- 学長ブログ ある地方大学長のつぼやき -

三重大学長の「つぶやき」と「ぼやき」のブログです。

三重大の「カイゼン」活動の火が消えないことを心から願う
~業務改善活動発表会と推進グループミーティングより~

 昨日(2月27日)の午前中は、鈴鹿医療科学大学と三重大学との連携協議会が鈴鹿医療科学大学であり、午後は、業務改善活動推進グループのミーティング、そして、夕方から“三重県と三重大学の医療に関する懇談会”があり、けっこうハードな一日でした。医療に関する懇談会で知事さんをはじめ県の幹部の方々にプレゼンをするための資料つくりに、前日は朝の3時までがんばったので、ちょっと睡眠不足でしたしね。その内容はおいおい皆さんにご紹介するとして、今日のお話は三重大の「カイゼン」についてです。

 「カイゼン」はトヨタ自動車や花王など、日本の有名な企業が採用しているマネジメント方式の一つですね。三重大の事務でも、このような「カイゼン」活動にとりくんでいるんですよ。

 1月30日に、平成20年度の業務改善活動発表会がありました。事務職員の皆さんが“業務の効率化”、“情報共有”、“サービス向上”、“経費節減”、“環境改善・整理整頓”“増収”などについて33件の改善報告を提出し、そのうち8つが発表会で発表され、その中から学長と役員(次期役員も含む)が投票して優秀賞が3つが選ばれました。

 

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 優秀賞に選ばれたのは、総務チームの「全学会議の事務的効率化と経費削減」、附属病院経営管理課の「PDCAサイクルによる問題解決の手法」、附属教育研究施設チームの「附帯施設生産品の地域発信と高付加価値ブランドグッズの構築を図る」という報告で、私から表彰状と記念品をお渡ししました。

 

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  でも、私は、賞にもれた改善報告にもほんとうに素晴らしいものがあったと思います。改善活動の価値は、「どれだけ大きな金銭的効果があったか」だけで測れるものではなく、どんな小さな“カイゼン”でもすばらしいものなのです。大切なことは、どんな小さな“カイゼン”でも、それを積み重ねて継続することです。

 私の学長としての任期は3月いっぱいですが、4月以降、せっかく立ち上げた三重大の「カイゼン」活動の芽が、しぼんでしまうことをとても心配しています。監事さんからご指摘あった「提案制度」についても、その枠組みはつくりましたが、まだ、軌道に載っていない状態で任期を終えることをたいへん心残りに思っています。

 そんな中、2月27日の“業務改善活動推進グループ”のミーティングでは、メンバーの皆さんが今までの活動のまとめを私にしてくれました。“業務改善推進グループ”は、07年11月に、事務のいろんな部署から若手の皆さん11人を選んで学長直属の組織を結成したものです。この間、彼らには改善活動について勉強していただき、三重大版のすばらしいマニュアルを作っていただきました。この日は、全員は集まれませんでしたが、活動の最後の日ということでリーダーの駒田雅彦さんをはじめ集まった方々で記念撮影をしましたよ。

 

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 この推進グループはこの3月でおしまいになるのですが、今回、4月以降に改善活動を継続するためには何が必要かということについても、いくつかの意見をいただきました。一つは、この活動に専念する“専任”の職員が必要であるということです。ちょうど、教員のFD(教育の改善活動)についても、それを専任でコーディネートする“高等教育創造開発センター”の教員が必須であるのと同じ理由ですね。

  kaizenn07.jpg kaizenn08.jpg   また、改善活動推進グループに参加した若手職員は、ここで改善活動について基本的なことを学びました。4月以降も、このような推進グループを新たなメンバーで結成した方が良いとの意見でしたが、これは、改善活動を実践的に教育するシステムをつくるべきであるということでしょう。また、若い職員だけで改善活動をやるには組織上限界があるので、各現場の上司からの指導が大切であるという意見でした。このような意見が若手職員から出るようになったことはたいへんすばらしいことであると思います。

 4月以降私が改善活動を指導できなくなっても、このような意見が実行に移されて、ぜひとも、三重大の「カイゼン」活動の火が消えないことを心から願っています。