

三重大学の描く「みえの未来図」

昨日、3月29日(火)は、「みえの未来図共創DAY in 北勢」を、四日市市で開催しました。本企画は、本学の地域拠点サテライトのひとつである北勢サテライトでの各取組の報告と今後の展望に関する《北勢地域から描く、みえの未来図》と、三重大学大学院生物資源学研究科が、昨年12月に、生物資源学部の前身である三重高等農林学校として設立してから100周年を迎えた記念としての《生物資源学研究科 環境農林水産フォーラム in 北勢》の2部構成として開催しました。

三重大学は、この4月より始まる第4期において、「みえの未来図共創機構」を立ち上げ、地域の課題解決に参加させて頂くことにより、教育研究活動を高める地域共創活動を展開します。北勢サテライトはその中心でも益々重要な役割を果たすこととなります。

伊藤学長

みえの未来図共創DAYin北勢 会場の様子



また、本日、3月30日(水)は桑名市、地方独立行政法人桑名市総合医療センターと本学による新しい未来の共創に関する連携協定締結式を行いました。本協定により、来月から始まる第4期の地域共創活動として、北勢サテライト、桑名地域で新しい2つのプロジェクトを開始いたします。桑名市の伊藤市長が推進する「桑名オープンフィールド構想」を活かした連携のもと、本学における教育・研究活動プロジェクトを展開します。

一つは、桑名市のシティープロモーション活動に本学の学生が参画することにより、地域を知り、地域の具体的な課題に触れ、その解決を通して、実の社会を学ぶプロジェクトです。具体的には、桑名市におけるふるさと納税に関するプロジェクトをまず始める予定です。

もう一つは、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)です。三重大学医学部附属病院、地方独立行政法人桑名市総合医療センターが連携して、医療、検診や予防などの領域でのDX化を推進することにより、市のウェルビーイングに貢献し、人口減少社会を見据えた社会基盤の高度化を構築するプロジェクトです。

本日の締結式に向けご尽力いただきました関係者の皆様に、厚く御礼申し上げます。また、プロジェクトが始まりましたら、多くの皆様にお世話になるかと思いますが、何卒よろしくお願いいたします。

関係者集合写真

協定書調印式にサインをする伊藤学長

本日は、学位授与式が執り行われました。

今年度は、大学院として、人文社会科学研究科11名、教育学研究科35名、医学系研究科33名、工学研究科200名、生物資源学研究科68名、地域イノベーション学研究科15名で、中国、ベトナム、インドネシア、メキシコ、ソロモン諸島、タンザニアからの留学生24名を含め計362名、学部では、人文学部284名、教育学部202名、医学部194名、工学部411名、生物資源学部255名で、ベトナム、中国、韓国、イギリス、ウズベキスタン、マレーシアからの留学生12名を含む計1346名の皆さんがご卒業されました。
おめでとうございます。

これまでのたゆまない努力と、ひとり一人がもつ素晴らしい個性と能力、そして、前途洋々たる将来の可能性に対して、心からの敬意と大きな期待を表したいと思います。また、これまで、惜しみない支援・励ましを続けてこられましたご家族の皆様にも、心よりお慶び申し上げます。この2年間は、新型コロナウイルス感染症への対策をしながら過ごした学生生活の中で、それぞれ素晴らしい学業の成果を上げられましたことをとても頼もしく思いました。

「三重の力を世界に」、皆さんのこれからのご活躍に期待しています。

最後になりますが、皆さんの未来が、前途洋々たる、すばらしい夢と希望に満ちていることを祈念します。
本日はおめでとう!

工学部の皆さんと

工学部の皆さんと


医学部看護学科の皆さんと

医学部看護学科の皆さんと

「令和2年度入学者の集い」を開催しました。

3月17日(木)、本学のシンボルである講堂「三翠ホール」の改修工事の竣工式がありました。そして、同日、改修を終えたばかりのこのホールで、「令和2年度入学者の集い」を開催しました。

三翠ホールは、平成7年の完成から25年以上が経ち、エアコンやトイレなどの老朽化が進んだことから、設備や内装の全面改修を行っていました。
昨年は、新型コロナウイルスワクチン接種会場としても本ホールを使用しなくてはなりませんでしたので、予定より少し遅れての改修工事開始となりましたが、今年度の学位授与式ならびにこの4月の入学式に間に合うタイミングで、ようやく完了しました。

竣工式の日に行われた「令和2年度入学者の集い」に集まったのは、文字通り、令和2年度に入学した学生です。この学年は、新型コロナウイルス感染症が原因で、一生の思い出となる大学入学式を執り行うことができず、我々教職員もずっと大変残念な思いで過ごしてきました。2年遅れで、入学式というには遅すぎますが、なにかその学年の学生のためにセレモニーができないかと企画されたものです。改修後の竣工式では、この令和2年度入学の皆さんと一緒にテープカットもしました。今回、元気な皆さんの姿を拝見させていただき、厳しい環境下でも学業に励み、逞しく成長してくれている姿に感銘しました。

4月には、大学として第4期の新しい中期目標・中期計画期間が始まります。三重大学もウィズコロナからポストコロナに向けた活動を展開します。学生皆さんにとって学業の場であるキャンパスでは、23号線に面した正門周辺整備、新第一食堂の建設、現第一食堂のサークル棟の改修などが、今後1年で行われる予定です。
まだしばらくは、新型コロナウイルス感染症の予防を心がけながらの学生生活が続くと思いますが、学生の皆さんに最大限のサポートを続けていきますので、よろしくお願いします。

下記のYouTubeチャンネルで三翠ホールのユニークな外観をご紹介しています。ぜひ一度ご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=k3B8o593PWw

三重大学生の「Actする力」-環境ISO学生委員会-

今回は、学生が主体となって環境問題に取り組んでいる三重大学の「環境ISO学生委員会」の委員長、大向拓海さん(人文学部3年生)と、当委員会の部会の一つである「グリーンキャンパス部」の奥田久瑠美さん(生物資源学部1年生)に委員会の活動について、環境情報科学館でお話を伺いました。

奥田さんは、三重大学の2030年SDGs達成に向けたアイデアとして、三重大学のペットボトルのリサイクル率を100%にすることを掲げ、先日表彰されました。そこで、奥田さんの所属する環境ISO学生委員会について、今回インタビューすることとなりました。

この「環境ISO学生委員会」は、三重大学が環境マネジメントに関する国際的な認証規格であるISO14001を取得するにあたり、学生視点からも環境問題を考え、対策に取り組めるよう2006年2月21日に設立されました。本来は2年生が中心メンバーですが、コロナ禍の影響で現在は3年生が中心となっています。

今や環境問題は待ったなしで、SDGsでも重要なテーマに挙げられています。カーボンニュートラルへの対応など、我々一人ひとりが持続的にしっかりと取り組んでいかなければなりません。三重大学は、環境先進大学として活動を続け高い評価を受けていますが、それを学生の立場から支える素晴らしい活動をご紹介します。

環境ISO学生委員会は、「執行部」、「グリーンキャンパス部(3R班、自転車班、緑化班)」、「地域連携部」、「広報部」、「イベント企画部」、という組織で活動しています。
今回お話を伺った大向さんは、全体を取りまとめる執行部の委員長で、先輩に誘われてこの活動に参加するようになったそうです。
また奥田さんは、ご自身の育った環境からリサイクルなどの取り組みに以前から興味を持っていて、卒業生が使わなくなった家具・家電を新入生に譲るリユースプラザで環境ISO学生委員会と接したのが、本活動に参加するきっかけだったそうです。

奥田さんの所属するグリーンキャンパス部の活動の中心は、3R(Reduce、Reuse、Recycle)です。具体的な活動内容は、生協で販売されているお弁当のリ・リパック(容器)やエコキャップリサイクルです。
リ・リパックは、回収しないと廃棄されてしまうため、コストの面からも40%以上の回収率が必要とされます。奥田さんたちは、この回収率を高める重要な役割を担ってくれています。
エコキャップは、回収業者の買取により換金が可能なプラスチックです。キャンパス内で回収したキャップが、NPO法人エコ・ワクチン協力会により発展途上国のワクチン購入に役立てられているそうです。

リサイクルを通じた環境問題への取り組みと、発展途上国への支援を両立させたこの取り組みは、SDGs目標12(つくる責任・つかう責任)やSDGs目標3(すべての人に健康と福祉を)に通ずるものであり、大変すばらしいと感銘しました。

また、古紙やプリンターインクの回収推進もこの委員会が広報面などで積極的に活動しており、第一食堂と翠陵会館・生協売店との間にあるエコステーションには、再資源化を待つものがたくさん集められていました。

エコステーションの前で(左から大向さん、伊藤学長、奥田さん)


大向委員長からは、放置自転車をなくす活動をする自転車班、教職支援センター前花壇や環境情報科学館の屋上花壇や緑のカーテンを管理する緑化班の話を聞かせていただきました。
今年度、三重大学教職員も緑花チーム(私も参加しています)を結成し、本部前にコスモス畑つくりなどを行っていますので、今後は環境ISO学生委員会緑化班とのコラボができると面白いと思いました。
さらに、環境ISO学生委員会の地域連携部は、町屋海岸の環境保全などの活動を行っている地域のNPO法人町屋百人衆と共同で町屋海岸の清掃を年に5回実施しているそうです。

委員会の様々な活動は、広報部が主にツイッターで広報し、イベント企画部がいろいろな場所でパネル展示などを開催するというように、ただ活動を行うだけでなく、活動の意味を伝え、輪を広げるところまで、学生メンバーが知恵を出し合いながら幅広く取り組んでいるところに頼もしい次世代の姿を見せてもらいました。

SDGs達成への気運が世界的に高まり、異常気象などの環境問題がとても身近な社会問題となりつつある今、我々一人ひとりの前向きな意識が問われています。三重大学は、環境問題への対応、SDGsへの取り組みを積極的に行い、社会を牽引していける人材の育成を行いたいと思っています。今回の報告の様に、学生さんたちが主体性を持ってこれらの問題に対して積極的に活動していてくれることを大変逞しく思います。まさに三重大学生の「Actする力」です。

対談の様子