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グロビン蛋白分解物はUCP1の増加を介して内臓脂肪の蓄積を改善することを解明

2021.9.30

研究の概要


 この度、三重大学大学院地域イノベーション学研究科の臧黎清特任講師、三重大学大学院医学系研究科の島田康人講師(次世代創薬ゼブラフィッシュスクリーニングセンター代表)らの研究グループは、ロート製薬株式会社、エムジーファーマ株式会社との共同研究において、グロビン蛋白分解物(GD)がUCP1の増加を介して内臓脂肪を減少させることを明らかにしました。本研究内容はオンライン科学誌『Frontiers in Nutrition』 (Frontiers Media SA 社)にて日本時間2021年9月28日(火)午前2時に公開されました。
当研究グループは、すでにゼブラフィッシュ内臓脂肪可視化モデル(稚魚)を用いたスクリーニング試験の結果、脂質低下効果がある天然物の1つとしてGDを報告しています(Nakayama H, et al. Molecules 2020;25:5840)。今回、肥満モデルゼブラフィッシュとマウスを用いて、このGDの内臓脂肪への影響とその分子作用機序について評価しました。GDは、2種類の肥満動物の血中脂質の上昇を抑制・内臓脂肪の蓄積を改善し、次世代シーケンサーによるトランスクリプトーム解析(RNA-seq)の結果、GD摂取により消化と胃腸吸収に関連するパスウェイネットワークが活性化され、そしてエネルギー代謝キーレギュレーターのUCP1が活性化されたことを発見しました。さらに、マウス白色脂肪組織を用いたUCP1遺伝子解析と免疫染色の結果により、GDが白色脂肪組織中のUCP1の活性化によって内臓脂肪量を減少させていることを明らかにしました。

 詳しくはこちらをご覧ください。


研究者情報


   

三重大学大学院地域イノベーション学研究科 特任講師
臧 黎清(Liqing Zang)
専門分野:薬理ゲノミクス・分子生物学・実験動物学・ゲノム生物学・生理学
現在の研究課題:2型糖尿病性腎症モデルゼブラフィッシュの構築および治療標的遺伝子の探索

三重大学大学院医学系研究科 講師
島田 康人(Yasuhito Shimada)
専門分野:薬理ゲノミクス・バイオインフォマティクス
現在の研究課題:肥満・癌モデルゼブラフィッシュを用いた創薬研究

写真
写真左:島田 康人 講師
写真右:臧 黎清 特任講師