- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

日本を圧倒する中国の力を感じた国際ミッション(その1)
~MVPのVIPへのサプライズを仕掛けたのはP&D~

 10月21日(水)~25日(日)、みえメディカルバレープロジェクト(Medical Valley Projectの頭文字をとってMVPと略します)の国際ミッション団の一員として、中国遼寧省瀋陽市を訪問したので、その報告をみなさんにしておきましょう。

 みえメディカルバレーは、2002年から始まった三重県における産学官連携によって、この地域の医療・福祉・健康産業の振興を目指し、最終的には県民の健康を増進すること目指しています。県内だけではなく、海外の産学官連携による産業クラスターを毎年訪問し、国際的な展開も進めようとしています。

 さて、今回の中国ミッション団の構成は、大学関係者が7名で、三重大学大学院医学系研究科教授の西村訓弘さん、今年の4月から開設して全国的に注目を集めている「地域イノベーション学研究科」の研究科長の鶴岡信治さん、同教授の矢野竹男さん、社会連携研究センターの産学連携コーディネータの加藤貴也さんと加藤宏明さん、そして、鈴鹿医療科学大学からは、鍼灸学部の助教の鈴木聡さんが参加しました。私はというと、三重大学学長顧問と鈴鹿医療科学大学の副学長という両大学の立場での参加ですね。

 行政関係者は、三重県の健康福祉部長で今回のミッションの団長の堀木稔生さんをはじめ5名、企業関係者は三重県薬事工業会 会長で、(株)中外医薬生産社長の田山雅敏さんをはじめ10名が参加しました。この前のブログでご紹介した(株)万協製薬社長の松浦さんも参加しましたよ。そして、今回の旅のお世話をしていただいたのがピーアンドディーパートナーズ(株)(P & D Partners Co., Ltd)社長の董培(ドンペイ)さんと許蕾(キョライ)さん。

 21日の午後は移動日で、中部空港から桃仙国際空港へ。そしてバスで瀋陽市内の“瀋陽酒店”というホテルへ。中国では“酒店”というと、酒屋さんではなくホテルなんですね。瀋陽市は人口685万人の大都会で、大きなビルが林立し、街にはベンツやBMWなどの高級車も走り回り、高級ブランド専門のビルも並んでいます。私たちの住んでいる津市があまりにも小さく思えて、何か自分たちが“おのぼりさん”であるような感じがしました。

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 夕食は“嘉倫酒楼”というレストランで、おいしい中国の東北料理を楽しみましたが、突然、レストランのウェイトレスたちがバースデイケーキを運んで入ってきました。明日が田山会長の誕生日ということでのもてなしだったのですが、これには田山さんもサプライズ。みんなで、“ハッピーバースデイ田山さん”を歌いました。

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 田山さんは、三重県薬事工業会の会長をつとめられ、また、伊賀上野の商工会議所の副会頭もおつとめになって、三重大学伊賀研究拠点の設立にも尽力され、また、三重大学の客員教授として学生の講義も担当していただき、さらに、私が副学長をつとめている鈴鹿医療科学大学の理事でもあり、みえメディカルバレー(MVP)の最重要人物(VIP)なんですね。昨年のMVPの中国ミッションでは団長もつとめられました。

 さて、MVPのVIPである田山さんの誕生日前日のバースデイケーキという心憎いばかりのサプライズを仕掛けたのは、もちろんP & Dです。この会社は2007年に三重大のキャンパスインキュベータに設立されたベンチャー企業で、中国にも支店を置き、事業内容としては、①中国向け製品の安全、環境、衛生等の許認可申請取得代行、②中国市場における商品拡販サポート、③中国へ事業進出サポート、④その他中国と関連したビジネスのサポートをしています。

 社長のドンさんは中国で新聞記者を経たのち来日され、三重大学の大学院を修了。三重県内の企業に就職され、2年前に独立してベンチャーを立ち上げられました。会社の名前のP & Dの由来は、Plan and Doの頭文字と同時に、ドン(Don) ペイ(Pei)さんの頭文字をさかさまにしたということらしい。中国の表も裏も精通しているドンさんによる許認可申請取得代行のサービスは、他の企業ではなかなかまねのできないことなので、県外の大手有名企業からの受注も多いとのことです。

 このドンさんのパワーは、今回の中国ミッションでも多いに発揮されることになり、ミッション団のメンバーの評判はすこぶる良かったと思います。MVPを構成する三重県の企業が中国に進出をする場合にも、大いに役立ってくれることでしょう。

 ということで、“MVPのVIPへのサプライズを仕掛けたのはP&D”という、多くの皆さんにはたぶんわけのわからなかったサブタイトルの説明を終わります。