- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

学生たちが勝ち得た環境ISO
~めざすべき環境教育とは?~

    12月11日は環境に関する国際標準規格ISO14001(環境ISO)の認証授与式の日でした。講堂小ホールは、来賓、大学関係者、三重県、企業の皆さん、学生たちでいっぱいとなりました。私の挨拶のあと、副知事のご挨拶、朴恵淑(ぱく けいしゅく)教授による経緯の説明、学生による活動の紹介、生協のレジ袋有料化の発表があり、そして、内閣府原子力委員会委員の松田美夜子さんから、ヨーロッパの先進的な環境への取り組みを紹介していただきました。

DSC_0003-3.JPG    環境ISO認証は多くの企業や自治体が取得しており、最近は大学でも増えつつありますが、総合大学で全学部一挙に取ったのは、本学が初めてだと思います。

    しかし、いざ取ろうとすると反対意見も出され、ISO認証は企業がイメージ向上のために取るものだとか、また、費用がかかることも指摘されました。それで、企業とは一味違った大学らしい計画にし、費用も最小限に抑える努力をして、06年2月にキックオフ大会にこぎつけ、準備すること1年半あまり、この日を迎えたわけです。この間、06年度の三重大学環境報告書が、環境省主催の環境コミュニケーション大賞で優秀賞を受賞しています。

    大学らしい環境ISOにするために、学生たちに全面的に参加していただくことにしました。朴先生をはじめ熱心なISO推進室の教職員の指導のもと、学生自らがマネジメントシステムを回すことによって環境活動を展開しました。かつて地域の住民から、学生のごみ捨てを指摘されたこともある町屋海岸の清掃を、今では地域の方々といっしょに学生がやっていますし、エコバックのデザイン、学内のごみ問題や放置自転車の問題にもチームを組んで取り組んでいます。

    学生たちは「ISO認証取得に学生が直接関わることを認めた三重大学は、何てすばらしい大学でしょう。」と言ってくれます。学生が自ら考え、みんなといっしょに問題を解決し実践する。このような実体験をとおして、講義で学んだことが血となり肉となるのだと思います。 DSC_0012-2.JPG

    学生さんに負けじと、私も、身近な環境活動に取り組んでいますよ。たとえば、学長室に寒暖計をぶら下げて、夏は28度、冬は19度にきっちりと温度管理をしています。学長室には、夏は薄着で、冬は厚着で来てくださいね。

(ISO認証取得は、学生の皆さん、施設部をはじめとする事務の皆さん、朴先生をはじめとするISO推進室の皆さん、各学部の教職員の皆さん、生協の皆さん、地域住民の皆さん、三重県庁の皆さん、中部電力、シャープ株式会社をはじめとする企業の皆さんなど、多くの皆さんのご協力があって初めて達成できました。ほんとうにありがとうございました。)