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いつでも・どこでも・誰でも使える! 災害時に活用できる軽くて持ち運び可能なソーラーパネルを開発

2016.5.26

20160518mobilesolarpanel

 「食べ物はすぐに支給されたが、電気はなかなか使えなかった」「乾電池がすぐになくなった」。被災地からこのような声を受け、株式会社ナベル(伊賀市)が「女性でも持ち運べるほど軽量で、災害時、電気が止まってもどこでも使えるソーラーパネル」を立案し、三重大学大学院地域イノベーション学研究科の坂内正明特任教授と共同開発を行いました。従来可搬式のソーラーパネルはありましたが、蓄電容量も少なく、主にレジャー用として使われています。今回開発した製品は、従来のものと比べて、耐久性も高く、蓄電池が中容量な災害時にも使える軽量のソーラーパネルです。開発までの共同研究の期間は約2年間で、坂内特任教授は主に製品の開発指導や改良、株式会社ナベルは工業製品分野の蛇腹で培った軽量化そして、高信頼な技術を適用し製品を開発しました。この製品は、災害時に安否確認などの貴重な情報を途絶えさせずに、皆さんに安全と安心を提供することができます。

  • 「いつでも、どこでも電気の利用が可能」
    太陽が照った時に電気を貯めておけるので、昼夜を問わずいつでもどこでも電気を使うことができます。また軽量化を進め、女性でも持ち運べます。

  • 「厳しい条件下に耐える耐久性」
    ライフラインが遮断するような災害時には、気象条件(寒暖や雨風、雪)も厳しくなりますが、いかなる条件下においても、安全に使える耐久性を持った製品です。

  • 「長期間安定的発電と蓄電の性能を保つ」
    10年以上使用しても、電気を供給する性能はあまり低下しません。

 本製品は、軽量・コンパクト化を実現させた9枚の折り畳み式ソーラーパネルで、リュックに入れて背負える、持ち運び可能なものです。発電部となるソーラーパネルには軽量化と柔軟性を同時に実現する非結晶シリコンを使用しています。このシリコンは高温や曇天の時でも効率よく発電を行えます。また、特殊シートを用い、過酷な利用時条件であっても安定的に使える特長を持たせました。保守においては9枚パネルを取り外し可能にし、一部が破損しても該当部だけ取り換えが可能です。さらに、各発電モジュールの並列化により、一部のパネルが影で隠れても残りのパネルで安定して発電できるよう工夫しました。晴天時は約3時間でフル充電でき、携帯電話の充電なら20時間、小型扇風機なら5時間ほど使用できます。発売は9月頃で価格は約20万円。

製品名:「nanoGrid」

  • ソーラーパネル 広げて9枚(折り畳むと9分の1)
    大きさ(1枚) H約50cm×W約42cm
    重 さ 約3kg

  • リチウム蓄電池
    最大出力 120W
    電池容量 200Wh
    大きさ W140mm×H45mm×L370mm
    重 さ 約2kg

Rナビ.坂内先生

地域イノベーション学研究科
特任教授 坂内 正明(Bannai, Masaaki)

専門分野:エネルギー工学、環境技術、プロジェクト・マネジメント
現在の研究課題:新エネルギー、エネルギーサービス事業、
        リスクマネジメント、低炭素社会の実現
        新エネルギー、省エネルギー、CO2削減、
        環境に貢献するエネルギー設備の事業化支援



Rナビ.永井社長

株式会社ナベル
代表取締役社長 永井 規夫(Nagai, Norio)

本社:三重県伊賀市ゆめが丘7丁目2-3
創業:昭和47年10月(永井蛇腹)
業務内容:各種ジャバラの製造及び販売





【参考】
地域イノベーション学研究科 https://www.mie-u.ac.jp/innovation/
株式会社ナベル http://www.bellows.co.jp/ja/