「賀詞交歓会」という言葉は、学長になるまでは耳慣れないものでしたが、ようやく慣れてきました。今年は、1月5日の三重大の「賀詞交歓会」に始まり、6日は津商工会議所の「年賀会」、そして7日の四日市商工会議所の「賀詞交歓会」に顔を出しました。

　ところで、「賀詞交歓会」と「賀詞交換会」という二通りの表現があるようですが、どちらが正しいのでしょうか？　グーグルで検索すると、前者が63300ヒット、後者が69300ヒットになり、同じくらい使われているようです。「賀詞」というのは「お祝いの言葉」という意味で、その後には「交歓」つまり「互いに親しく交わり楽しむこと」が来るよりも、「交換」という言葉の方が、意味が通じるという意見もあります。津商工会議所は「年賀会」という名称なので、表現の違いに悩む必要はありませんね。

　大学の賀詞交歓会にも、大勢の教職員を集めて行う大学もあるようですが、三重大はいたって簡素で、学長の年頭のあいさつの後、学長室で、理事と学部（部局）長さんだけで歓談し、出されるものはお茶とお菓子1個です。私が学長になる前からこういう形だったとのことです。ただ、今回は、4月から発足する次期執行部予定者にも加わっていただき、いつもよりにぎやかになりました。

　ところで、商工会議所の賀詞交歓会に学長が顔を出すことを、みなさんどう思われるでしょうか？

　平成16年の法人化までは考えられなかったことですが、今では、学長がこのような場に顔を出すことは大切なことと思います。学長が顔を出すだけでも、大学が本気で地域に貢献しようとしている姿勢が伝わるのではないかと思います。今回、ある方から学長一人ではなく、もっと三重大関係者が押しかけた方がいいとアドバイスをいただきました。そういえば自衛隊の方々は大勢いらっしゃっています。来年からはもっと押しかけることにしましょう。（ただし、参加費は私費ですが。）

　さて、このような会に出席した時に、何か一つでも貴重な「拾いもの」があるとうれしいものです。「拾いもの」といっても、お金や物を拾うという意味ではなく、人それぞれにとって、「良かったな」「うれしかったな」と思える出会いや出来ごとのことです。

　津の年賀会では、三重県中小企業団体中央会会長の佐久間裕之さんに出会いました。中小企業庁の「元気なモノ作り中小企業300社」に選ばれている「（株）スエヒロＥＰＭ」の社長さんです。従業員40人の会社ですが、スクリュープレス搾油機の国内シェア90％という実績です。「こういう経済危機の時には、どんな企業もしんどいことには変わりはないが、独自の技術を持ち独自の製品を開発できる中小企業とそうでない企業とでは、生き残る確率が大きく違うのではないか。そして、技術開発には大学との産学連携がたいへん重要であり、当社は三重大の生物資源学部と30年以上も前から共同研究をしている。」ということでした。こういうお話を聞くと、地方大学の存在意義を主張し続けている学長としてはとてもうれしくなりますね。

　さっそく、三重県中小企業団体中央会の「賀詞交歓会」にも顔を出したいと申しあげたのですが、残念ながら1月14日は私の都合がつかないので、副学長に出席をしてもらうことにしました。

　四日市には、岡田卓也さん（（株）イオン名誉会長）の三重大学名誉博士号授与式と記念講演会（2月2日）のチラシが出来上がったので、100枚ほど持って向かいました。会場には、岡田卓也さんも来ておられ、三重大の学生に対してお話ができることを、たいへん楽しみしておられました。

 　私がチラシを配っていたら、「学長さんが配っているなんて」と言って、何人かの方々が、「私が配ってあげましょう」と手伝ってくれたので、あっという間にチラシはなくなってしまいました。感謝感激です。こんなことなら、もっとたくさんチラシを持って行けばよかったと思いました。＜チラシの拡大図はこちらから.pdf＞ 

　岡田卓也さんの名誉博士号授与式と記念講演は一般市民の方々も無料で参加できます。またとない機会なので、ブログの読者のみなさんも、ぜひ参加してください。環境活動に一生懸命とりくんでいる三重大の学生たちは、岡田卓也さんや一般市民の皆さんに、ふだん取り組んでいる環境活動を見ていただこうと、後期試験が始まる前日というたいへんな日取りにも関わらず、一生懸命準備していますよ。

　三重大学名誉博士号授与式および記念講演「企業の社会的責任」
　岡田卓也氏（イオン株式会社名誉会長）
　2009年2月2日（月）16時～18時
　会場：三重大学講堂大ホール
　入場料無料