- 三重大学長ブログ -

三重大学長ブログです。

皆様 あけましておめでとうございます。

学長 新年の挨拶

 今年は、新年早々に大変痛ましいことが起こりました。本来ならば勢いよく、来る新しい年を喜び迎えるところ、日本中が少し沈んでおります。元旦の能登半島の地震、2日には羽田での飛行機の衝突事故という、多くの皆様が命を落とされ、現在も救命活動が続いています。けがをされたり、この寒い中に避難所での生活を余儀なくされ、大変お辛い状況が続いているかと思います。まず、亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表し、そしてご冥福をお祈り申し上げます。また、今大変な状況に置かれている被災された方々に心からお見舞い申し上げたいと思います。
 昨年も様々なことがありました。我々にとっても少し明るさを感じた話題は、やはり新型コロナウイルス感染がある程度抑えられてポストコロナの時代に入り、いろいろな活動が始まったことでしょうか。大学経営の面でも、物価高とかエネルギー高騰がありました。一番衝撃的だったのは、少子化で昨年度の出生数が80万人を切ってしまったことです。我々の諸活動は、人口増減と密接に関連しますので、大きく考えさせられました。一方で、例えばチャットGPTの活用により業務の効率化がアップするという兆しもあり、明るい話題もありました。若手の大谷選手の活躍、将棋の藤井棋士の頑張りなど、若い人たちの活躍も素晴らしかったですね!世界的には、イスラエルとハマスの軍事衝突、ウクライナ戦争の膠着や、北朝鮮の衛星打ち上げなど、厳しい状況がまん延しており、先の見えない状況が今年も続いていくんじゃないかとも思われます。今年は選挙の年、世界ではアメリカ合衆国大統領や台湾総統の選挙があり、国内でも多くの選挙行われ、また、お札が新しくなる年でもあり、とても興味深い年ともなりそうです。このような中にあっても、今年もしっかりと前を向き、学内構成員が一丸となって活動してまいりたいと思います。
 昨年度の本学の活動は、かなり飛躍的に伸びた年であったと思います。工学部・工学研究科中心のプロジェクトである高度情報人材の育成事業が採択されました。また、生物資源学部・生物資源学研究科が中心となって活動を予定する御浜町のみかん産業を中心とした紀南オープンフィールド構想によるみどりのアントレプレナー共創拠点事業の採択は非常に高い競争率の中での採択で、とても喜ばしいニュースでありました。これらは、皆さんと一緒に頑張ってきた結果が実を結びはじめてきたのかと嬉しく思っています。キャンパスでは、地域共創プラザの新築、その横には旧第一食堂を学生のクラブハウスとして改装し、学生の皆さんも笑顔で学業や課外活動により励める環境が整ってきたと感じます。正門も新しくなりました。国道23号線からの眺めを見ると、今後も身を引き締め、この三重大学の新しい歴史を刻んでいくんだという気持ちが奮い立ちます。大学の発展を考えますと、中期期間を越え、10年程度のより長期で考えていくことも重要で、次期の第5期での活動につながるプロジェクトを含めて、今年もいろいろな企画を皆さんと相談しながら立ち上げていきたいと思います。
 今日午前中に新年早々の打ち合わせをし、いろいろな方からお話を伺う機会がありましたが、本学は非常にまとまりがよいことが特色であると一つ言えると思いました。5学部6研究科がありますが、気持ちは1つ、こういった気持ちを全員が持ち続け、力を出し合い、この地域の大学のあり方というものが問われる中、それに応えるべく努力を惜しまない姿を示していきたいと思います。 今年の干支は、「甲辰(きのえたつ)」、インターネットによると諸説はありますが、成功という芽が成長し、姿を整えていくという意味があるそうです。是非 我々これに沿った活動がしてまいりたいと思います。
 最後に、本年が本学にとりまして、より一層発展のできる年になりますよう、そして皆様 そして皆様のご家族がより一層幸せの多い年になりますよう祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

令和5年度秋季大学院学位記授与式及び学位記授与式・入学式を挙行しました

9月25日(月)に令和5年度秋季大学院学位記授与式及び学位記授与式を、10月2日(月)に令和5年度秋季入学式を、三翠ホール(小ホール)にて挙行しました。

秋季大学院学位記授与式及び学位記授与式では、合計50名に学位が授与されました。これまで、学部・研究科別に行われていた学位記授与式を、今年度は秋季大学院学位記授与式及び学位記授与式とし全学の学生が一堂に出席しました。秋季という時期柄、インドネシア、エジプト、ガーナ、ギニア、ケニア、バヌアツ、東ティモール、ベトナム、マレーシアなどの海外出身者が多くを占め、国際色豊かな学位授与式となりました。また今回も、春季と同じく教員や一部の卒業生もアカデミックガウンを着用しての華やかな授与式でした。ご卒業されました皆さまの素晴らしい門出をお祝い申し上げますと共に、世界の様々な地域での今後のご活躍を祈念いたします。

★20230926_学位記授与式 (113)_R.JPG

★20230926_学位記授与式 (174)_R.JPG

また、10月には新たに海外から11ヵ国18名の留学生を含む29名の学生を迎えました。10月2日(月)に秋季入学式を挙行し、出席者の皆さんの表情からは、これからの三重大学での研究に向けての明るい希望と頑張る強い決意が感じられました。自分自身の夢を大切にして、失敗を恐れず、三重大学という自然環境にも恵まれた学問・研究の場で、仲間と協力し、時には競い合いながら、色々なことに挑戦していただきたいと思います。

 ★IMG_3795_R.JPG

★IMG_3812_R.JPG

両式とも、日本語に加え英語での祝辞や紹介など、国際性あふれる式となりました。本学の基本理念「三重から世界へ 世界から三重へ 未来を拓く地域共創大学」にもありますように、三重大学は今後もより国際性豊かな大学を目指し、出身国や言語に関わらず、誰一人取り残さないというSDGsの理念のもと、ダイバーシティ&インクルージョンを進め、大学構成員である学生・教職員の一人ひとりが互いの個性を理解し、尊重し合いながら活き活きと活躍できる大学を実現していきます。

三重大学に新しい正門ができました

これまでの正門は、自動車、自転車、歩行者が同時に利用しており、特に午前中の授業開始前の時間帯には、自動車・自転車が集中して交差するため、その安全性の確保が長年の課題となっていました。この長年の課題であった交通安全性の確保を実現しようとした駒田美弘前三重大学長の「想い」を引き継ぎ、新しい正門が完成しました。
昨日7月19日(水)、多くの教職員、学生と共に開通式を行いました。

新しい正門は、国道23号線側に面しています。
この場所は、平成26年から、三重大学前バス停と一体となった歩行者専用の通用門として開かれていました。これを、歩行者と自転車の専用とし、自動車の通行と分離し安全性を確保した正門としました。また、生物資源学部校舎前までの幹線道路も、自転車道など全面的に再整備を行い、これまでにない広がりを感じる素晴らしい空間となりました。新正門前には広場も設け、新門柱には、通用門の壁面にひっそりと取り付けられていた当時の石板を美しく磨き上げ、掲げました。さらに、駒田前学長の揮毫による新名板も設置しています。

新正門は、三重大学のこれまでの努力と貢献、そして未来を象徴しています。この新正門は、きっとこれから、三重大学にとって、より一層、社会との繋がりをもたらす、大いなる機会を生み出すものになるでしょう。私たちは、この門を通じて、大学のビジョン「三重の力を世界へ 世界から三重へ 未来を拓く地域共創大学」のもと、邁進してまいります。

最後に、改めて、関係の皆様そして地域社会の皆様にお世話になりましたこと心から感謝を申し上げます。今後も皆様と共に歩み、より一層の発展を果たしていきます。

学長挨拶  正門② 正門 

テープカット

集合写真

株式会社ZTVと国立大学法人三重大学及び三重県とのローカル5G等の活用に関する連携協定の調印式を行いました

7月11日(火)、三重県庁にて、株式会社ZTVと国立大学法人三重大学及び三重県とのローカル5G等の活用に関する連携協定の調印式を行いました。

令和4年度に本学に設置した地域共創展開センターのプロジェクトとして「御浜町のスマートヴィレッジ化構想」があります。このプロジェクトでは、三重県御浜町を次世代スマート化するために本学の研究者と地域住民の方がともに課題解決に取り組んでおります。

御浜町の中山間(ちゅうさんかん)地域では都市部とは異なり通信インフラが整備されていないところが少なくありません。このスマートヴィレッジ化構想の取組には「ミカンの自動収穫ロボットの開発」、「スマート水管理システムの実現」、「野生動物の遠隔監視システムの実現」などありますが、いずれも高精度なネットワーク通信を必要とし、高速大容量、低遅延、多接続という特徴を持ったローカル5Gがこのプロジェクトには欠かせないものであると考えています。

今回の協定締結をきっかけに株式会社ZTV様と三重県様との連携をより一層発展させ、地域協働の成果を社会に還元することによって地域共創活動に貢献し、5Gに関する情報通信の一つの地域モデルになるよう尽力して参ります。

今回の協定締結にあたりご尽力いただきました株式会社ZTV田村欣也代表取締役社長、三重県の一見勝之知事をはじめ、関係の皆様に御礼を申し上げます。

ローカル5G協定調印式

左から順に、三重県総務部デジタル推進局長 松下功一氏、㈱ZTV常務取締役 中山貴康氏、㈱ZTV代表取締役社長 田村欣也氏、三重県知事 一見勝之氏、三重大学 伊藤正明学長、三重大学 酒井俊典理事(社会連携担当)

※参考:地域共創展開センターHP( https://www.rcdc.mie-u.ac.jp/ )

本学の業務における成績優秀者の発表をいたしました

本日は本学の業務における成績優秀者の発表をいたしました(79名)。成績優秀者の発表は年に2回行っていますが、今回はその1回目です。成績優秀者の中でも、大学運営に特に貢献された20名の方には、私から表彰状もお渡しいたしました。多くの教職員の皆様の素晴らしい力で国立大学法人三重大学を発展させて頂いておりますこと、この場をお借りして感謝申し上げます。

 学長ブログ写真①

大学キャンパスのあちこちで花がきれいに咲いています。今は、紫陽花が見ごろです。三重大学にも、医学部・附属病院、地域イノベーション学研究科と情報ライブラリーセンターをつなぐ道に、紫陽花がきれいに咲いています。写真は、今回成績優秀者として表彰いたしました鳥飼直也教授(工学研究科)、太田康之薬剤師(附属病院)、山田昌子臨床工学技士長(附属病院)と一緒に紫陽花の道(思索の並木)で撮った写真です。

学長ブログ写真②

7月には新しい正門も完成します。また、5月にオープンした地域共創プラザに続き、学生さん方のクラブハウスの改修工事も始まっています。これら施設に加え、緑豊かで綺麗なキャンパスを作っていけるよう、今後も様々な整備を行って参ります。皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。

5月31日は、三重大学の開学記念日

 本日、5月31日は、開学記念日です。今日から時代をさかのぼること74年、昭和24年(1949年)5月31日に三重大学は開学しました。本日で開学74周年、歴史の重みを感じます。
 本学は、旧制の三重師範学校、三重青年師範学校を母体とした学芸学部、三重農林専門学校を母体とした農学部の2学部で始まりました。昭和44年(1969年)に工学部が新設、昭和47年(1972年)には三重県立大学の医学部と水産学部が国立移管され、昭和58年(1983年)には人文学部の新設、さらに昭和62年(1987年)には農学部と水産学部を統合・改組して生物資源学部が設置されるなどの変遷を重ねて、現在の5学部および大学院6研究科を擁する総合大学となりました。

 今年度より、この開学記念日に、教職員を対象とする三重大学賞ならびに三重大学優秀論文・著書・作品賞の合同授賞式と学生を対象とした三重大学学業優秀学生学長賞の授与式を行うことにしました。この開学記念日は、教育・研究・国際交流、環境SDGs活動など諸活動において顕著な功績があった教職員や学業優秀学生の功績をたたえ、学内の教職員・学生のさらなる意欲の向上を図るためにはもってこいの日であると考えたからです。
 三重大学賞は、教育分野においては、前田昌志教諭(教育学部附属小学校)、後藤太一郎特任教授(教育学部)、研究分野においては、立花義裕教授(生物資源学研究科)、環境・SDGs分野においては、三重大学海藻バイオリファイナリー研究センター(柴田敏行准教授、三宅英雄准教授、田中礼士准教授、山本康介助教、奥山哲也アドバイザー)、女性教職員分野では江口暁子准教授(医学部附属病院)、そして環境・SDGs・女性教職員分野で朴恵淑 元 地域イノベーション学研究科教授が受賞されました。おめでとうございます。それぞれ、三重大学を代表するすばらしい業績を上げられてご活躍される先生方で、今後の益々のご活躍を祈念いたします。

 また、学業優秀の学部学生への学長賞の授与式も行いました。今回は、5学部より72名の学生さんが受賞されました。学長賞は、卒業・修了時の学位授与式においての表彰に加え、学部の規定に基づく2年から5年生(医学部においては5年)に在学している学生を対象とした優秀学生を表彰しています。受賞の喜びにあふれた学生さんの顔を見て、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、思い描いた大学生活とはならないこともあった時期、その中での努力を重ねたことに敬意を表したいと思います。おめでとう!ポストコロナの新しい時代、この新時代を先導することとなる学生のみなさんが、学業や課外活動などを通して、元気に学生生活を送ってくださるよう願います。
今日からまた、みなさんとともに、三重大学の新しい歴史を紡いでいきます。

集合写真

集合写真

集合写真

令和5年度三重大学入学式を挙行しました

4月4日(火)、令和5年度三重大学入学式を挙行しました。

新入生答辞


学部入学生1348名、大学院入学生が452名、合計1800名が入学されました。例年、三重大学入学式は4月8日に行っていましたが、今年度より4月4日開催に変更しました。入学式の開催が早くなったこともあり、満開は過ぎていましたが、まだ桜が咲く中での式を執り行うことができました。

桜

伊藤学長


新入生が一堂に会して入学式が執り行われたのは、実に4年ぶりです。学部の入学式では、三翠ホールの大ホールがほぼ満席となり、これほど多くの若い人たちが三重大学に来て頂いたことに感激しました。また皆さんの表情からは、ポストコロナに向けて活動しだす素晴らしいエネルギーが満ち溢れ、明るい希望も感じることができました。

本年度の入学式では、一見勝之三重県知事に来賓としてご臨席頂き、入学生への励ましのご祝辞も頂きました。今年の私の式辞では、本年度より三重大学の教育目標の4つの力に加わった「行動する力」を学び、いろいろな物事に挑戦していってほしいと伝えました。

新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんが素晴らしい学生生活を送り、夢や希望が実現できるよう、教職員も一丸となって頑張ります。

2022年度三重ジュニアドクター育成塾報告会に出席しました

 3月18日(土)、三重大学三翠ホールにおいて、2022年度の「三重ジュニアドクター育成塾」の報告会および修了式が行われました。
 「三重ジュニアドクター育成塾」は、科学技術振興機構(JST)の支援の下、科学研究に強い関心と潜在的な才能を持つ小学5・6年生から中学生を対象に探究活動の支援を行うプログラムです。県内5つのエリアにて、三重大学を中心に、県内の大学、自治体等が連携して育成塾を運営しています。本学では、三重大学上浜キャンパス、伊賀と東紀州の地域拠点サテライトが会場となっています。
 この未来の科学者を育成するこのプログラムは、毎年5月頃、フレッシュな小学生や中学生を受講生として迎えます。当時、元気に研究を楽しみにする姿に思わず目を細めてしまいましたが、その後の1年間の第一段階プログラムである、観察・実験講座、問題解決型実験講座、探求活動講座およびプレゼンテーション講座などの受講を経て、今日の報告会でポスター発表に臨んでいました。まず、それぞれの研究概要を1分程度で説明するフラッシュプレゼンをこなし、その後、ポスター会場にて研究発表を行いました。それぞれしっかりと発表する姿は、きっと、学校外に足を運び、初めての実験や研究に触れ、困難や苦労もあったと思いますが、そんなことを微塵も感じさない素晴らしいものばかりでした。第1段階プログラム修了者から選抜者だけが進むことができる第二段階プログラムでは、受講生は大学教員や関係者による研究倫理教育を含め個人研究のサポートを受け、その研究成果をまとめます。報告会で堂々とレベルの高い研究の発表をやってのけるたくましい姿に、これまた感動しました。
 報告会の後、受講生代表に修了証を授与し、「学校の教育においても、探究活動がとても重要なことであるとされています。課題を見つけて研究をする「探究活動」とは、日常の中で、新たな課題を見つけ、それを解決するために研究をするということの繰り返しです。皆さんは、このジュニアドクター育成塾で、探究活動というものの進め方をしっかり学びました。今後も、自分の思いや夢を実現する、やりたいことを見つけ社会に貢献していく、これから未来へと続く元気な三重県、元気な日本、元気な世界を創る人になってください。さらなる頑張りを期待しています。」とお祝いの言葉を述べました。今後、修了生は「三重ジュニアドクターネットワーク」で交流を続けるとともに、修了生の多くはさらに研究を行い、科学コンテストへの参加や研究会・学会等での発表を目指すそうです。来年度の報告会では、また成長した姿を見せていただけるのだと思うととても楽しみです。高校に進学する修了生は、学んだ経験をもとに活躍され、大学へ入学し再びキャンパス内でお会いできるかもしれません。
 受講生の皆さんが活躍する未来はどのようなものになるでしょうか。その未来を支える小学生のみなさん、中学生のみなさんの、科学への幅広い関心をさらに広げることができる共創の場として大学も一役を担っていきます。

修了証授与式の様子

修了証授与式の様子


 受講生の指導にあたられた学内教員、教員を目指す学生および関係者の皆様に御礼を申し上げるとともに、運営の過程で、受講生のみなさんから、もたらされた多くの気づきが本学のめざす地域共創大学への道のりを拓いていくのだと嬉しく思う日となりました。
 本学の持つノウハウを活かし、企業の人材育成や地域の発展に貢献していくため、リカレント教育センターを開設しました。こちらのプログラムもとても好評を博しており、多くの機関からお問い合わせを受け、手ごたえを感じています。本学における、全ての世代が関わる共創の場は豊かに広がりを見せています。

修了生との集合記念写真

修了生との集合記念写真

三重大学リカレント教育センター

社会変革のスピードが速い現在、社会で生き抜きぬいていくためには、大学で学んだ知識やスキル、その後に就職した会社や社会での学びや経験に加え、それまでになかった、新たな学びが必要となってきています。また、人生も100年時代や少子化の時代を迎え、生涯現役でいきいきと暮らすライフスタイルへの変化が求められるなど、終身雇用で一つの組織に生涯従事するスタイルから、会社・組織を替え、転職してキャリアアップしながら、生きていくことも新しい時代の生き方の一つのスタイルとなってきています。これらの新たな活動に必要な知識やスキルのアップデートを目的として、リカレントやリスキリングの教育ニーズが高まり、三重大学にも、本年4月、リカレント教育センターが設立されました。
本日は、三重大学リカレントセンター長の尾西康充理事(企画・経営担当)と副センター長の小林一成地域イノベーション学研究科長に、センターの活動状況をお伺いしました。

対談の様子

小林研究科長

本センターの行うリカレント教育は、2つのタイプが用意されています。一つは、ご要望の多い分野について、センターがあらかじめプログラムを構築し、複数の方に受講して頂くレディーメイドプログラム、もう一つは、学びたい人や学ばせたい人の個々のオーダーに沿ってプログラムを作成するオーダーメイドプログラムです。いずれのプログラムにも、三重大学で行われている様々な講義のコンテンツを活用し、本学の地域イノベーション学研究科で独自に開発され培われたPM(プロジェクト・マネジメント)教育を随所に鏤め、学んだものを実践に活かせる内容となる予定です。
最初の企画として、今月から、リカレント教育講座のレディーメイドプログラムとして「DXによる中小企業の事業再構築・新事業創出を担える人材の育成」が、文部科学省のDX等成長分野を中心とした就職・転職支援のためのリカレント教育推進事業として、来年2月までの6か月間行われます。定員30名の募集でしたが、この定員は埋まってしまったようで、大変な人気です。カリキュラム受講後の到達レベルとしては、Microsoft社のPower BIデータアナリスト AssociateやAzure Data Engineer Associate取得できるという意欲的なものです。

伊藤学長に資料を見せる尾西理事

伊藤学長と小林研究科長

今後、企業のニーズを聞き取り、プログラムを提供していく予定だそうですが、三重大学が得意としている環境や防災領域、さらには医療経営に関するリカレント教育も考えられています。また、教養を高める上でのリカレント教育もよいと思いました。
三重大学は、人文学部、教育学部、医学部、工学部および生物資源学部の5学部・研究科に地域イノベーション学研究科を含めた5学部6研究科で構成され、様々な分野をカバーできる教員が活躍しています。三重大学の高等教育も、従来の大学教育に加え、今こそ、様々な世代の方々にとって学んで頂ける知の拠点として展開していくことを目標としたいと思います。

小林研究科長(左)、伊藤学長(中央)、尾西理事(右)

ピアサポーター学生委員会  ~三重大生の間の、人と人、人と環境のつながりを大切にした支援活動~

久しぶりのブログです。
三重大学ピアサポーター学生委員会の活動を伺いに、総合研究棟Ⅱ3階ピアサポートルームにおいて週一回開かれているランチミーティングに参加しました。

ランチミーティングの様子

ピアサポーター学生委員会では、新入生向けの履修や学生生活の悩みを相談できる「なんでも相談会」や、一緒に勉強をするYouTube配信「スタディライブ」など、学生による学生のための支援活動を様々に展開しています。サポータールームには、"私たちは相手と同じ目線に立ち、三重大生が三重大生のサポーターである風土を作ります。そして、人と人との関わり、人と環境との関わりを通じてつながりをより強固にします"という理念が掲げられています。委員会の活動は、TwitterやInstagram(「三重大サポ太」で検索)、YouTubeなどでも紹介されています。大学生になると一人での生活が始まる学生さんも多く、また履修する科目も自分で決定しなくてはなりません。新入生となったばかりの学生さん方には、これらのサポート活動は大変心強い存在と思います。

ピアサポーター学生委員会の理念


現在のメンバーは、男子8人、女子12人に、教員2名を加えた合計22人です。本日は、ピアサポーター長の西川きららさんをはじめ6名の学生さんと学生相談センターの鈴木英一郎先生が集まっておられました。サポ長の西川さん(人文学部3年生)は、コロナ禍のため入学時より2年間、授業もオンラインとなるなど厳しい学生生活となった学年ですが、本委員会に参加することで人との関わり合いを持ち、自身の居場所も感じることが出来たようです。委員会メンバーのみならず三重大生にとって、困った時のよりどころ、頼りになる場所だと感じました。雰囲気が大変良く、自分のやってみたいことをみんなが協力してくれる(城田さん)、年齢の近い人と接して自分のレベルアップにもつながる(山本さん)、三重大と他大学、団体同士のつながりもできる(坂口さん)、温かくしてもらったことを後輩に同じことをしてあげたい(練尾さん)、文理を超えた学部間を越えて話し合うことができる大変風通しの良い環境(後藤さん他)など、その思いも様々で、大変すばらしい委員会活動だと思いました。名古屋大学や東京工業大学をはじめとした全国の大学のピアサポーター同士の交流も行われているそうです。

ランチミーティングの様子


また、本学生委員会とは異なりますが、三重大学には学生が学生の生活や修学を支援する「キャリア・ピアサポート(CPS)資格」を認定する制度があります。この制度は、学生自身の活動を通じた学生支援を積極的に奨励するもので、所定の科目を履修し研修を受けた学生に対して資格が与えられます。さらに、「キャリア・ピアサポート(CPS)資格」取得者は、所定の科目を履修し研修を受けることで教員の要請により授業補助等の業務を担う「スチューデント・アシスタント(SA)資格」を取得することも出来ます。

これらの学生同士の助け合いは、三重大学での4つの力を備えた人材の育成にもつながっています。学生の皆さん、まだまだコロナ禍にありますが、様々な繫がり、コミュニケーションを大切にして、充実した学生生活を送ってください。

伊藤学長と学生ら集合写真