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膵臓癌由来の液性タンパク質の同定に成功 膵臓癌の早期発見につながる新規バイオマーカーの開発につながる可能性

2021.10.13

研究の概要


この度、三重大学大学院医学系研究科の江口暁子特任准教授らの研究グループは、極東製薬工業株式会社との共同研究において、膵臓癌診断に応用できる可能性がある膵臓癌由来の液性タンパク質(バイオマーカー候補)の同定に成功しました。本研究内容は肝胆膵外科に関わる学会誌『Journal of Hepato-Biliary-Pancreatic Sciences』にて日本時間2021年9月23日に公開されました。膵臓癌は、日本国内では年間4万人以上が罹患しており、5年相対生存率は約10%という癌の中でも極めて予後不良の疾患で、早期発見の普及につながるより簡便な新規バイオマーカーの開発が望まれてきました。そこで本研究では、内視鏡的超音波微細針吸引(EUS-FNA)で採取した膵臓癌患者の膵臓癌から細胞外小胞を精製し、そのタンパク質成分を検出しました。その結果、膵臓癌により出現すると考えられるタンパク質の中にはRas関連タンパク質やMucinなど膵臓癌組織で上昇すると報告されているタンパク質に加え、これまで膵臓癌での確認報告がないタンパク質も検出されました。また、このタンパク質のうち、膵臓癌のステージ(初期から進行癌)に連動するタンパク質の同定にも成功しました。将来的には、今回同定したタンパク質を血中で簡便に測定できる方法を開発し、膵臓癌の診断やステージ評価に応用できることが期待されます。



詳しくはこちらをご覧ください。

江口先生膵臓癌由来の液性タンパク質の同定に成功


研究者情報


三重大学大学院医学系研究科 消化器内科学 特任准教授
江口 暁子(Akiko Eguchi)
専門分野:細胞生物学、消化器内科、遺伝子デリバリー慢性肝疾患や合併症の病態進展メカニズムの解明