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酸素発生を伴わない光合成に関わる新しいタンパク質

2021.11. 4

研究の概要


三重大学大学院医学系研究科の谷一寿特任教授、溝口明教授、茨城大学大学院理工学研究科の大友征宇教授、沖縄科学技術大学院大学のBruno Humbel博士らは、微生物発酵などの利用が進んでいる光合成細菌の一種Rhodobacter sphaeroides(ロドバクタ―・スフェロイデス)(Rba. sphaeroides)の「膜タンパク質コア光捕集反応中心複合体」をクライオ電子顕微鏡により立体的に可視化することに成功しました。光捕集反応中心複合体は、光合成細菌が光エネルギーを集め、電子変換し、伝達することを可能にしている膜たんぱく質で、特に、高エネルギー変換を支える新奇膜タンパク質protein-Uが結合した状態で可視化できた初めての例であり、更にノックアウト株により機能も明らかにしました。
また、光捕集反応中心複合体へのキノン流入出に関与していると考えられてきたPufXの立体構造とその位置が明らかにされたことで、光の捕集からキノンを介した電子伝達の経路も明らかにすることもできました。さらに、これまで立体構造が解明されている複合体に較べてカロテノイドの含量が2倍であることが知られていましたが、どこにカロテノイドが結合し相互作用するのかわかっていませんでしたが、本報告により新たな結合サイトが存在することがわかりました。
三重大学、茨城大学、沖縄科学技術大学院大学、神奈川大学、中国科学院植物研究所、神戸大学、南イリノイ大学の国際共同研究によるこの成果は、学術誌「Nature communications」にオンライン掲載されました。





詳しくはこちらをご覧ください。

コア光捕集反応中心複合体をペリプラズム側から見た構造


研究者情報


三重大学大学院医学系研究科 特任教授
谷 一寿(Kazutoshi Tani)
専門分野:構造生物学

三重大学大学院医学系研究科 教授
溝口 明(Akira Mizoguchi)
専門分野:電子顕微鏡(解剖学)

茨城大学大学院理工学研究科 教授
大友 征宇(Seiu Otomo)
専門分野:構造生物化学