- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

私の字もまんざらではなかったらしい(?)
~練習船勢水丸の命名・進水式~

seisuimaru8.jpg   「9月24日11時から、三菱重工業株式会社下関造船所において、本学の新しい練習船勢水丸の進水式が行われました。本学からは、田中生物資源学研究科長、前川建造委員長、内田船長をはじめ乗組員幹部の皆さんや石倉元船長、三浦事務局長らが参加しました。
 ドックに着くと、折からの抜けるような秋晴れのもと、真新しい白くスマートな船体が文
seisuimaru3.jpg 字通り満艦飾(まんかんしょく)に飾られて威容を現していました。
 式典は、ブラスバンドによる奏楽のあと、研究科長により「勢水丸」と命名がなされ、船側の幕が落とされて、学長揮毫(きごう)の「勢水丸」の文字が現れました。
 続いて生物資源学部の女子学生から抽選
seisuimaru7.jpg で選ばれた北原あゆみさん(4年生)により支綱(しごう)が切られると、くすだまが割れて、風船、花火があがり、船がゆっくり動き出しました。
 その後、きりっとした制服姿の船員の皆さんともども新船をバックに記念写真におさまり、祝賀会に移りました。造船所長は学長ブログをよく読んでおられ、揮毫の苦労の箇所を引用して話されました。建造委員長を6年間つとめた前川先生の「やっとここまできた」というご挨拶には感慨深いものがありまし
seisuimaru4.jpg た。石倉元船長には、現在の船の船腹を延長する大改修をやったときのご苦労などを伺いました。石倉さんらOBの皆さんは夏の間現在の船員たちにかわって工事の進捗を監督するため、何度もドックにおいでになったそうです。1隻の船ができるまでには実に多くの方々のご苦労が積み重なっていることを改めて感じました。」

 ところで、皆さん、この文章はいったい誰が書いたと思いますか?なんとなく私の文章と雰囲気が似ているようで、少し違うかもしれないと思われた方もいるかもしれませんね。実は、三重大学事務局長の三浦春政さんに書いていただいたのです。「勢水丸」については、3月3日のブログでご紹介しましたが、今回の進水式に私は参加しなかったので、私と二人三脚で三重大の経営に携わっている三浦さんに現地の報告をお願いしたというわけです。 seisuimaru6.jpg

 三浦さんは非常に優秀な「役人」です。このように必要にして無駄がなく、状況を的確に表現する文章をあっという間に書くことができます。しかも、今回は私の文体の雰囲気にもマッチするように配慮していただいています。最近、政治家や国民からの「役人」への批判が続いたこともあり、東大生が以前ほど公務員を志望しなくなったと聞いています。「役人」は批判されることはあっても、ほめられることのない職業ですからね。

 私は、日本の将来のためには、優秀な「役人」の存在は必要不可欠であり、もっと多くの人に魅力を感じさせる職業にしないといけないと思っています。この点では、志望者が減少して社会問題となっている産婦人科(私の専門)と共通した部分があります。
 
 さて、話を「役人」から「勢水丸」にもどしましょう。造船所長さんが私のブログも読んでおられ、挨拶で「勢水丸」の船体の字についてもお触れになったとは、まことに光栄なことです。私の字もまんざらではなかったらしい(?)。進水式が終わっても、これから内装などの工事が続き、三重県松阪港での三重大へ引き渡し式は来年3月の予定です。新しい「勢水丸」に会えることを心から楽しみにしています。