研究者
工学研究科 分子素材工学専攻 有機精密化学研究室
清水 真 教授
溝田 功 助教
横森 万 産学連携コーディネーター
梅村 時博 特任教授
本研究成果の概要
三重大学工学研究科分子素材工学専攻有機精密化学研究室の清水真教授及び溝田功助教は、ニチコン株式会社との共同研究を推進し、再生可能エネルギー【太陽光発電】の普及に貢献する高機能・高電圧対応アルミ電解コンデンサ「105℃750V以上」用新規電解質を開発しました。
開発背景
- コンデンサとは蓄電器のことで、静電容量により電荷を蓄えたり、放出したりする受動素子です。用途としては、電子回路に抵抗器やコイルと共に用いられ、整流効果を示し、フィルタとして用いられています。
- コンデンサには様々な種類があり、プラスチックフィルムコンデンサ、セラミックコンデンサ、マイカコンデンサ、電解コンデンサ、電気二重層コンデンサなどがあります。
- 中でもアルミ電解コンデンサは、私たちの身の回りの電気製品に数多く組み込まれており、太陽光発電用等の電力変換装置のキーコンポーネントの一つとなっています。
- 太陽光発電設備を初めとした電力変換装置の更なる高信頼化や、環境負荷の低減には、アルミ電解コンデンサの高耐電圧、高耐久性、小型化などが重要です。
- 清水研究室は、コンデンサの主要成分である電解質の性能向上に努め、所期の目標を達成しました。
研究成果の主な特徴
- 清水研究室は、電解液の主要構成成分である二塩基酸の分子構造と要求性能(高耐電圧化・高耐熱性化他)の相関関係を追求し、最適な分子構造を提案し、目標性能の達成に成功しました。
- この新規高機能電解質を用いることで、従来の85℃650V対応をグレードアップした105℃750Vのアルミ電解コンデンサの実現が可能となりました。
- 本研究成果は、太陽光発電分野にとどまらず、電力変換装置を必要とする様々な電気電子機器の信頼性の向上と日本の電気電子産業の国際競争力の向上に貢献します。
特記事項
本研究成果は、電波新聞(2015年10月7日)に掲載されました。
本研究成果は、2015年10月7日~10日開催の「CEATEC JAPAN2015」で、ニチコン株式会社のブースにおいて発表されました。
研究者情報
工学研究科 分子素材工学専攻 有機精密化学研究室
教授 清水 真(Shimizu, Makoto)
http://www.fine.chem.mie-u.ac.jp/%E6%B8%85%E6%B0%B4%E5%85%88%E7%94%9F.html
助教 溝田 功(Mizota, Isao)
http://www.fine.chem.mie-u.ac.jp/%E6%BA%9D%E7%94%B0%E5%85%88%E7%94%9F.html
研究室WEBサイト
工学研究科 分子素材工学専攻 有機精密化学研究室
http://www.fine.chem.mie-u.ac.jp/
【参考】
工学研究科HP https://www.eng.mie-u.ac.jp/