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『ドクターフィッシュ』のゲノムを世界初解読!~新たな疾患モデル生物として期待~

2025.5.12

研究の概要


三重大学大学院医学系研究科の島田康人講師らの国際共同研究チーム(日本・インドネシア・オーストリア)は、通称ドクターフィッシュとして知られる淡水魚『ガラルファ(Garra rufa)』のゲノムを世界で初めて染色体レベルで解読しました。ガラルファは37℃以上の高温環境で生存可能な特性を持ち、高温環境下でのヒト疾患研究(ヒト由来癌細胞移植や感染症など)のモデル生物として注目されています。本研究により、ゲノムサイズは約1.38ギガベース(Gb)で25本の染色体構造を持つことを明らかにしました。さらに、高温耐性に重要な熱ショックタンパク質(HSP)や熱ショック因子(HSF)のゲノム中の位置を特定しました。これらのゲノム情報は、ガラルファを新たな疾患モデルとして研究開発するために必須の基盤となります。また、今回の研究成果により、既存モデル生物であるゼブラフィッシュとのゲノム比較が可能になり、遺伝子機能解析やゲノム編集技術の応用範囲も広がります。今後、ガラルファのゲノム情報を活用し、がん・感染症をはじめとする様々なヒト疾患モデルの開発が加速することが期待できます。

『ドクターフィッシュ』のゲノムを世界初解読!_画像

研究成果は、2025年5月9日に「Scientific Data」にオンライン掲載されました。
論文タイトル:Chromosome-level genome assembly of the doctor fish (Garra rufa)

https://www.nature.com/articles/s41597-025-05101-w

本プレスリリースの本文は「こちら

研究者情報


 

島田康人先生

三重大学大学院医学系研究科 統合薬理学 講師
三重大学ゼブラフィッシュリサーチセンター 代表
島田 康人(SHIMADA Yasuhito)
専門分野:統合薬理学、ゼブラフィッシュモデルを用いた創薬・疾患研究
現在の研究課題
・ゼブラフィッシュを用いた疾患モデルの開発
・天然化合物を活用した創薬研究
・高温耐性魚類ガラルファを用いたヒト疾患モデルの構築