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高出力の深紫外LEDや深紫外半導体レーザーの開発に向けて、加熱・加圧した水を使用して基板からAlGaN半導体層を剥離する技術とメカニズムを解明

2023.10.30

研究の概要


■AlGaN半導体の半導体プロセスに導入しやすい加熱・加圧した水で基板剥離する技術を開発
■基板剥離メカニズムを解明
■本剥離技術はウェハーサイズの縦型デバイスプロセスが可能なため、高出力な深紫外LEDや深紫外半導体レーザーの実現につながることに期待

概要
 名城大学理工学部材料機能工学科の岩谷素顕教授、竹内哲也教授、上山智教授、名城大学理工学部応用化学科の丸山隆弘教授、三重大学大学院工学研究科の三宅秀人教授の研究グループは、高光出力の深紫外LEDや深紫外半導体レーザーを実現するために不可欠である、縦型AlGaN系深紫外半導体レーザーの開発に成功。さらに、半導体プロセスに導入しやすい加熱・加圧した水で基板剥離する技術を開発し、その基板剥離メカニズムも解明しました。

今後の展開
 縦型AlGaN系深紫外LEDや半導体レーザーは、デバイス・サイズを大きくしても均一に電流を流すことができ、1素子から1ワットを超える極めて高出力なレーザー光を得ることが期待できます。また、これらを集積化することで数十ワット~数百ワットの超小型光源の提供が可能で、バイオテクノロジー、皮膚病治療などの医療用途や、UV硬化プロセス、レーザー加工など工業分野への応用が期待されます。本研究の基板を剥離する技術により、高出力な深紫外LEDや深紫外半導体レーザーの実現につながるだけではなく、パワーデバイスやその他の技術への拡張も期待されます。

 この成果の一部は、環境省「革新的な省CO2型感染症対策技術等の実用化加速のための実証事業/高効率・長寿命深紫外LEDの技術開発と細菌・ウイルス不活化および脱炭素効果の実証」、「JSPS科研費 22H00304」、「国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)」、「JST 研究成果展開事業研究成果最適展開支援プログラム A-STEP 産学共同(本格型) JPMJTR201D」の支援を受けたものです。


本研究成果は、2023年 10月11日に応用物理学会の国際論文誌「Applied Physics Express」に掲載されるとともに、同誌の"Spotlights 2023"に選出されました。Spotlightsは、応用物理学コミュニティの興味を引く可能性の高い論文を特別に紹介するもので、例年、20数件の論文が選出されています。なお、Applied Physics Expressに受理される論文数は、毎年350件前後です。
DOI:https://iopscience.iop.org/article/10.35848/1882-0786/acfec9


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ブレイクスルー技術


研究者情報


   

三宅先生

三重大学大学院工学研究科 電気電子工学専攻 教授
三宅 秀人(MIYAKE Hideto)
専門分野:半導体工学・結晶成長・オプトエレクトロニクス

名城大学理工学部材料機能工学科 教授
岩谷 素顕

名城大学理工学部材料機能工学科 教授
竹内 哲也

名城大学理工学部材料機能工学科 教授
上山 智

名城大学理工学部応用化学科 教授
丸山 隆弘