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伊賀市馬野川に復活させる小水力発電

2017.12.14

県内伊賀地区には大正初期に操業を開始した地域エネルギーである河川水を利用した小水力発電所が2ヶ所ありました。そのうち一つである馬野川の伊賀馬野川水電(株)は、1919年(大正8年)に小水力発電設備として操業を開始しましたが、老朽化が進み1958年(昭和33年)に廃業となりました。

今回同じ場所に地元の企業である(株)マツザキが、① 貴重な水資源を地域エネルギーとして地産地消、②ここで得た恩恵を地域に還元、③ このプロジェクトにより住民参加による郷土意識を向上させ地域社会の元気を取り戻そう、との3つを目的として小水力発電を復活させる構想を2013年に立案し、本学地域イノベーション学研究科の坂内正明特任教授と共同開発を行ってきました。

以後、地元の住民自治協議会、三重大学、地域金融機関である北伊勢上野信用金庫と地域協議会の開催、先進地区事例調査などの活動を行ってきました。

この度、この事業の事業採算性の評価の確認ができ、発電所を建設・運営する新会社(みえ里山エネルギー株式会社)を設立しましたので、会見で紹介させていただきます。本プロジェクト(馬野川小水力プロジェクト)の特長は以下の3点です。

① 民間が主体となって事業化する小水力発電

② 水を長距離輸送する方式を従来とは異なる新しい方式に変更し、地産エネルギーを最大限に活用する。

③ 発電所運転開始にあわせて、得られた利益を地元産品で出資者に還元する一般社団法人(予定)を設立し、地域社会に貢献する。

地元の3つの住民自治協議会と協力しながら、民間主導で実施する稀なプロジェクトであり、我々は今回の地産地消プロジェクトが今後広く国内各所に展開していくことを期待しています。

・小水力発電設置場所:馬野川(伊賀市奥馬野)一級河川淀川水系 普通河川馬野川

・導水管の長さ/標高差:1,082m/77m

・水搬送方式:密閉式パイプ(サイホン効果を利用) ・発電出力:199kW(旧発電所(50kW)の4倍)

・年間発電出力:約1,010MWh ・総工費:約3.7億円 ・操業開始:平成31年4月(予定)

 

20171106_伊賀市馬野川に復活させる小水力発電 記者会見(望遠1) (1)_R

国際環境教育研究センター スマートキャンパス部門 部門長
地域イノベーション学研究科 特任教授
坂内 正明(Masaaki Bannai)

専門分野:エネルギー工学、環境技術、プロジェクト・マネジメント

現在の研究課題:新エネルギー、エネルギーサービス事業、
        リスクマネジメント、低炭素社会の実現
        新エネルギー、省エネルギー、CO2削減、
        環境に貢献するエネルギー設備の事業化支援

 

20171106_伊賀市馬野川に復活させる小水力発電 記者会見(望遠1) (2)_R

株式会社マツザキ 代表取締役
みえ里山エネルギー 代表取締役
松崎 将司(Masashi Matsuzaki

 

20171106_伊賀市馬野川に復活させる小水力発電 記者会見(望遠1) (19)_R

阿波地域住民自治協議会 会長
馬野川小水力発電を復活させるプロジェクト地域協議会 会長
藤森 荘剛(Sogo Fujimori