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消費者は米の情報も"味わっている"?! 食味評価と購買意欲を向上させる栽培情報の不思議な効果

2024.12.13

研究の概要


三重大学大学院生物資源学研究科の関谷信人教授らは、有機米に対する消費者の食味評価や購買意欲が栽培情報で向上することを明らかにしました。
持続可能な栽培技術として有機栽培が注目されています。しかし、その栽培面積は依然として限定的であり、消費者需要を喚起して市場を拡大させる必要があります。有機食品に対する官能評価は情報で変化し、官能評価と購買意欲には強い関係があることが報告されています。研究グループは、有機栽培の情報を開示することで、有機米に対する消費者の官能評価が向上し、購買意欲の向上へつながるのではないかと考えました。
三重大学職員211名を2グループに振り分け、一方のグループには目隠しで同一品種(三重23号)の有機米と慣行米を食べ比べて貰い、他方のグループには栽培情報を開示して食べ比べて貰いました。その結果、栽培情報の開示で食味評価が向上し、生産者情報の提供で「また食べてみたい」という意志が高まることが明らかになりました。また予想に反して、食へのこだわりが強い消費者ほど有機米に対して慎重な評価を示すことも明らかになりました。
これらの結果は、栽培技術や生産者情報を上手く活用することで、有機米の消費者需要を拡大できる可能性を示しています。

本研究は2024年11月19日、国際学術誌「Sustainability」に掲載されました。
論文タイトル: Shaping rice preferences: Effects of farming information, package design and consumer attributes
https://doi.org/10.3390/su162210099

本プレスリリースの本文は「こちら」


研究者情報


 

水稲に秘められた未知の能力を解き明かす (1)_R.jpg

生物資源学研究科 教授
関谷 信人(SEKIYA Nobuhito)
専門分野:作物学
現在の研究課題:持続的水稲栽培(有機稲作)技術の開発