カモノハシの祖先はカモノハシと異なる生活をしていた!? 化石標本の再調査から1300万年の間に起きた進化を解明

2016.10.13

この度、三重大学教養教育機構の浅原正和特任講師は、東京有明医療大学、米国・セント・メアリー大学、豪州・ニュー・サウス・ウェールズ大学の研究グループと共同で、最も原始的な哺乳類であるカモノハシと、その祖先で1300万年前に生息していたオブドゥロドンの感覚能力と生活様式の違いを明らかにしました。この研究成果は、2016年10月12日付(日本時間10月13日)の米科学誌「Science Advances」(米Science姉妹誌)にて発表されました。

米科学誌「Science Advances」
 URL:http://advances.sciencemag.org/content/2/10/e1601329
(2016年10月12日オンライン)

カモノハシとオブドゥロドンはそっくりな姿をしていますが、カモノハシはオブドゥロドンと異なり、歯を失っているという違いがあります。本研究はその点に着目し、原因を探るべく、カモノハシとオブドゥロドンの頭骨の形態をCT撮影などの手法を用いて比較し、以下の結果を得ました。

  • カモノハシのくちばしは下向きなのに対し、オブドゥロドンのくちばしは上向きで、採食場所がそれぞれ川底、水中と異なっていたと考えられた。

  • カモノハシはオブドゥロドンよりも三叉神経(くちばしの電気感覚を脳に伝える神経)がより発達しており、電気感覚が強くなっている一方で、目は小さく、視覚は低下したと考えられた。

  • CT断層撮影の結果、カモノハシでは電気感覚を強化するための三叉神経の発達が歯の生える空間を奪い、歯を失うことにつながったと考えられた。

これまでカモノハシの仲間(単孔類)は1億2000万年前から電気を感じる感覚に依存してきたと考えられてきました。本研究結果はその感覚能力にも時代的な変遷があったことを明らかにしたという、従来からの定説を書き換える成果です。

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図1:オブドゥロドンとカモノハシの頭骨

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図2:オブドゥロドンとカモノハシの生活の違い(研究結果)

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三重大学教養教育機構
特任講師 浅原 正和(Asahara, Masakazu)

専門分野:哺乳類の進化形態学
現在の研究課題:歯と頭骨を中心とした各種哺乳類の形態進化





【参考】
 教養教育機構 http://www.ars.mie-u.ac.jp/