地方県における急性心筋梗塞医療の現況と課題 ―大都市圏との直接比較による検討ー 地方では救急車による直接搬送率の向上が急務!!

2018.4.20

概要


急性心筋梗塞は、増え続ける心血管疾患死の最多の原因疾患となっており、三重県を含む地方では、その死亡率はより高い傾向にあります。治療には迅速な再灌流療法(閉塞した心臓の血管を再開通させるカテーテル治療;ガイドラインでは発症2時間以内の再灌流療法を推奨)が最も重要ですが、過疎・高齢化の進む地方では都市部と同等の医療を提供できているのか、よくわかっていませんでした。今回、三重大学を中心とした合同研究班は、厚生労働省科学研究費のサポートを受け、地方における急性心筋梗塞医療の問題点として以下の2点をつきとめました。①救急車によるカテーテル治療施設までの直接搬送の割合が地方では東京都よりも有意に低い、②その差が再灌流療法までの時間的遅延および初期治療効果の悪化に直結している。

研究の内容


三重大学・金沢大学・弘前大学・愛媛大学・東京都CCUネットワークの合同研究チームは、急性心筋梗塞症例の詳細な診療データを前向きに収集し、地方4県(三重県、石川県、青森県、愛媛県)と東京都とで直接比較しました。地方ではカテーテル治療施設まで救急車で直接搬送された人の割合が有意に少なく、発症2時間以内に再灌流療法を受けた人の割合も東京都の約半分しかいませんでした。今回の研究は日本の都市部と地方における急性心筋梗塞の急性期医療の実態を比較し、課題を提示した初めての大規模研究であり、今後日本の各地域における救急医療体制の改善や地域医療計画の策定等にも大いに役立つことが期待されます。本結果は、日本循環器学会の学術雑誌『Circulation Journal』オンライン版に3月27日掲載されました。

研究者情報


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大学院医学系研究科 臨床医学系講座 循環器・腎臓内科学分野 教授

医学部附属病院 病院長

医学部附属病院CCUネットワーク支援センター センター長

伊藤 正明(Masaaki Ito

専門分野:内科学、循環器病学、血管生物学

現在の研究課題:高血圧、肺高血圧、分子心血管病学、循環器薬の作用メカニズムに関する研究

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大学院医学系研究科 循環器・腎臓内科学

医学部付属病院 CCUネットワーク支援センター 助教

(現 三重県立総合医療センター 循環器内科 医長)

増田 純(Jun Masuda)

専門分野:心筋梗塞・狭心症などの虚血性心疾患に対するカテーテル治療、虚血性心疾患に対する脂質管理、急性冠症候群の疫学